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「事業を考えることでプロダクト戦略も磨かれると学んだ」note株式会社 浅子拓耶さん / Product Leaders Training参加者インタビュー

日本CPO協会では、Product Leadersの育成を目的としたProduct Leaders Trainingを開催しました。このトレーニングプログラムに参加されたnote株式会社のプロダクトマネージャーである浅子様にインタビューした内容をお送りします。


実はあまり言語化されていない、PM Managerに求められるものが何かがわかった

- 現在のお仕事での役割・ミッションを教えてください

noteというメディアプラットフォームで、クリエイターがお金を稼いで収益化する部分のカイゼンを担当しています。有料記事の他に、メンバーシップやポイント機能などの起ち上げ・グロースなども担当しています。クリエイターが創作活動を長期的に続けていくためには、投下したリソースに対してリターンがあることが望ましいですよね。ただリターンと一口に言っても、「スキ」のように読者からリアクションをもらうのが嬉しい人もいれば、お金を稼ぎたい人もいます。より多くのクリエイターが長く創作活動を続けられるよう、特に後者のみなさんを機能やサービス面でサポートするのが私の仕事です。

- 今回なぜtrainingに参加しようと思ったのですか?

一度自分たちのプロダクトを離れて、普段やっていることが他でどれだけ通じるのか知りたいと思ったからです。今回のtrainingでは1ヶ月Caseをやる予定だったので、そんな機会はめったにない、やってみたいと考えました。

また普段、戦略や戦術にaddしていくことについては自分はそれほど経験値がありません。この点も強化できればと考えました。

- では実際にDay1のセッションを受けてみて、最も印象に残ったことは何ですか?

セッション1の「PM Managerに求められるもの」が特に印象に残っています。PM向けのコンテンツは世の中にたくさんありますが、PM Managerに求められるものが結局なんなのかがあまり言語化されていないと感じています。バリュープロポジションや価値創出しましょうという話は当たり前ではありますが、経験者の口から事例を通して聞くと深みが違います。内容もとてもしっくりきました。自分の中で考えがぼやっとしていたところから、「この辺を狙っていくべきなんだ」と、参加前よりイメージが持てるようになりました。

加えて、セッション3の「戦略に魂を吹き込む」パートも印象に残っていますね。どう優先順位をつけるか、どうリソース配分するかの話はPMの仕事をしているとよくあがります。OKRやNSM(North Star Metric)などを掲げて理想論を話している記事は多くありますが、実際KPIに分解していくのはめちゃくちゃ難しくて、みんな頭を悩ませているんだなと実感できました。理事の方の話にも、理想と現実の間での葛藤が垣間見られて。参加者のみなさんと話していても、この点に悩んでいるPMが多いんだなと感じました。

- 素晴らしいですね。セッションごとのワークショップでも学びはありましたか?

セッション4の、mtgにどれだけ時間をかけているのか可視化するワークショップが特に良かったです。mtgの効率化は大事なことではありますが、意外とみんなやっていないし、自分もできていませんでした。今回のワークでは、自分のスケジュールの課題を認識し、その場で改善アクションまで洗い出せました。実際、次の日の業務からアクションに落とし込めています。色付けをして、可視化して、非同期にできるものは非同期に変えてみました。社内で提案してみて、「非同期でやってみよう」と言ってくれるメンバーもいましたし、「これはちょっと同期で話したい」という話が返ってくることもあり、それぞれのmtgに求められていることが何なのかがわかるようになってきました。何のためのmtgかわからないけれど入れられているmtgがあるのはPMならよくあることだと思いますが、そういったものも減らせるようになったと思います。

事業の伸びを仮定して戦略を描けることが、Product Leaderとして求められるところ

- 次はCaseについて教えてください。CaseとDay2はいかがでしたか?

実際のCaseに触れられたことは非常に良かったです。他社の記事や決算資料ももちろん見たりしますが、今回は一段も二段も踏み込んだ課題の内容をCase企業の方が提示してくださっていました。体験用に準備された綺麗な課題例じゃなく、実際に存在する企業が頭を抱えていることに対してアプローチを考え、フィードバックをもらえることはそうそうありません。チームで考えた案をプレゼンしてみて、「これはそうだね」「これは違うね」と言ってもらえたことは最大の学びでした。

- Caseは他社のPMとチームを組んでやりましたが、それはどうでしたか?

それぞれが違うフィールドで仕事をしており、それぞれに自信があるところ、ないところがあります。そんな中で、意見をぶつけ合い、擦り合わせられた経験はとても良かったです。自社だと、一人一人のメンバーの強みや、何を大事にしているかはある程度わかっています。しかし今回は、興味が強い分野や物事の進め方に違いがあり、自分に近しい人も違う人もいて、難しさを体感できました。

- 良い体験ですね。その中で、ご自身の強みは発見できましたか?

そうですね、自分は物事をどうにかして前に進められることが強みなんだと再認識しました。例えば「こういう話ってどう思いますかね?」など、議論を展開するための話題を普段から積極的に投げかけています。対話を通じて物事を自然と進められているんだなと理解しましたね。

- では逆に、ご自身の弱みは発見できましたか?

戦略、戦術を作っていくプロセスの経験値が全然ないなと思いました。同じチームの方で、現場で場数をたくさん踏んで、多様な引き出しを持っている方がいて、自分にないものだなと。

それに加えて、事業に対する理解、ビジネスモデルに対する理解も浅いと感じました。自分のCaseの企業が競合他社と比べてどういう差異があるか理解しているつもりだったのですが、表層に留まっていたんだなとプレゼン後にフィードバックをもらって気づきました。事業や会社を伸ばしていく観点や、ビジネス的なスキルはまだまだ足りない部分があるなと思っています。

- たくさん学ばれていて素晴らしいですね。Case企業の方のお話はどうでしたか?

