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共創、協働の公共サービスづくり

私の働く健康福祉局、パブリックヘルスセンターでの取り組みの一端を紹介します。他組織との協働でサービスの開発や提供をしていること。公共サービスをつくっていく中で、ユーザ中心の考え方が生きていることを伝えたいと思います。


1. ニコチン予防対策:教育・文化機関との協働

若年層のニコチン予防活動では、パブリックヘルスセンター単独での取り組みにとどまらず、市内の教育機関や文化・スポーツ施設とも協働しています。たとえば、文化・余暇局が管理するスポーツ施設や図書館で、禁煙エリアの設定や予防ポスターの掲示といった取り組みを行っています。また、教育機関や保護者向けのキャンペーンも協働で実施し、若年層が健康的な選択をしやすい環境を市全体で整えています。

2. デジタル・ウェルビーイング支援:民間団体とのパートナーシップ

デジタル・ウェルビーイング支援活動では、デジタル・ヘルスの分野で専門的な知識を持つ団体とパートナーシップを結び、デジタル技術の健全な活用を促進するワークショップを高校で提供しています。この協働により、私たちだけではカバーしきれないデジタル関連の課題に専門的なアプローチを加え、生徒たちがテクノロジーと健康的に向き合う支援を行っています。また、市の職員もこの取り組みを通じて学び、他分野の活動に役立てています。

3. 児童健康調査:教育機関との連携

市内の児童健康調査では、教育機関や児童・若者局と連携し、全市的なデータ収集と活用を行っています。調査後、学校ごとの健康状況がわかるインフォグラフィック付きレポートを提供することで、各学校が各学校の生徒達の健康課題を可視化し、具体的な対応策を取れるよう支援しています。また、全市内の生徒会代表機関とも協力し、データの活用方法を一緒に検討することで、地域全体での健康支援活動がより実効性を持つよう工夫しています。このように生徒達自身の声をデーター活用に反映させようという取り組みは、調査対象として生徒を見るのではなく、主体性のある1人の市民として一緒に活動をおこしてもらう大事な取り組みの1つです。

まとめ

コペンハーゲン市パブリックヘルスセンターの取り組みは、市民の行動変容を自然にサポートする政策を基本として設計されています。そのためには、教育機関、文化・スポーツ施設、専門知識を持つ民間団体、市民団体といった多様な組織、市民自身との協働が不可欠です。協力することで、健康的な選択肢が生活者にとって身近で自然なものとなり、健康を支える基盤が整っていくと考えています。


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