Payday「Dark Shadow」全曲解説
大阪のヒップホップ・ロックバンドのPaydayがリリースしたEP「Dark Shadow」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。
大阪を拠点に活動するヒップホップ・ロックバンド、Paydayは9月17日(土)に新たなEP「Dark Shadow」をリリースする。
Paydayは2017年に結成した4人組バンド。エモやハードコアといったロック系のスタイルをベースにしつつ、トラップの要素を取り入れたエモラップ以降の音楽性が特徴だ。シングルやEPのリリースを経て、今年2月に1stアルバム「Dying Nowhere」をリリース。そのユニークなスタイルを提示した。
今回リリースするEPはヴォーカルのGangGangと、今年新加入したビートメイカーのJstaの二人体制で制作されたもの。ロックバンドらしい側面も見せていた1stアルバムから一転、ダークでエレクトロニックなものが中心のトラップビートでGangGangがラップするヒップホップ作品となっている。両者が愛聴しているアメリカ南部のヒップホップからの影響を、Payday流にダークな形でアウトプットすることを目指したという。
ビートは全曲でJstaが関わり、「切腹」と「Inarm」はGangGangとJstaの共作。客演は迎えず、二人だけで練り上げた作品となっている。アートワークはRyota Nakamuraが制作した。
1. Devil Wears The Prada (Prod. by Jsta)
2. Rain on My Parade (Prod. by Jsta)
3. 切腹 (Prod. by Jsta & GangGang)
4. Angels Take Away (Prod. by Jsta)
5. Inarm (Prod. by GangGang)
全曲解説します。
Metro Boominあたりを思わせるダークな曲。
逆再生の音も用いた冷たいウワモノに、ダーティな低音を合わせたトラップ系の曲です。コーラスの入れ方にロック文脈の匂いも。
ミニマルでエレクトロニックなシンセが効いた曲。
Southsideあたりの作風を踏まえたようなハードなトラップです。GangGangの歌うようなラップもばっちり。
3. 切腹
和な響きの音をループしたユニークなトラップ。
主張の強いウワモノを使っていますが、色物っぽい曲にならないバランスが見事です。Project Pat風のフロウも使用。
ジリジリと焼けるようなシンセが光るハードな曲。
808の使い方など全体的にはトラップ路線ですが、ベースの動き方にはどこかバンドっぽいニュアンスもあります。ドスの効いた2ndヴァースがハイライト。
5. Inarm
ビートスイッチのある不穏な曲。
前半のビートはミニマルなシンセのループ、後半は圧の強い低音が印象的なビートです。ヴォーカル面でもクールなラップやエモーショナルな歌など、多彩なアプローチを聴かせます。
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