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初めての手術&入院

※注意:
病状や手術に関して少し痛々しいと感じる描写があるかもしれません。もしそう感じた場合は、読み飛ばすようお願いします。


今年は辰年の年男。
50歳まであと数年の年齢で、
初めての手術&入院を経験しました。

網膜剥離

眼の病気で網膜剥離というやつです。

できるだけ早く手術しないと、
最悪失明するそうです。
正確には網膜剥離の一歩手前でしたが、
私の症状は深刻でした。

病名聞いて、
「ああ、ボクサーとか、
サッカー選手がたまになるやつ?」

くらいにしか思いませんでした。
だから、まさか、
そんなに重症だなんて
思ってもみなかったのです。

ちなみにどんな眼の状態だったかというと、
濁った海の中をずっと見ているような感じ。
片目だけ泥水の中を泳いでいるみたい。

アニメ鬼滅の刃の話ごとタイトルの後ろ
に出てくる(わかります?)、
筆字のようなウニョウニョしたやつが、
常に目の中を泳いでいる感じ。

飛蚊症のひどいやつ、と言えば、
わかる人もいるかもですね。

右目だけど、右目はほぼ視界がぼやけて
見えたり見えなかったりでした。

これ、日曜のあるアクシデントが
きっかけで、その状態になりました。

「これはヤバいヤツだ」

と直感的に思った私は、
月曜の午前に、近所で評判のいい北品川の
眼科に診察に行きました。
初診だったけど、直感でこの先生を選んで
良かったです、今思えば。

診察するなり、すぐに手術が必要な
可能性が高いからとのことで、
その場で大学病院をご紹介いただいきました。

後ほど大学病院の先生から聞いたのですが、
ちょうどこの眼科の先生と大学病院が
ホットラインを繋いだばかりだったそうです。
ほんとラッキーでした。

いざ、大学病院へ



紹介状をもらった私は、
若干ビビりつつも、
大学病院へ向かいました。

今日の予定、今週の予定、
ああ全部キャンセルかなぁ、
なんて考えながら、
バスを乗り継いで向かいました。

取り急ぎ今日の予定はキャンセル、
相手の方にごめんなさいの連絡。

自覚症状からもしかしたらヤバいかも、
と予測はしていたものの、

これからどんな展開になるのだろう
やはり、手術になるのかなぁ

なんて、
ドキドキしながら向かいました。


都心にある某有名大学病院。
初めてお世話になることに。

到着したのはお昼過ぎ。
午前の診察時間は終わってたけど、
北品川の先生の取りはからいで、
緊急対応いただけることになってました。

総合受付に行って簡単な手続の後、
眼科外来へ。
通常の外来で行ったらおそらく数時間待ち
なんだろうけど、
急患扱いで、ほぼ待たずに呼ばれました。

結局手術に・・・



まず診察。
幸運にも、とてもいい先生でした。
ひと通り診察後、
網膜剥離の一歩手前の状態とのこと。
正確な理解ではないかもだけど、
私の病状の理解では、
網膜っていう、眼の内側に張っている膜が
剥がれちゃって、剥がれたところに眼の中の
液体が入ると網膜剥離。
私の場合は網膜は剥がれてはいないけど、
穴が空いていて、いつ剥離してもおかしくない
状態だったみたいです。

