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Lisa lil vinci & jam fuden「リザジャム!!」全曲解説

長野出身のラッパー二人、Lisa lil vincijam fudenがリリースしたEP「リザジャム!!」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

長野出身の二人のラッパー、Lisa lil vinciとjam fudenは7月9日(土)、コラボEP「リザジャム!!」をリリースする。

Lisa lil vinciは現行のアメリカのヒップホップからの影響を消化したスタイルで、ダブルミーニングなどのワードプレイが効いたリリックを聴かせるラッパー。先日リリースしたEP「I HATE MYSELF」ではエモーショナルなトラップやUKドリル系のビートなどに挑んでいた。jam fudenはハスキーな声質と堅実なフロウで、ジャジーなブーンバップを中心にした音楽性の持ち主だ。Warbo率いるレーベルのRoad Leefに所属し、レーベルメイトのkakasiらと組んだコレクティヴのRAWLITTLENSSでも活動している。二人はこれまでにもお互いの作品にたびたび参加し合っており、異なる方向性ながら息の合ったコンビネーションを聴かせてきた。

今回のEPは、jam fudenが東京を訪れた際に、現在は東京を拠点に活動するLisa lil vinciのもとを訪ねたことをきっかけに生まれたという。ビート選びからレコーディングまでを三日ほどで敢行し、ビートは「運命に嫌われてる」をkakasiが手掛けた以外は全曲でタイプビートを使用したラフな作品となっている。内容はLisa lil vinci寄りのエモーショナルなトラップやjam fuden寄りのブーンバップに加え、両者ともにこれまで聴かせてこなかったミシガンスタイルのハードな路線なども収録。お互いにとって挑戦的なビートに自然体でラップを乗せ、客演とは違う連名での作品としての魅力を生み出している。

レコーディングとミックスはLisa lil vinciが担当。マスタリングは「I HATE MYSELF」と同じくDJ KENZI a.k.a. BLACKBEATZが手掛け、「Soldier」には同郷のラッパーのG-HOPEを客演に迎えている。アートワークをアルゼンチンのクリエイターのLino Le’ Filmが制作した以外は両者の地元である長野勢で固めており、同地からの新しい風を感じさせる一枚となっている。


1. No drama
2. Money on my mind
3. 運命に嫌われてる (Prod. by kakasi)
4. Soldier Feat. G-HOPE
5. I gotta go
6. Nishibi
7. Twin turbo


また、リリースページ用の紹介文も担当しました。

長野からの新しい風。本作は高めの声質で現行のアメリカのヒップホップからの影響を消化したスタイルとワードプレイが武器のLisa lil vinciと、ハスキーな声質で堅実なラップをブーンバップに乗せるjam fudenの二人によるコラボEPだ。
声質からビート選びまで正反対の二人だが、本作のサウンドもどちらにも寄せない多彩なものとなっている。Lisa lil vinci寄りのエモーショナルなトラップ、jam fuden寄りのブーンバップ、さらに両者ともにこれまで聴かせてこなかったミシガンスタイルのハードな路線なども収録。お互いにとって挑戦的なビートに自然体でラップを乗せ、対照的ながら息の合ったコンビネーションが楽しめる一枚となっている。
「運命に嫌われてる」をコレクティヴのRAWLITTLENSSでjam fudenと共に活動するkakasiが手掛けたほか、「Soldier」にはG-HOPEが参加。レコーディングとミックスはLisa lil vinciが担当し、マスタリングはDJ KENZI a.k.a. BLACKBEATZが行っている。アートワークをアルゼンチンのクリエイターのLino Le’ Filmが制作した以外は長野勢で固めた布陣となっている。

全曲解説します。


1. No drama

枯れたギターがエモーショナルに響くトラップ。

ビート的にもLisa lil vinci寄りでラップを始めるのもLisa lil vinciからですが、2ndヴァースで登場するjam fudenも客演にならない強力なヴァースを披露しています。Lisa lil vinciのキレのあるラップも素晴らしいです。


2. Money on my mind

「No drama」と近しい路線のトラップ。

非ブーンバップ的なビートですが、ギターの哀愁漂う響きがjam fudenの声質と合っておりこちらも良曲です。ブリッジも印象的。


3. 運命に嫌われてる

kakasi制作のブーンバップ。

穏やかで暖かいウワモノと太いドラムが効いたビートで、キレのあるjam fudenとリラックしたLisa lil vinciの対照的なラップが楽しめる曲です。スネアの連打は少しトラップを踏まえたような味わいも。


4. Soldier Feat. G-HOPE

現行ミシガン系のバンギン路線。

緊張感のあるピアノやブリブリのベースを用いたビートに、三人が異なるスタイルのラップを乗せていくマイクリレーです。Lisa lil vinciはフックのみでの登場。


5. I gotta go

無機質で不穏なシンセが鳴るトラップ。

オーガニックなギターループの「No drama」や「Money on my mind」と違い、完全にLisa lil vinci寄りのビートです。しかし、堅実なjam fudenのラップは自然に調和しています。


6. Nishibi

ルイジアナっぽいノリのバウンシーな曲。

ピアノやオルガン、ホーンといった楽器の音を多用したビートの曲です。Lisa lil vinciのフリーキーさが際立っています。


7. Twin turbo

美しいピアノが光るエモーショナルな曲。

手数の多い808とボコボコした低音が効いたトラップ路線です。二人の息の合った掛け合いフックにはデュオとしての魅力があります。

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