2024年上半期マイベスト邦楽ソング10選
Mikikiの企画「2024年上半期のマイベスト邦楽ソング」参加しました。音楽ライター19人が2024年の邦楽の上半期ベストソング20曲前後のプレイリストを作るというものです。私のほかには昨年ZINE「音楽とテクノロジーをいかに語るか?」を刊行したimdkmさんや、Mikikiで「CD再生委員会」を連載中のKotetsu Shoichiroさん、「R&B Lovers Club」仲間のつやちゃんさんなどが参加しています。
私は「国内ヒップホップ/R&BとエッジーなDIYポップ」と題し、ヒップホップ/R&Bやその要素を含むインディポップを20曲選んでいます。今回はその中からさらに10曲に絞ってレビューを書きます。プレイリストも今回のレビューも順不同ですが、10曲に絞った分は上位10です。
Foods「春風とコンビニスイーツ (feat. 諭吉佳作/men)」
埼玉のSSW。
ラップっぽさもある歯切れ良い歌声を、穏やかなドラムンベースに乗せた曲です。諭吉佳作/menのオフビートとオンビートを織り交ぜるヴァースも強力。
fōssa「part of me」
兵庫出身のラッパー兼ビートメイカー。
メロウなウワモノにデンボーを合わせた、エモーショナルなレゲトン風味の曲です。フックはメロディアスですがヴァースはタイト。
Kaho「Flavor」
兵庫出身のシンガー。
ファンキーなギターと軽めのドラムが効いた、2000年代R&B風味の曲です。甘い歌声にストレートな良さがあります。
moka & canon「maimai」
さとうもかとkiwanoによるデュオ。
全体的にはキュートなインディポップです。しかし、ブリブリのベースやスペイシーなシンセを取り入れており、ちょっとGファンクっぽくも聴けます。
S.A.R.「Cannonball (feat. 寺久保怜矢)」
東京のオルタナティヴクルー。
ファンクやヒップホップ、ジャズが合わさったハイブリッドな曲です。どこか飄々とした歌声とキレのあるラップも魅力的ですが、プレイヤーのソロも見事。
Shoo Isamiza「Negative」
東京のトークボクサー兼ビートメイカー。
浮遊感のあるシンセが印象的なサウンドで、トークボックスを聴かせるオルタナティヴR&B系の曲です。ドラムにはちょっとLAビート文脈っぽい匂いもします。
SiX FXXT UNDXR「SWERVIN'」
フォンク系のラッパー。
神秘的なストリングスやエレピを用いたシリアスな曲です。ビートも詰め込み気味のフロウもメンフィスラップのツボを見事に押さえています。
カニ研究会「甲殻機動隊」
日本海出身のシンガー兼ビートメイカー。
キュートな2ステップに乗せ、ラップにも接近するような歌を聴かせる曲です。ユーモアのあるリリックも楽しく聴けます。
柴田聡子「Side Step」
北海道出身のSSW。
小気味良いギターや声ネタが楽しいファンキーな曲です。音の抜き差しなどにダンスミュージック文脈っぽい匂いもあります。以前アルバムのレビューも書きました。
夜夏「Hyper Voice (feat. ラヌ)」
東京のソングライター。
ドラムンベースやジャージークラブのリズムを取り入れつつ、繊細でエモーショナルにまとめた美しい曲です。歌を担当するラヌのハスキーな声質も合っています。
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