そこで、
2通りの治療を提案いただきました。

・一つは、レーザー治療、
・もう一つは手術。

レーザーの場合は入院不要。
ただし、眼内出血が多いから、
レーザーが通らないかもしれない。
その場合は手術しかないとのこと。

私は、手術&入院を避けられるなら、
と思い、
レーザー治療をお願いしました。
一度経験がありましたが、
ドキドキはします。

いろいろな眼の検査をした後で、
いざレーザー治療スタート。

・・・うーん
出力最大にしてみますね、
・・・やっぱりダメか、届かない。

そんな先生の声と共に、
諦めモード。
やはり出血のせいで、
レーザーが治療箇所に届かなかったのです。

いよいよ、
覚悟を決める時が来ました。

「手術しましょう」

との先生の言葉に、
私はやや緊張して、

はい、お願いします

と返事しました。
そして同時に入院確定。
最低2泊3日とのことでした。

眼の手術なんて、
今考えても、めっちゃ怖いし、
手術なんて生まれて初めて。

じっくり考えてたら不安になって、
決断なんてできないですよね。

ただ、失明リスク考えたら、
もう手術してもらうしかない。

今日初めて会った医師から、
ご紹介いただいた先生。
まったくもって初対面だけど、
もう目の前の専門家を信じる
しかないですよね。

そこからは本当にバタバタでした。
血液検査、
心電図、
コロナの検査、
レントゲン等、

ひと通り検査して、
入院手続きして。

途中、妻に緊急入院決まったから、
着替え持ってきてほしいと電話して。

15時頃ようやく、
お昼ご飯ちょっと買いに行こうかと
コンビニ行こうとしたら、
眼科からアナウンスで呼び出される始末。
苦笑

こんな慌ただしい中でしたが、
待っている時間も多かったので、
院内の様子をいろいろ観察してました。
そして、大学病院の仕組みって、
あらためてすごいなぁって感動しました。

・手順・分業・役割がしっかり決まってる
 (ようにみえた)

・何回も名前、生年月日を確認される
→結局、手術前まで全部で10数回
 言ったかな。
 こんなに自分の名前と生年月日を言った日は
 生まれて初めて笑。
 これでもかというくらい確認する。
 医療ミスという取り返しのつかないことを
 防止するためには、しつこいくらい
 確認徹底する事が大切だからなんでしょう。

・優先順位が明確
→いつも大きな病院では待たされて、
 イライラする。
 他の診察待ちの人も待たされて、
 受付の方に物申している方もいたけど、
 今回自分が緊急度の高い治療を受ける側になり、
 はじめてこのありがたみがわかった。
 順番通りやってていいものと、
 そうでないものがあって、
 どういう人を優先的に診察、治療すべきか、
 そんな事が徹底されているのだと感じました。
 まぁ、待たされる人の気持ちも、
 よくわかりますけど。
 違う立場になってみて初めてわかること、
 ありますよね。

そんなこんなで、
入院する大部屋に荷物を置きに行き、
点滴をされ、
程なくして手術室に呼ばれました。

遂に、人生初の手術です。

はじめての手術&入院


「入院も手術も、
生まれて初めてなんです」

そんなことを緊張気味に言うと、
看護師さんがめちゃくちゃ励まして
くれました。
マジで優しかった。

手術着を着て、
気持ちを落ち着ける薬を飲んで、
抗生剤の点滴打ってもらって。

めっちゃ病人みたい!

そんなことを思いながら、
ドキドキしつつも、
自分でできることはジッと執刀医の先生を
信じて手術を受けることくらい。

あまり頑張れることないか。
そう思い、腹をくくりました。

帰りは下を向きながらじゃないと
いけないから、ということで、
車椅子で手術室へ。

もしかすると慌ただしさがあったから、
むしろ不安を感じている暇が
なくて良かったのかもしれません。


手術室に入るのももちろん初めて。
入ると、心地よいクラシック音楽が
流れてました。
助手の先生や、麻酔の先生がいて、
右目だけ麻酔してもらいました。
そう。意識もあるし、
右目の中もなんとなく見えてたんです。

もちろん麻酔しているから痛くはないけど、
今、眼の中に器具入ってるなとか、
眼の中を治療してくれているな、
とかはわかる。

今考えたら怖いけど、
その時は、ひたすら先生を信じて、
待つしかない。

40分〜1時間くらいかな。
実際どれくらいの時間がかかったのか、
覚えてないけど、
手術は無事に成功しました。
(先生、ありがとうございました!)

しばらく下向きとのことで、
帰りの車椅子に乗った時から、
ずっと下向き。
寝る時もうつぶせか、右下向きで
顔を下向きにして寝なければならない。

病室に戻ると、
妻が荷物を持ってきてくれていました。

顔を上げることができず、
片目は眼帯で見えないので、
その時妻がどんな顔をしていたのかは
わかりませんが、
心配してくれ、力になってくれる人がいる
というのは本当にありがたいこと。

決してポジティブとは言えない、
非日常に遭遇した時、
日常にある
”当たり前”
のありがたさを、
この入院期間で気付かされることに
なりました。

入院2日目



入院2日目。
同室の方の動作やいびきで、
何度も目が覚めたけど、
それほど寝不足感はありませんでした。
とはいえ、はじめてうつ伏せで寝て、
不慣れて寝にくいことこの上なし。

