自己流CoCシナリオの書き方|『ホワイトフィクション』制作過程(後編)
こんにちは!
個人サークル『くらげダイス』運営のcpdです🪼
今回は『ホワイトフィクション』シナリオ制作過程解説の後編になります!
前編では「シナリオの構想」について話しましたが、
後編である今回は『ホワイトフィクション』を例とし、私なりのシナリオの書き方をまとめたので、シナリオを書いてみたい!という方はぜひ参考にしてみてください◎
前編▼
※本投稿には『ホワイトフィクション』のネタバレが含まれます。
未通過または未読の方は閲覧をご遠慮ください。
基本情報を練る
ここでの「基本情報」はBOOTHの概要に表示する内容になります。
だいたいこの時点で明確にしておくのはこのあたりです。
①タイトル
②キャッチコピー
③形態(シティ/クローズド)
④舞台(現代日本 など)
⑤プレイ人数
⑥ロスト率
⑦新規/継続どちら向けか
⑧PC条件(女性限定 など)
⑨あらすじ
⑩公開HO(HO制の場合)
⑪どんな人におすすめのシナリオか
⑫注意事項
「②キャッチコピー」と「⑨あらすじ」は本文が書き上がってから考えることも多いです。
「⑪どんな人におすすめのシナリオか」「⑫注意事項」は最初にある程度考え、本文を書きながら追加していきます。
この時点で確定していない要素として、
「推奨技能」は本文を書きながら、「プレイ時間」はテストプレイから考えて記載しています。
キャッチコピーをつくろう
ホワイトフィクションのキャッチコピーは
ですが、初期段階では別のキャッチコピーを当てていました。
旧キャッチコピー↓
「HO2から見たHO1」を意識したコピーです。
「ホワイトフィクション」はタイマン改変も可能なシナリオですが、基本は2PLのシナリオとなるため、どちらかの視点に偏ったコピーを避けたいと思い変更しました。
2PLは2人のどちらもが主人公という形が理想形な気がします
(『ホワイトフィクション』は「HO2がHO1を救う話」なので少し理想とは離れていますが……)。
私の場合は、シナリオのキャッチコピーは詩的な(抽象的な)表現をすることが多いです。
詩や短歌などの文芸作品は、作者の意図だけではなく、読み手によって解釈が変わるという点がとても魅力です。それと同じように、それぞれの答えを出して貰えたらいいな、と思っています。
シナリオ全体の雰囲気やコンセプトを意識しつつ、具体的でわかりやすい!というよりはこれってどんな内容なんだろう?と疑問に思わせる文章にすることで、PLそれぞれが本編でコピーの意味の答え合わせをすることができると考えています。
KP向け情報を練る
「基本情報」を書き終えたら次は「シナリオ本編」……の前に、KP向け情報を書きます!
