輝きを目指す若人たちによる「燃ゆる暗闇にて」
2022/10/19 新国立劇場小劇場 演劇「燃ゆる暗闇にて」観劇。
今日も来ました新国立劇場。行き先は初めての小劇場。
新国立劇場には演劇研修所というものがあり、今日はその「第16期生」試演会だそうです。今回私は新国立劇場からの案内で「試演会」という言葉を初めて知りました。
盲目を演じる難しさ
スペインの劇作家アントニオ・ブエロ・パリェホ作「燃ゆる暗闇にて」は、盲学校を舞台にした学生たちの物語。第16期生たちが盲目の学生を演じます。
「見えているのに見えないふうに演じる」のはかなり難しいはず。相当苦労したのではなかろうか。でも、しょうがないよな。サラリーマンの大人も「見えているのに見えないふりをしている」のだから。って、それは関係ないな。
試演会というので正直、ナメていました。
が、悪かった。すごく面白かったです。若い研修生たちの演技に見入ってしまいました。舞台の配置とか照明・音楽も、もしかして研修生たちが用意しているのかな? だとしたら大したものだ。セットや照明音楽もすばらしかった。
ひとつだけ文句を付けるとすれば、終演時のお辞儀がぎこちなかったこと。昨日観たレオポルトシュタットの出演者とは大違い。たぶんお辞儀の角度にして数度、時間にしてコンマ何秒の違いだろうけど、昨日の出演者には余裕があって大物感が漂っていた。今日の研修生はまだまだ。
でも、きっと彼らはこれから先、幾度となく終演後のお辞儀を繰り返し繰り返し、だんだんと上手くなっていくのだろうな。今日は一度きりのお辞儀だったけど、お客さんからのカーテンコールになんども笑顔で応え、上手になるにちがいない。そう思えば「ここから」の下手さがむしろうらやましい。
試演会だから、やっぱり終わったあとに反省会をやって、先生にダメ出しされて凹んだりするのだろうか。それはどこの世界でも同じだからしょうがないな。
ド素人の感想で申し訳ないけど、君たちはしっかり輝いていた。ステージが会場中央に配置されていたため、前後と左右のいずれにも気を遣わねばならないが、向きと発声のすべてに気を遣っているのがよくわかった。
いい芝居を観させてもらった。感謝の気持ちを込めてお辞儀に精一杯拍手した、彼らに届いているといいな。16期生、今日の舞台とお辞儀を覚えておき、また次の舞台も見にいきます。
新国立劇場・小劇場「燃ゆる暗闇にて」新国立劇場演劇研修所第16期生試演会 10月23日まで上演中