一万円レガシー:時計デモスト考察
先日晴れる屋レガシー20時の部にて初めて3-0をした。憧れの3-0は今年中の冒険的な目標だったが、4回目の挑戦だった。もちろん当たりがいい上にマグレであると思う。実際にデッキは実験中のものだった。しかし友人のクリストファー脳乱氏、TNJ氏(初の一万円レガシー3-0達成者)と時計氏(デッキ発案者)と結構な時間を掛けて研究をした。
今後、使える現金は少ないが築地までの電車賃を払ってしまった同志達の1万円での参入を応援したく、中間報告書として僕の実験結果と暫定的な評価を書いた。4回目の挑戦時のデッキリストは最後に置いた。
後述するが、僕は真剣マジックは初めてで、経験不足のため最近のカードや最近の環境を理解しておらず、誤ったことや古いことが含まれる恐れがあるが、ご容赦願いたい。
まず、今回の時計デモストというデッキのコンセプトは
「一万円という予算の中で最強デーモンが暴れてレガシーのデッキ相手に勝つ方法としてハンデスを採用する」になる。
具体的には暗黒の儀式、1マナハンデスを2種、2マナの1対2交換を取れるハンデスを2種、ドローと除去を少し採り、1体で強いクリーチャーを出して勝つ、という戦略を採用した。
レシピは最後に載せるが、まだ未完成なので皆様のご意見を頂きたい。
組む際に検討したクリーチャーの評価を書く。
評価軸はデーモンストンピィに必要な能力として
決定力:相手が動けない時にゲームを終わらせる力
突破力:相手がブロッカーを出してきた時の対応力
除去耐性:相手除去スペルに対する耐性力
コスト:マナだけでなく、デッキ全体にかかる負荷や該当クリーチャーが戦場でパフォームするに必要な環境の用意コストを加味した評価
ユーティリティ:上記で評価できない力
の5軸を6段階評価で評価した。
《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》
決定力:★★★★☆ ほぼ最強
突破力:★★★★★ 最強
除去耐性:★★★★☆ 黒除去や稲妻では落ちない
コスト:☆☆☆☆☆ デッキが歪むし4マナは暗黒の儀式や時間が必要
ユーティリティ:★☆☆☆☆ 対戦相手が評価を誤るし、動きが極端なので相手のハンドが透けやすい
処理方法さえ用意すれば安定した最強クリーチャー、セラピーや突然の布告がよく採用されている。コアトル相手でも5点貫通する12試合30本ぐらいでこいつが処理できずに負けたことはまだない。
《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》
決定力:★★★☆☆ 相手が動けないときはパワー4
突破力:★★★☆☆ ドレインが突破力を上げている
除去耐性:★★★★★ 護法がハンデス戦略と最強
コスト:★★★★★ 大変使いやすいので必ず入れるべき
ユーティリティ:★★★★★ 墓地対が、伸びが良い相手の反撃の芽を摘むことができ、相手のハンドが透けやすく、大振りなカードとの運用が簡単にできる。
対デルバー最強カード。本音を言うと思考囲いと一緒に運用したい。
《朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur》
決定力:★★★★★ 最強一番3発確約
突破力:★☆☆☆☆ どんなブロッカーでもブロックが成立してしまうので厳しすぎる
除去耐性:★★★★☆ 黒除去や稲妻では落ちない
コスト:★★☆☆☆ 軽いしエサ代を要求し続けるが我慢もできる子。乗り手にリスク感覚が必要、僕の実力では乗りこなせずに仕方なく勝率を上げるために抜いた。
ユーティリティ:★☆☆☆☆ 共鳴者や墓地利用にのみある
チャリスや3玉があればウルトラ強い。リスク感覚が無くて失敗したこと多数。
《叫び大口/Shriekmaw》
決定力:★★☆☆☆ 気が遠くなる
突破力:★★★☆☆ Fearは意外に通る
除去耐性:★☆☆☆☆ 全くない
コスト:★★★★☆ 想起コストで唱えられるので使い勝手は良い
ユーティリティ:★★★★★ いつ引いても嬉しいカード
クリーチャーと思って入れないほうがいい。クリーチャーとして唱えることは少ない。濁浪も江村も殺せる激ヤバクリーチャー
《強請る大入道/Shakedown Heavy》
決定力:☆☆☆☆☆ 通常殴らせてくれるのは2発まで
突破力:☆☆☆☆☆ 威迫はすごく強いがブロッカーなくブロックされてしまう。最悪である。
除去耐性:★★☆☆☆ 稲妻は耐えられる
コスト:★★★☆☆ 唱えるコストは安いが決定力の欠如を何らかの方法でサポートする構築を必要としてしまう。
ユーティリティ:★★★★★ ウーロと相打ちを取れるブロッカーになれるファイレクシアの闘技場。
