中国単身駐在上司の奥さん④
前回で何とか上司の愛人疑惑が晴れた私。
あ~良かった。
大変印象深かったですが、時間が経つに連れ、中国で発生する数え切れないトラブルの中の一つとなり、その内「そう言えば、あんな事あったな~」とランクダウンして行きました。
ところで。
仲を疑われた私と竹山さんでしたが、実際は、どのようだったのでしょうか?
一言で言えば「水と油」でした。
<立場>
竹山さん:家庭があり生活がかかっている。本社との人間関係に気を使いながら生真面目に仕事をする。
私:独り者で捨てる物なし、上司との人間関係よりも先ず仕事を前に進めようとする。
<性格>
竹山さん:気が弱く口ベタ。考えをうまく説明できない。また言わない。
私:思った事をすぐ口に出す。そうするのが相互理解の基礎だと思っている。
<中国に関して>
竹山さん:中国語や中国の国情を全く知らなかった。
私:言葉はある程度分かるし、中国の国情もある程度理解している。
こんな風に全く正反対だったものだから、何かと意見が対立し。仕事以外は話す事がなく。話したとしても会話が続かない。天気の話くらいはしてましたが…つまりは全然、気が合わなかったんですね。
なので愛人疑惑も自信を持って否定できるのです(笑)
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上司にとっては私は主張の強い生意気な部下だったでしょう。だから竹山さんにも敬遠されていたと思います。
…事例を二つ。
1)一度、私の両親が江蘇に遊びに来た時、竹山さんを「両親と一緒にお食事でもして頂けませんか?」と誘ったのですが、断られました。
エアコンの修理が来るとか、中国語のレッスンがあるとかで。
小さな用事ばかり並べるので「つまり会いたくないんだな」と察し「そうですか。残念です」と引き下がりました。
2)私の両親が来中したその年の国慶節休みに、竹山さんの奥さんが江蘇に遊びに来る、と聞きました。
電話事件から2年が過ぎていました。もう疑惑はないし女性同士だし。
「竹山さん、奥さん含めて皆で一緒に食事しましょうよ♪」と提案すると「勘弁してくれ」と言われました。
「疑惑は解けてるから、いいじゃないですか?」と言っても「勘弁してくれ」の一点張り。
また「分かりました。じゃあ、お二人で仲良くして下さい」と引き下がる事に。
…と、
ここまでが前フリです。
FAX事件、電話事件、私の両親の来中&竹山さんの食事会不参加、奥さんとの食事会を断られ、と来ましたが…
ここから、いよいよ本番です。
これらを踏まえて。
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竹山さんの奥さんが来るという国慶節の休みに入って2日目。
9月30日、AM10:00
私は、お出かけの準備をしていました。
日本人オジサン友達と、その取引先の台湾人の通訳をする為。と言っても食事会だったのですが。江蘇省は昆山市の巴城鎮の陽澄湖へ上海ガニを食べに行く、というもので♪
オシロイを顔にはたき込んでいた時に
私の携帯電話が鳴りました。
「ウエイ?(もしもし?)」
「ニーハオ!アンズさん」
「あ、金さん(会社に出入りしている白タク運転手)、どしたの?」
「竹山の奥さんが来てるの知ってるでしょ?」
「知ってるよ。確か昨日よね。ちゃんと来たのよね?」
「うん、私が迎えに行って連れて来たんだけど…」
「何?」
「今ね、ケンカしてるのよ。竹山と奥さん。」
「ええ~!!??」
「今朝から観光に出かける予定で迎えに行ったら、奥さんが怒鳴ってて。私、日本語分からないし、何が何だか分からないから、助けてほしいの」
「…(考)…
駄目だよ。
私、今から出かけるし。」
「どこ行くの?」
「カニ♪陽澄湖まで」
「そうなの…それ終わったらでいいから、来てくれない?」
ちょっと…
「奥さんに会いたい」と言って「勘弁してくれ」と断られた私が、何で行かなきゃならんの?
「悪いけど…行かないわ」
「どうして?」
「竹山さんが私と奥さんを会わせたくないって言ったから」
「そうなの?(驚)」
「そうよ!私が『一緒に食事でもどうですか?』って言ったら『勘弁してくれ』って言ったのよ!
『勘弁してくれ』!!!
私の両親が来た時だって会おうともしなかったのよ!なんで私がそんな人の手助けしなきゃならないの?冗談じゃないわ」
「・・・・・」
「夫婦ゲンカなんて、ほっとけば?」
「でも・・・」
「悪いけど、私、今から出かけるから。じゃあね」
「ああ・・・」
電話を切って。
家を出た。
知らないよ!
夫婦ゲンカでも何でも勝手にしとけばいいのよ!
そんな事より
カニよカニ~♪^^
私は待ち合わせ場所へ急いだ。
つづく。
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