見出し画像

2021年に書いた記事で取り上げたトピックのその後

TURNの2022年個人年間ベストトラック企画に参加しました。

全5曲です。全ての曲について関連記事を書いているので、あわせて是非。

TURNの記事でも触れましたが、GloRillaHitkidd「F.N.F. (Let's Go)」Duke Deuceが名曲「Crunk Ain't Dead」で「クランクは死んでいない」と宣言してから3年、ついに出たクランクの大ヒット曲です。2021年に書いた記事でHitkiddを新たなクランク職人として紹介していたので、「F.N.F. (Let's Go)」のヒットは感慨深い出来事でした。

クランク記事のように、私は今まで書いた記事の多くで今後に向けてのことを書いています。そこで今回は2021年に書いた記事をいくつか振り返り、その後その文脈がどうなったのかを見ていきます。また、年間ベストトラック5曲とこの記事で触れた曲を中心にしたプレイリストも制作しました。あわせて是非。


MF DOOM追悼

これからその影響は、ヒップホップはもちろん、想像もしなかったところに表れていくかもしれない。改めてその偉大な功績を称え、ご冥福をお祈りします。

この記事はこう締めくっています。あれから2年が経ちましたが、ドラムレスないしドラムが控えめなブーンバップは今でも大きな人気を集めています。先日公開した2022年のお気に入りブーンバップを集めたプレイリストにもいくつか収録しました。ヒップホップ以外の分野でのMF DOOMの影響についてはまだ見えていないので、引き続き追っていきたいと思います。


Happy Perez関連曲をまとめたプレイリストを作りました

長いキャリアの中で作風を変化させつつ、多くの名曲を生み出してきたHappy Perez。「ヒップホップ畑叩き上げの敏腕プロデューサーにしてマルチミュージシャン」という経歴は、今後も様々なところで求められていくことが予想されます。実績に見合った評価が得られていないように思いますが、Gラップ界隈出身者では屈指の大物の一人と言えるのではないでしょうか。その多彩な引き出しからは、今後も目が離せません。

Happy Perezはこの後そこまで意外な仕事はありませんでしたが、Kehlaniが昨年リリースしたアルバム「blue water road」に数曲で参加していました。KehlaniのようなアーティストがHappy Perezを起用するのは納得できる話です。


Three 6 Mafiaの2010年代

DJ Paul「Big Bizness」「Sweet Robbery Pt 1」といった過去曲のMVを新たに制作するなど、2020年代に入ってからも様々なトピックがある。再結成したThree 6 Mafiaとメンバー個人のリアルタイムの動き、過去作品の再評価の動きは今後も要注目だ。

Gangsta Booの訃報が先日届きました。この記事でも触れた通り現在のヒップホップの礎を築いたレジェンドであり、近年でも多方面で活躍していた偉大なアーティストでした。ご冥福をお祈りします。

Three 6 Mafia関連のトピックでは、Gangsta Booも参加したLattoのシングルFTCUのリリースがありました。Juicy Jのソロ活動も相変わらず好調で、昨年リリースしたWiz Khalifaとのタッグ作「Stoner's Night」もJuicy J色が非常に強い仕上がりでした。また、DJ Paulのプロデューサーとしての人気が高まってきており、昨年はFreddie GibbsThe Gameなどの作品に参加していたことが印象的でした。


ヒップホップ/R&Bにおけるハイピッチ・ヴォイス

古くはPrinceRZAの試みがあり、その後Roc-A-Fella勢の活躍やハイフィの盛り上がりなどにより浸透したハイピッチ・ヴォイス。多数の先人の試みがあり、今では当たり前のものとして様々なところで聴くようになった。
その切なさやコミカルさを演出するユニークな響きは、これからも多くの名曲を生んでいくだろう。

昨年はハイパーポップにブーンバップの要素を足したような、quinnが一部で話題を集めました。ヒップホップ好きの方も親しみやすい音楽性なので未聴の方は是非。そのほかDenzel Curryが昨年リリースしたアルバムにもいくつかハイピッチ・ヴォイスを導入した曲がありました。流石フロリダ。


グローバル化するアメリカのヒップホップ

プロデューサーがアメリカのヒップホップ作品に参加するだけではなく、オーストラリアのThe Kid LAROIやアジア勢を多く擁する88risingの面々などラッパー/シンガーも人気を集めています。ポップ畑ではBTSも大きな成功を収めています。DJ Khaledが選ぶメンバーの中に日本人が入る未来も、そう遠くないのかもしれません。

DJ Khaled作品への日本人の参加は未だありませんが、国内アーティストのアメリカでの活躍は増え続けています。記事でも触れたBohemia LynchCedar Law$などは精力的にアメリカのラッパーと制作しており、NIGOのアルバム「I Know NIGO!」のリリースもありました。さらに、先日ZelooperZがリリースしたEPMight Not Make ItにはYoung Cocoが参加。今後も要注目です。


シティポップブームに繋がるヒップホップ/R&Bの動き

シティポップを参照したヒップホップが増加している中、このように間接的ではなく直接ヒップホップ/R&Bが関係したシティポップのヒット曲も、いつか誕生するのかもしれない。

昨年はThe Weekndがアルバム「Dawn FM」収録の「Out of Time」亜蘭知子「Midnight Pretenders」をサンプリングして話題を集めました。その後「Midnight Pretenders」を収録した亜蘭知子のアルバム「浮遊空間」はリイシューされているので、元ネタのヒットまでは行かなかったにせよ再注目されるきっかけとなったとは言えると思います。


B2B Playlist (with audiot909)

今後Jorja Smith(失敗しましたが…)に続いてアマピアノに接近するヒップホップ/R&Bのアーティストも恐らく出てくるのではないかと思います。ありえそうなのは選曲中でも触れたDrakeや、既に映画「Black Panther」のサウンドトラックで南アのYugen Blakrokと共演しているVince Staplesあたりでしょうか。

アマピアノではありませんでしたが、Drakeは南アフリカのBlack Coffeeをエグゼクティブプロデューサーに迎えたアルバム「Honestly, Nevermind」を昨年リリースしました。

アマピアノに挑んだヒップホップ/R&Bアーティストとしては、EP「TT Freak」でアフリカ色強めなサウンドに乗ったAkonが挙げられます。アマピアノは昨年またステップアップした印象があるので、まだまだこれから増えてくるのではないでしょうか。


2022年の記事で書いたことについては、もうちょっと時間が経ってから検証してみたいと思います。2023年も様々な記事を書いていくつもりですので、今後も宜しくお願い致します。

ここから先は

0字

¥ 100

購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです