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パラリンピック観戦日記④

山﨑晃裕という男

今回パラリンピックに出場した槍投げ選手の山ちゃん。山﨑晃裕選手。
もともと、右手がない状態で生まれてきた山ちゃんは幼い頃から野球を健常者と一緒にやっていた。
高校までは極々普通の右手が他の人とはちょっと違うだけの高校生。

高校野球だけでは無く日本国内にはパラリンピック種目ではない障害者野球というものが存在する。
確か山ちゃんと知り合ったのは、障害者野球の人の紹介だったような、、、。もう忘れちゃいました。

彼がまだ大学生で、発掘事業でテコンドーをやるか槍投げをやるか迷っていて『野球やってたから投げるのを得意な槍投げやろっかな』そんなノリで競技を始めた時に出会ったのが山ちゃんでした。

その時、センターポール理事の堀江さんも一緒にいた気がするけど
『山ちゃん、若くて良いねえ〜ああいう若者と出会う為に我々は仕事してるんよ』
と普段は辛口な堀江さんも山ちゃんがお気に入り。

鳥取まで車で爆走して山ちゃんの応援
※堀江さんは都内から海老名インターまでしか運転してくれなかった。。。

※ちなみに堀江さんの見る目はめちゃ良いです。
おじさん車いすバスケ選手丈さんが有名になる前に、この人すごく良いよって教えてくれたエピソードも。


若くて素直な山ちゃんは、センターポールの他の先輩選手達からも沢山愛されていたのが印象的です。

リオの祝勝会の時も山ちゃんは出場できていなかったけど来てくれた

初めて私が山ちゃんの槍投げの試合を見に行った時は招集場所から投擲フィールド行く時に肩掛けのファッションバックだったなぁ。
見かねたワタシは、トレーニングリュック買ってこれ使いなってプレゼントしたことあったな。

そんな彼も今では、日本代表で今回のパラリンピックは2回目。
バッグもジャージも日本代表です。

今回の投稿は山ちゃんのパリパラリンピック観戦の様子をお届けしようと思います。

前回の続き

午前中に打ち合わせ
フィールドワーク(趣味)
クラブフランス視察←ここまで完了

今日の予定は残すところ山ちゃんの応援だけ。
さて移動しようとすると、自転車がユーザーエラーで出庫できない。
番号の打ち間違いかと何度かチャレンジするが番号は合ってる、、、。
困った時はお客様センターへ、、、無理だ。フランス語じゃ出来ない。

電車で戻るでも合ったけど携帯の電池もピンチで、ナビ使えない状態でメトロ利用はリスクありそう。
自転車ならセーヌ川まで出れれば距離はあるけど自力で帰れる。

悩んでいると同じステーションで自転車を借りようとしている人たち全員が、借りれない様子でカスタマーセンターに電話したり困った様子になっている。

『ワシだけじゃない、、、』安堵
※ちなみに個人の管理不足で自転車紛失などすると300€とられます

どうやらここのステーションだけが駄目なのでは?
数100メートル行ったところで無事にゲット。一安心。

問題はここからセーヌ川にどう辿り着くか。
聞けばなんとでもなったんでしょうが、携帯を充電してから陸上の会場に向かうには時間結構タイト。
この日は自転車沢山走ることになりそうです。

多少のクラクションは鳴らされたものの、おばちゃんにもギャルにも抜かれず無事にセーヌ川側のノートルダムまで。
ここまで来れば一安心。

ホテルに戻ってもすぐ充電して身支度。

山ちゃんの時間は20時43分
現在時刻19時30分

自転車で会場まで14キロ時間にすると1時間
でも大丈夫。
なぜならこの日の午前中に電動アシスト自転車の存在を知ったのです。
待ってろ山ちゃん!

自転車爆走!アリーナが見えた時は感動した!

初めて夜のアリーナに行ったけど、すでに陽が落ちているのに、眩い光で時間帯を疑うくらい神々しい。
陸上は常にトラック、フィールド、そして表彰式が行われて観戦するにも大忙し。


これだけの観客がいてもトラックのレースは静寂になるのには鳥肌が立ちました。
すごい!現地まで行って良かった。


チケットは自転車で到着してからその場で買ったのですが、なんとアリーナ下部の槍投げがよく見える位置をゲット!
いよいよ山ちゃんの出番だ!


スクリーンに映し出されて、入場するシーンは出会った時のことを思い出して涙が出てしまいました。昔は変なファッションバックで入場していたのに今は日本代表ユニフォームを身に纏って出陣!

山ちゃんのベストは確か60.65m。メダル取るには自己ベスト更新しないと厳しいラインだけど調子は良いそうです。

1回目の投擲を終えて順位は5位。
記録は57m。

全部で6回のチャンスがあるのですが、見ている側としては早い段階でメダル圏内の記録を出して、安心して投げてもらいたいところ。
応援にも熱が入ります。

しかし、1回目の投擲で足を攣ってしまったらしくその後は記録が伸びず最終投擲へ。
それでも1回目の記録が今回のベストで7位で競技を終了。
観客席からも、気持ちを高めながら集中している山ちゃんがすごく印象的でした。

試合終了後、駆け寄ってきてくれた山ちゃん悔しそうだった

競技終了後、山ちゃんが気がついてこっちまできてくれた。

田中さんすいませんでした』

って言われた時は、涙が出てしまいました。わしは何もできていないし山ちゃんが謝ることはないんだぞ。
また頑張ろう!!

隣に映っている選手を見ればわかるように、山ちゃんは選手たちの中では小柄な方。いくら野球出身で投げることが得意でもボールと槍では違うだろうし、体と技術を一致させなければいけないスポーツのなので繊細さも必要です。
まだまだこれから若い山ちゃん次のロサンゼルスに向けて頑張ろう!!

俯く山ちゃんだけど胸を張って帰ってきて欲しい!

自転車争奪戦

会場での試合は夜の10時過ぎくらいまで行っているのですが、僕は山ちゃんの試合観戦後、夜も遅くなりそうなので帰宅の準備。
会場でも同じ時間に観戦を終えて帰宅する人が多かったのですが、警察官による交通制限あり。
どうやら自転車ステーションの争奪戦に混乱しないように人数制限をしている様子でした。

5分間に1回くらい?のペースで30人くらいまでしか通してくれません。

ゲートが開いてから駆け足でステーションへ行くが、残念ながらレンタル自転車はすでに売り切れ。
この日は歩いて近くの駅まで行って、メトロで帰ることとなりました。
一人夜道を歩くのは少し怖かったですが、ここでも沢山のアートと出会えたので良しとしましょう。

一眼レフ持ってきたら川辺に映るグラフィティも綺麗に撮れたんだろうな