読書メモ:【知的複眼思考法】
先日から約一週間の春休みに入りました。まとまった時間が出来たので、ぽつぽつと読書をしています。
Kindleの中に沢山のデジタル積ん読があるので、まずはそちらを消化しなければいけないのですが、少し思うところがあり、大分前に一度読んだ「知的複眼思考法」という本を読み返しました。
「考えること」に関する基本的な所作について、筆者の経験と考えがまとまっている本なのですが、読み返すとまた新たな気づき、発見がありますね。
自分の整理も兼ねて、簡単にまとめてみようと思います。
情報の受け取り方
情報を鵜呑みにしない。受動的に情報に接するのではなく、背後にある論理構成や前提を探り、疑うこと。
読書をする際に、文章の背後にある筆者の論理構成や、筆者が置いている前提を考えながら読むことがトレーニングとなる。
考え方
文章を書くこと。文章で書くことが、自分の考えを表現することである。文章で書けないものは、考えがまとまっていないか深まっていない。文章で書くこと自体が考える力、考えそのものを強める。
文章を書く際には
・文と文の繋がり(接続詞)
・結論から理由への流れ
・推論と断定、事実と意見の区別
を意識する。
問いの立て方
問いの立て方には二種類存在。
・仮説とセットで、常識やステレオタイプの外まで発想を広げた「なぜ?」
・実態を深掘りする「どうなっている?」
二つの問いを往復し、個別具体的な深掘りと概念化を繰り返すことで考えは深まっていく。
モノの見方
ステレオタイプ、常識に囚われた発想から抜け出すため、以下三種類のモノの見方を意識する。
・関係論…単純な一対一の因果にとらわれず、何が原因か、何が関連しているのかを幅広く捉える
・逆説…「~にもかかわらず」というような、直感に反する関係性に注目する
・メタ…問題自体を一段上のレベルへ概念化してとらえ直す
まとめ
公認会計士として監査法人で働いていた時には、目の前の情報や状況を、ついつい固定化されたレンズで捉える癖がついてしまっていました。それは、専門職である以上仕方ないことなのかもしれません。しかしながら、一方で幅広い柔軟な発想力や思考力に強い憧れがあったのも事実です。
監査法人を離れてビジネススクールで勉強する中で、少しづつ自分の中でのステレオタイプや、固定化されたモノの見方が解きほぐされている感覚があります。そんな中で出会ったこの「知的複眼思考法」という本は、正に自分の問題意識にピッタリでした。
今後も定期的に読み返す一冊にしようと思います。