得られたドローが残り1〜8点を削る削ることができるなら大変強いカードではあるが、1万円構築されたデッキの1ドローを用いてどうやって勝ち切るのか。突破力の大きいカードを入れなければならない。僕は答えを出せず抜いたが強いカードだと思う。相手に選択肢のあるカードは弱いのはそのとおり。もう4枚は入れたくない。一回手札が11枚になった。
《疫病の肉裂き/Plague Reaver》
決定力:★★★★☆ パワー6すごい大体3発
突破力:★★☆☆☆ ブロックは簡単
除去耐性:★★★☆☆ 激情に耐えられる
コスト:★★☆☆☆ デッキは確実に歪むが深淵の迫害者の処理を引き受けられるのでシナジーがある。
ユーティリティ:★★☆☆☆ 展開を阻害するので厳しさがあるが、相手に全体除去を押し付けられる。動きとして大きすぎるので難しいが、ハンドに大型フライヤーががあるなら有効な場合も結構ある。
上級者向け
《血瓶の調達者/Bloodvial Purveyor》
決定力:★★★★☆ そのまま運用すると体感パワーは5.3ぐらい
突破力:★★★★★ ここは本物
除去耐性:★★★☆☆ 耐えられるが除去を引かれてしまう。
コスト:★★☆☆☆ 血を正しく飲める相手にはただただルーターを渡すだけになってしまう。4マナは良いしデッキの歪みはない。
ユーティリティ:☆☆☆☆☆ ダメそう
別名スティーブアオキ 100万円レガシー、いや、200万レガシーであれば《Chains of Mephistopheles》や《無のロッド/Null Rod》や《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》とのシナジーが凶悪でパーセキュータパッケージが不要なので自由度が高い。《Sink Hole》との相性もいい。大富豪になった場合は採用価値が十分ある。我々庶民には使いこなすことができない。
《夜鷲のあさり屋/Nighthawk Scavenger》
決定力:★★★☆☆ 体感パワーは4.5ぐらい
突破力:★★★★☆ 飛行ブロッカーでパワーが3あるものしかブロックに来ない。濁浪とダメージレースで勝てちゃうコンバットも相打ちでライフを得れてしまう。地上ブロッカーは無視してレースを制せる。
除去耐性:★★☆☆☆ ない。ハンデスが濃い必要がある。
コスト:★★★★☆ 軽いし、デッキを邪魔しにくい。僕には関係ないが2マナランドからは出せない。
ユーティリティ:★★★★☆ ライフゲインの強さはものすごい。実は相手の墓地対が殆ど効かない。
最強墓所の侵入者と微妙にディスシナジーではあるが、そのせいでパワーが下がることは稀。パワーを上げたいしデルバーに勝ちたいのでスモールポックスと運用してみたい。パワーの安定性は課題。
ここまでが僕の少ない実戦経験を踏まえた評価です。ここからは実践への採用を見送ったクリーチャーたちです。間違っている可能性も高いです。
《しつこい負け犬/Tenacious Underdog》
決定力:★★☆☆☆ これ一枚では勝てない
突破力:★★☆☆☆ ブロッカーと相打ちになっても問題がないけどこいつと相打ちを取りたくない
除去耐性:★★★★☆ 継戦能力は大変高い。除去は打たれないと思う。
コスト:★★★★☆ 軽いし、デッキを邪魔しにくい。
ユーティリティ:★★★★★ ターン終了時に死亡してワンドローがついているのがおかしい。
試したいけど予算圧迫があるので一万円レガシーのガイドラインに沿って15000円ほどまで伸ばしたときには採用しようと思う。
《アムムトの永遠衆/Ammit Eternal》
決定力:★★★★☆ パワー5で3マナはすごい
突破力:★★★★☆ ブロックが成立しても3点Loseするのはものすごいし、ブロックしないと次のアタックは5点になる。
除去耐性:★☆☆☆☆ 実は稲妻で落ちる
コスト:★★★★☆ 軽いし、2マナランドから出る。相手の展開に弱くなるので少し構築に考慮が必要
ユーティリティ:☆☆☆☆☆
《マルドゥの急襲指揮者/Mardu Strike Leader》
決定力:★★★★☆ 4発で確実にKOできる
突破力:★★★☆☆ 横に並ぶので突破力が持てる
除去耐性:★★★☆☆ 時間によるがトークンが残る
コスト:★★★★☆ 軽いし、2マナランドから出る。
ユーティリティ:★★★★☆ 時間依存が大きいので完全チャリスや3玉向
《パリアノの大悪魔/Archdemon of Paliano》
決定力:★★★☆☆ 結構良い方
突破力:★★★★☆ 飛んでるので良いと思う。帳簿裂きとは戦いにくい
除去耐性:★★★☆☆ 稲妻には耐えれる。
