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J-RU「Something Good」全曲解説

告知が四つあります。一つ目は、新潟のコレクティヴのRUBiKが公開した所属ラッパーのsagwon「Eren」のMVのプレスリリース文章です。

新潟のコレクティヴのRUBiKは10月23日(水)、所属ラッパーのsagwonによる楽曲「Eren」のMVをコレクティヴのYouTubeチャンネルから公開した。

RUBiKはsagwonのほか、ラッパーのFoolsdayboy、イラストレーターのfu34shiの三人によるコレクティヴ。2022年からコレクティヴとしての活動をスタートし、これまでにFoolsdayboyのアルバム「Gift for Fools」やミックステープ「Foolish Step」、sagwonのアルバム「prescription」などをリリースしてきた。

今回新たに公開したMVは、今年9月にリリースされたsagwonのミニアルバム「2side」の収録曲。諫山創による人気漫画/アニメ「進撃の巨人」にインスパイアされた楽曲で、sagwonがアニメの最終話を観終わった日に制作したものだという。原作に絡めたラインを入れながら歌とラップの境界線を行き来し、ミニアルバムのテーマである「二面性」を表現したエモーショナルな一曲となっている。

MVは新潟を拠点に活動するフォトグラファー/映像クリエイターのTOMS WORKSが制作。建物の跡地や海などを背景にsagwonが歌う、原作を想起させる映像に仕上がっている。


なお、ミニアルバム「2side」のプレスリリース文章とリリースページ用の紹介文、プロフィールも私が書きました。まだの方は是非。

二つ目。私は不参加でしたが、以前お知らせした私が所属するR&B愛好家集団「R&B Lovers Club」のイベント「It’s All About R&B !! 『オルタナティヴR&Bディスクガイド』刊行記念イベント」のレポートがWebメディアのSpincoasterから公開されています。こちらも是非。

三つ目。そんな「R&B Lovers Club」のTシャツが販売されました。11月17日(日)までの受注販売になります。R&B好きの方は是非。

四つ目。音楽配信ストア兼メディア「OTOTOY」の、様々なライターが三か月に一回9枚の新譜を紹介するコーナー「REVIEWS」に「R&B Lovers Club」で新たに参加しました。初回が公開されています。

「REVIEWS」は私単独でもヒップホップをテーマに連載しているので、あわせて是非。

新潟、そしてR&Bといえば、新潟のR&BシンガーのJ-RUが先日新しいアルバム「Something Good」をリリースしました。かなりR&B愛と地元愛が感じられる作品なので、今回は同作を全曲解説します。


1. Halftime

ねっとりとしたトラップソウル。

ソウルフルなサンプリングを使ったビートで、ラップっぽい歌い方・アドリブを交えて聴かせる曲です。コントラストのあるフックが強力。


2. NANANA (Pt. 2) (feat. KID-T & RITA)

ダンスホール風味のスムースな曲。

フックはRITAが歌い、J-RUとKID-Tがヴァースを担当するマイクリレー的な曲です。OVO周辺が好きな方も是非。


3. Age Ain't Nothing But a Number

穏やかでメロウなトラップソウル路線。

柔らかなエレピや手数の多い808が効いたビートに乗り、Aaliyahの同名曲を引用して甘く歌った曲です。このテーマは逆に大人だから書けるリリックだと思います。


4. Cheese & Wine

今作で最も「R&B Lovers Club」的な曲。

ブリブリのベースも印象的な落ち着いたトラップビートで、R&Bシンガーの固有名詞をふんだんに盛り込んで歌う曲です。連呼フックもキャッチー。


5. Already Alright (feat. 片桐晴海)

ゴスペルシンガーの片桐晴海をフィーチャー。

音作りはモダンで、美しいピアノと808を使ったChance the Rapper周辺がやりそうな曲です。優しい歌声の絡みが美味。


6. Go for it (feat. RANDM)

涼しげなギターを使った明るいムードの曲。

ギター以外はスナップ音とピアノがアクセント的に入るくらいで、かなりシンプルな曲です。女声R&BデュオのRANDMとも息が合ったコンビネーションを聴かせます。


7. すずらん通り

J-RUの活動拠点、新潟県長岡市の駅周辺の通りの名前を冠した曲。

ビートのスタイル的には「Go for it」と近い、穏やかなノリの曲です。具体的な地名を交えたパーソナルなリリックが沁みます。


8. 長生橋

この曲も長岡市にある橋の名前です。

美しいピアノとタイトなドラムを使ったローファイヒップホップ的なビートで、スロウバック系のリリックを歌った哀愁曲です。ピアノのみでファルセットを聴かせるアウトロはR&Bならではの美しさ。


9. KING TOWN BLUES

長岡市の繁華街「殿町」を歌った曲。

1990年代直系のスムースでメロウなビートに乗り、ラップっぽい歌い方も取り入れて甘い歌声を聴かせる曲です。クラブカルチャーについての曲でもあります。


10. Sponsor

MONBEEプロデュース。

例の高音シンセを使った西海岸っぽいムードのビートに、ちょっとBlxstあたりを思わせる低めのラップ気味の歌声を乗せた曲です。ブリッジが美味。


11. 道の途中

こちらもMONBEE制作。

「Boyz-N-The-Hood」ドラムもサラっと使った、現行ウェッサイ風味のR&Bです。ここでもラップ風味の歌声が楽しめます。

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