早く、仰向けで寝たい。

朝一で思った、一番の願望でした。

右目は眼帯で覆われていて、
何もみえません。
左目が見えることに感謝しながら、
運ばれてきた朝食をいただきました。

病院の食事は、品数も多くなく、
ご飯またはパン、主菜1品、副菜1品、
汁物、夕食はデザートやフルーツ。

通常食がこんな感じだったけど、
ご飯の量は220gと多かったので、
それほどお腹は空きません。

特に食事制限はなかったのだけど、
お腹が空かないし、特に出歩いたりも
できなかったので、間食もあまりしません
でした。

セブンイレブンがあったから、
いざお腹が空いたら買いに行けたし、
(下向きながらだけど苦笑)

前日、手術を受けている間に、
妻が飲み物やパン、お菓子を少し
買ってきてくれていたので、
それで十分でした。


2日目の診察を受けた時、先生に
シャワーを浴びていいかと聞いたけど、
まだNGでした。

菌が目に入るのを防ぐためなので、
仕方ないですけど。
毎日お風呂やシャワーを浴びれるって、
本当に幸せなことなんだなぁと痛感。

午後は、妻がまた荷物や着替えを持って
きてくれたので、唯一の娯楽?コンビニでの
買い物に連れて行ってもらったり、
(下向いてないといけなかったので、
車椅子で移動しなければならず、1人では
動けなかったのです)
談話室的なところで少しお話したり。

妻が帰った後は、
LINEで誰かとお話したり、
アマゾンプライムビデオで
葬送のフリーレンを見たりして、
過ごしました。

3日目、そして退院



3日目。
朝は、前日よりも若干の眠気を
保ちながら起床。

今日の午前の診察次第で、
退院できるか否かが決まる。

朝食後間も無く外来診察に呼ばれ、
いざ診察をしてもらいました。

「順調だから、退院でどうですか」

「はい、ありがとうございます」

退院確定。
よかった。
2泊3日の入院生活が、
終わりを告げた瞬間でした。

荷物をまとめ、
看護師さんにお礼のご挨拶をして、
お会計へ。

手術&入院だから、
これまで払ったことのないような、
高額だったのだけど、
高額療養費制度に助けられ、
支払いは一定限度額で済みました。

全てを終えて、
外にでると残暑で蒸し暑かった。
また夏が戻ったような感じでした。

目が不自由なのでタクシーで帰ろうか
とも思ったけど、
今後の通院のことも考え
あえてバスで帰宅しました。

帰宅して、すぐに首から下だけ、
シャワーを浴びました。
洗顔洗髪は1週間禁止なので。

シャワーが浴びれるってありがたいと
感じました。

お昼には、妻にスーパーで
おそばと惣菜のてんぷらを買ってきてもらい、
いただきました。
食べたいものを食べられるって、
本当にありがたかったです。

夕方、今回の大学病院を紹介くださった、
きた品川の眼科の先生に、
簡単な菓子折りを持ってお礼をしてきました。

怪我はしたけど、
その後、初めて会った素敵な人たちに、
私の眼を救っていただきました。

私は、本当にラッキーでした。

今回の経験から学んだもの



今回の入院で、日常の当たり前が、
どれだけありがたいことなのか、
大いに気づきがありました。

なによりも、見えていることが、
ありがたい。

もし見えなかったら、
会計士の仕事はできないし、
車の運転もできないし、
野球もできないし、
子供のサッカーも見れない。
この文章すら書けない。

そう考えると、
眼が健康であるって、
本当に素晴らしいし、ありがたいこと。

よく視覚から得る情報は55%とか、
80%とか言われるけど、
要するに眼から入ってくる情報は
めちゃくちゃ多いということです。

今ある日常、健康、当たり前の大切さに
気づき、あらためて大切にする。

今回のこの出来事は、
大切な日常にあらためて気づき
1日1日を大切に生きなさい。
そしてやりたいことがあるなら、
さっさとやりなさい、
そんなメッセージをいただいた気が
しました。

できることなら、
もう手術や入院はしたくないけど、
この出来事をどう意味付けするかで、
今後の人生の豊かさは変わっていくと思います。

最後に、
長くなりましたが、お読みいただき
ありがとうございました。

おわり


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