コスト:★★☆☆☆ 重いがデッキを歪めることはない
ユーティリティ:★☆☆☆☆ 安定している
《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
決定力:★★★★☆ すごく強い
突破力:★★☆☆☆ ブロッカーには弱いチャリス向き
除去耐性:★★★★☆ サイズとマナコストがあるので比較的よい
コスト:★★☆☆☆ 重い
ユーティリティ:☆☆☆☆☆ 実はブロッカーになりにくいので時間依存が大きくチャリス3玉向き
《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》
決定力:★★★★☆ 実質パワー5
突破力:★★★★★ トランプルも1点ダメージもあり、忍耐もブロックしたがらないしサイズも大きくなるのでパーセキューターと並びうる突破力
除去耐性:★★★☆☆ よいのでは
コスト:★★★☆☆ クリーチャーが多めだと強くなるので構築でどんどん伸びる
ユーティリティ:★★★☆☆ コスト軽減、ダメージ等デザインが良い
思考囲いやアリーナ、フェッチランド、古の墳墓などライフを払うカードと一緒に運用したい。今後一番研究したいクリーチャーだった。
他にもVoidWalkerやニクサシッド、疫病を仕組むもの、トーラック本人、鞭打ち悶えなど多数研究したいフィニッシャーは多い。
とりあえず中間報告まで
スペル編サイド編プレイング編についてはまだまだ僕の理解度が足りていないので練度が上がり次第書きます。
雑談
脳乱の記事を読んで、「みんなレガシー始めようって話じゃなくて、着流しに下駄履いた翁が木刀一本で最新式パワードスーツのサイバネ兵と組手をする話だった」だという評判を聞いた。青白コン使う脳乱はそうかもしれない。
黒に知見のある方々がTwitterで言われているように、このデッキは火炎瓶レベルに敷居の低いデッキだと思う。僕自身は全然鍛錬が足りなくて4回目の挑戦で2戦目にオールインレッドか、ドラゴンストンピィかに出された鏡割りの寓話という最近のカードパワーに驚いた。脳乱の好きだったギャサンの略奪者やラクドスの地獄ドラゴンはちょっと出てきそうにない。僕自身はレガシーを始めたのは13年ぐらい前ではあるが、ラヴニカスタンダードのゴルガリデッキにディードとキッチンと強迫を入れて遊んでいた。ほぼ全敗だった。その後レイクオブ・ザ・デッドというカードが1000円だったのでPOXを作ってみた。フィニッシャーはファイレクシアのトーテム像。このデッキでは1人の先輩、カウンタースリヴァーを持っている先輩とだけ遊んでいた。
いわゆる大会というものには全然出ない貧乏カジュアルプレイヤーだった。晴れる屋でポイントカードを出してと言われて会員番号35番の2世代前のポイントカードを出して困らせたりしてしまった。大学の近くに晴れる屋という新しいお店が出来て喜んで行ってポイントカードがあると聞いたので早速学生証を出して作ったのだ。大学祭で何度も協賛を頂いた晴れる屋様でマジックを遊べることを幸せに思う。もりおさんも高桑さんももう居ないけど。
一万円レガシーに誘われたときはオリンピック公園に脳乱や友人と暑い中エクテンの大会に行く感じで誘われたので、「学生時代は簡単に一万円出せなかったけど今は出せるしやるか」と思い早速やった、というのが実態である。競技として勝ちの数を目指すマジックをやっていてかなり新鮮な気分を味わっている。この数ヶ月間、1ヶ月1万円(とちょっと)という予算を決めて一万円レガシーをリモートで遊んでいた。もうフルプロキシ含め5デッキある。なんて楽しいんだろう。限られたお金持ちにだけ許されていたレガシーの公式店舗大会出場という権利が実はこんな値段で売っていたんだ。勝利というものを目標にマジックザギャザリングをやるのが新鮮だった。
しかし勝利というものも多様性があり、暗黒の儀式からDuressHymnが通って理不尽一発KOであったり、狙った噛合で勝利したりミスで負けたり、アド死で一勝貰ってしまったり、色々ある。これからはもっと環境や駆引を知り、競技としてのマジックを1万円レガシーで続けようと思う。今年中の目標が大会出場開始2週間で達成されてしまったので次はもっと勉強研究を続けて環境を理解して5-0を目標にさらなる研究と鍛錬をしようと思う。
一緒に遊びませんか?
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4回目の挑戦時のデッキリストはこちら
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/429456/show/