ビジョン・ミッションを大事に、信じてサービスを伸ばしていることを、これまでよりもさらに強い実感を持って理解することができました。もちろんそうだろうなとは思っていたのですが、本当にすごく愚直に実践されているんだなと、とても腹落ちしました。

また、今回自分たちのチームはあえてあまり飛び地を目指さず、愚直に成長するプランを描きましたが、非連続に事業を成長させていく観点と愚直に伸ばしていく観点の両方が必要だったなと感じています。合理的に考えてこうだよね、の積み上げでは足りない部分もあるなと。

「どれだけ情熱を持ってやったか」という、当たり前のことをしっかりと伝えてくれたCase企業の方のフィードバックも、ありがたいな、大事だなと感じました。

- 他チームのプレゼンを聞いて発見はありましたか?

事業としての3年後5年後を考え、プロダクトの枠を飛び越えて、事業戦略から逆算してプロダクト戦略を描いていたチームがありました。自分たちは無意識にプロダクトの範囲で考えてしまいましたが、PMだからといってプロダクトの範囲で線引きをしちゃいけないな、事業まで考えることでプロダクト戦略も磨かれるなと感じました。

また、今回具体的な数字がない状態でCaseを考えることで難しさがありましたが、戦略を描くタイミングでは、ある程度数字があっても仮定して未来の話をするしかないんだなと理解しました。事業の伸びを仮定して戦略を描けることが、Product Leaderとして求められるところであり、価値を出していけるところなんだなと。

- すごく重要な点を学ばれていますね!その後の懇親会でもさまざまな方とたくさん話せましたか?

とても良い交流ができました!最近PMイベントによく参加するようになって、PMの知り合いは増えましたが、イベントで会う方は同じようなITスタートアップの方ばかりです。ですが、今回のtrainingでは普段会わない大企業の方もいらっしゃり、そういった企業がどうしているのかを知る良い機会になりました。

Product Leaderのtrainingに対してモチベーションのある方や、業務に課題を持っている方も多く、他社のより深い課題や悩みを知ることができました。「何か困ったら連絡し合いましょう」という関係性の友人ができたのも大きいですね。

また、懇親会だけではなくDay1から積極的に理事の方に質問をさせていただきましたが、理事の人と壁打ちができたことは大きな財産になったなと感じています。

期待値をはるかに超えた1ヶ月間だった

- 全体を通して、trainingに参加していかがでしたか?

非常に満足しています。実際にある企業のCaseに対して、1ヶ月間本気でアタックできたことで、期待していた以上の学びがありました。参加時点での期待値をはるかに超えたと感じています。

理事やCase企業の方々は、国内でのPM草創期からやってきた方、経営に入られている方々です。そういった方に質問や対話を通して学びが得られる機会はとても貴重だと感じました。

普段の業務の課題に対する答えそのものではありませんが、相談に対し「こういうふうに考えたらいいんじゃないか」「自分はこういうことをしてきたよ」というお話をいただきました。一方的に話すイベントでは得られない部分です。普段は登壇者に話しかけにいかないと得られないような学びが、今回は同じ方向を向いて対話を通して学べることができたのは、自分にとっても、日本のPMコミュニティにとってもすごく前向きな良いことだなと感じました。

PMがCaseを解いて経験値をあげられる場所は国内だと他にはないので、またぜひ参加したいです。

- 最後に浅子さんの今後のビジョンを教えてください

自分はプロダクトを通して価値提供するPMという仕事が好きです。出せる価値をより大きくするために必要であれば、より上位の役職に就くこともやぶさかではないと思っています。現場PMも、戦略・戦術を考えていくべきだなと今回学んだので、学びを生かしつつやれることを増やし、質を上げていきたいです。ぐるぐると階段を登るように自分の能力を伸ばしていきたいですね。

- 浅子さん、素敵なお話をありがとうございました!

Product Leaders Training 2025 開催決定

大変ご好評を頂いた「Product Leaders Training」を開催します!
日本国内でプロダクト開発に関わるCPOやVPoP、プロダクトマネージャーなどProduct Leadersを対象にしたTrainingとなっております。
下記より参加のお申し込みを受け付けております。

◼️申込方法
Product Leaders Training 2025」紹介ページ下部の専用フォームからお申し込みください。
training紹介ページ:
 https://unexpected-riddle-62e.notion.site/Product-Leaders-Training-2025-1092ada4057480e99756e7dc0bd25110
(申込期限:2024年12月27日)

  • 早期割引2024年11月30日までにお申し込みいただいた方は、参加料が15%OFFになります。

  • グループ割引:同一企業から複数名でお申し込みをいただいた場合は、2人目以降の参加料が15%OFFになります。

※複数の条件に該当する場合、割引率が大きいものが適用されます(重複して適用されません)
※応募多数の場合は、申込期間終了前に締め切る場合がございます。
お申し込みお待ちしております!

ご案内

日本CPO協会では、世界で活躍するプロダクトリーダーからProduct Leadershipについて学ぶ「PRODUCT LEADERS」や、CPOやVPoP・プロダクトマネージャーなどProduct Leadersを対象とした育成プログラム「Product Leaders Training」を主催しております。イベントスポンサーやトレーニング参加にご興味がある方は下記フォームからご連絡ください。
イベント開催時に優先的にご連絡いたします。
スポンサー・トレーニング情報ご案内希望フォーム:一般社団法人 日本CPO協会

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