私の場合、KP向け情報はだいたい以下のように分けています。
①PL配布情報
②秘匿HO
③KP向け情報
④シナリオの大まかな流れ
⑤背景
⑥登場する神話生物 / 呪文 / AF / NPC / 機関 など
それぞれ解説していきます。
①PL配布情報
PLに事前に配布する情報です。必要に応じて書いていきます。
私は特に「学園モノのシナリオ」や「事前関係が必要なシナリオ」で書くことが多いように思います。
例えば、「通っている学校は何という学校で、何学科なのか」「探索者たちはどのような付き合いで、どのような関係性なのか」「世界観など共通の特殊設定の詳細」などがあればここに書くと良いかと思います。
②秘匿HO
秘匿HOがある場合は書きます。
内容はシナリオによって変わりますが、
『ホワイトフィクション』の場合は
・HO名/公開HO
・HOの説明文
・学校での立場(設定の付与)
・魔法少女について(設定の付与)
・魔法少女としての能力(ボーナス)
・関係のあるNPC(人物の提示)
・意義(シナリオの主目的)
・備考(補足)
・HOによる補正(ボーナス)
としています。
『ホワイトフィクション』のHO名はHO1がFlower、HO2がButterflyとしましたが、これは「人気者のHO1=花」とすることで、周りに集まってくるクラスメイト達を虫に見立てて決定しました。HO1に惹かれるHO2もまた虫であり、美しい蝶なのです。
③KP向け情報
他の項目に書ききれない補足や注意事項などはここに書くことが多いです。
④シナリオの大まかな流れ
なんとなくのストーリーを書いておきます。
本編を書く前に大まかな流れを明確にしておくことで、執筆が楽になります。
『ホワイトフィクション』ではシナリオに記載している内容に追加し、自分用にさらに細かい流れを用意していました。
執筆中に多少変わった部分もありますが、だいたいはここで決めた流れに沿ったストーリー展開にしてます。
⑤背景
・セッション開始時より前にどのようなことがあったのか
・黒幕が何を企み、何をしたのか(何をしようとしているのか)
を明確にします。
『ホワイトフィクション』の場合は
・セッション以前にどのようなことがあったのか
→ネッスルがニャルラトテップの手により力を得る、HO1を魔法少女にする
・黒幕が何を企み、何をしたのか(何をしようとしているのか)
→ネッスルがHO1の身体を利用して第二の神を作ろうとしている
となります。
⑥登場する神話生物 / 呪文 / AF / NPC / 機関 など
シナリオによって項目は変わりますが、登場する存在についてKP向けに明記するようにしています。
神話生物は独自の解釈を加えたり、オリジナルのもの(〇〇の亜種)に変更したりすることが多いので、参考にしたルールブックやサプリメントの文章を示しつつ、どのような解釈を取っているのかを明確に記載するように心がけています。
本編を書く
事前準備ができたら、いよいよ本編を書いていきます!
とにかく完成させる
KP向けの「シナリオの大まかな流れ」を基にしつつ、私は
導入からエンディングまで順序を入れ替えずに通しで執筆
→あとから加筆修正
という形で執筆を行っています。
シナリオの出来はともかく、まずは完成させる!ということを大切にし、勢いがあるうちに書き上げるようにしています。
勢いが本当に大事です。
書きたいという気持ちがあるうちに一気に書き上げると、なんだかんだでいい作品ができる気がします。
誰のために、何のためにシナリオを書くのか
TRPGセッションの満足度は、シナリオそのもののクオリティよりもGMの腕や参加したメンバー(GM・PL)の相性で大きく変わると考えているので、そこまで大層な物を作ろうと思って臨むことはあまりないです。
不特定多数に楽しんでもらえるかはわかりませんが、とにかく自分の趣味やこだわりを詰めて「自分が遊びたいと思うシナリオ」を書くようにしています。
特定の相手(テストプレイに協力してくれる友人)に楽しんでもらいたいと思って書くことも多いです。
私の場合は、
「この世の全ての人に楽しんでもらえるシナリオを作ろう!」というよりは、「自分自身や周りの人が楽しめるシナリオを作ろう」と念頭に置くと上手い具合に作品が完成します。
制作スケジュール
『ホワイトフィクション』は2024年2月のバディ・ワルツ2という企画に出そう!と思って突発的に書いたシナリオだったので、12月上旬に構想を練り、12月下旬に一気に執筆→1月頭にテストプレイ という形で頒布に至りました。
『くらげダイス』ではトレーラーや立ち絵も自分で作って頒布することが多いので、シナリオ本文以外の作業に割く時間も考えて、なるべく早めに執筆しました。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
少しでも参考になる部分や新たな知見が得られる部分がありましたら幸いです。
他のシナリオの制作裏話についてもまた記事を出したいと思っているので、楽しみにお待ちください!
リクエストなどあればOFUSE・マシュマロにお気軽に投げていただけると嬉しいです◎
ここまでご覧くださりありがとうございました!次の記事でまたお会いできたら嬉しいです🪼
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