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Aneesa Stringsの次作はどんなものに?

Rolling Stone JapanのWeb版に、ベイのベーシストでシンガーのAneesa Stringsのインタビューを寄稿しました。雑誌版にも掲載されていますが、そちらとは内容が少し違います。

今回のインタビューではAaliyahの魅力や、ヒップホップにおけるサンプリングの話などを聞いています。地元レジェンドのToo $hort2Pacから受けた影響についても語ってもらいました。

Aneesa Stringsは「ビルボードライブ東京」での来日公演を1月30日(木)に控え、新作EP「The Calm」のリリースも予定されています。EPからは既に先行シングル「We Are The Music」をリリース済みです。

Aneesa Stringsは新作についてこう話しています。

「The Calm」は、2パートで完結するシリーズの最初の方。今回は5ないし6曲収録で、すごくエネルギッシュなところから始まってだんだん低くなっていくっていう構成。もっと言うと、このEPは瞑想のシークエンスとかアファメーション(肯定、自己成就的実現)みたいにも受け取れる。と言うのもこのEPのテーマの大部分はアファメーションで、極めてパーソナルなことが題材になっている。万人の理解を得るためには、個人的な部分を出さないといけないってことを学んだの。でもそれは、ある種の準備段階とか覚悟みたいな感じで、今は何かが起こる直前の穏やか(Calm)な、いわば夜明け前の暗闇の状態。例えて言えば、ローラー・コースターが降りていく瞬間までゆっくり上がって行って突然ダーッと降りる、あの感じ。このEPではそんな感覚を味わってもらいたいと思う。

Rolling Stone Japanでのインタビューより

BETのインタビューでは、「今作っているアルバムではドラムパックからドラムを取って来たり、シンセを入れたりしている。どちらかといえばプロデュースされたサウンドで、より未来志向」とも話しており、これまでの二枚のアルバムとはまた違ったものになりそうです。先行シングル「We Are The Music」も多重録音コーラスやヒップホップっぽいループ感の強いドラムを使った曲で、2019年作「Ways」でのネオソウル的な試みよりもさらに一歩ヒップホップのマナーに接近しています。

しかし、それでもメインストリームのR&Bとは異なる感触です。例えば同じベイでクラシカルなソウルの影響が強いH.E.R.が「ビートの上で歌う」ようなものなのに対し、Aneesa Stringsはヒップホップ要素を導入してもミュージシャンとのセッションで作り上げたような一体感があります。

この試みは、ある意味インタビューでも名前の出たToo $hortの初期作品にも通じるものです。Too $hortはサンプリング全盛期の1980年代から1990年代にも、サンプリングではなく生演奏を積極的に導入していました。1996年作「Gettin’ It (Album Number Ten)」では、Parliament-Funkadelicを迎えてPファンクそのものでラップするような「Gettin' It」などの名曲を残しています。

Aneesa StringsがToo $hortから受けた影響はこういった部分ではないようですが、その音楽をToo $hortやG-Man Stanなどのベイの系譜に位置付けることは間違いではないと思います。

とはいえ、まだ「The Calm」からの先行シングルは「We Are The Music」一曲のみです。Teyana TaylorUMIのようなアーティストとの共演から影響を受け取ってきたAneesa Stringsであり、インタビューによると緩急を付けた作品になっているようなので、もしかしたらモダンなR&Bに接近したような曲も聴けるかもしれません。今後のリリースを楽しみに待ちましょう。また、来日公演では新作の曲も聴けるようなので、お時間の合う方は是非。イベント詳細・チケット購入はこちらまで。


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