陸上競技が、他競技のパフォーマンスアップに繋がた!?
新年明けましておめでとうございます!
COZYの鈴木です。
去年はスクールやイベントを通じて多くの子ども達の、トレーニングや運動遊びに携わらせていただきました。
そんな中でも、印象的だった競技縄跳びの選手を紹介したいと思います。
去年の3月頃、アスリート塾柏校競技者クラスのトレーニング体験に参加してくれたのが、彼との出会いでした。
当時、小学6年生の彼は全国大会で優勝経験もありましたが、中学生になると学年が上がっていくにつれて身体付きの良い選手が活躍しているため、彼もしっかりと身体を作って欲しい。
また、記録も低迷していて今の身体の使い方だと限界を感じていたとのことでした。
競技縄跳びの知識は全くありませんが、筋トレとジャンプトレーニングが大好きな僕としては、願ったり叶ったりの要望でした!
まず取り組んだのが、基本的な筋力トレーニングとストレッチです。
スクワットやゴムチューブを用いたデッドリフトでジャンプに必要な股関節周りの筋力強化と股関節の曲げ伸ばし動作の意識付け。
腹筋、背筋、腕立て伏せで基礎筋力及び姿勢維持に必要な胴体を強化していきました。
かなり地味なトレーニングではありますが、この段階のトレーニングが、根幹になる部分だったので、飽きずにしっかりと取り組んだのが後の結果に繋がったと思います。
5月頃からは、基本的な身体作りに加えて、アンクルホップやリムジャンプ、スクワットジャンプなどジャンプトレーニングを追加、この頃から調子を取り戻し始め、9月に開催予定のアジア大会に団体での出場が決まり順調に調子を上げ始めましたが、6月に母趾種子骨障害と診断されジャンプと走ることを禁止されてしまい、アジア選手権はおろか10月の全日本大会の予選会も危うい状態となってしまいます。
しかし、彼はアジア大会も全日本も諦めていませんでした。万全では臨めないかもしれないけれども、やれることはやるという意思があったので、ここから彼と彼のお母さんと僕の三人四脚が始まりました。
怪我の原因はフリースタイルで技を決める際のジャンプの全体の流れにありました。
技は基本的に、技の難易度と空中姿勢が評価されます。
彼は、1つの技を決める際にしゃがみこんでボールのように地面に落ちるというような動作を繰り返していました。
これは、足の負担が大きく怪我のリスクが大きいのと同時に1つ1つの技がぶつ切りになり流れも悪く評価が上がらない悪循環になっているが、これを直すとかなり上位につけると3人で話し、この一連の流れをスムーズにすることを目標にトレーニングを組んでいきました。
先ず取り組んだのが姿勢作りと可動域を拡げるトレーニング。パワーポジョンの作り方を練習しとにかく重心と姿勢維持に重点を置いたトレーニングと技を無理なく決めることが出来るように、肩甲骨、胸椎、股関節の可動域を拡げる取り組みを実施。
それと、平行してジャンプの滞空時間を確保するために股関節から地面を押して素早く高くジャンプをするイメージ作りでメディシンボールを使ってトレーニングを行っていきました。
サポーターを着けてジャンプが出来るようになってからは、ドロップジャンプやデプスジャンプでアキレス腱や股関節優位の動きで跳ぶイメージ作りを実施。
トレーニング前は必ず彼と彼のお母さんから話を聞いてから開始するのを続けていくと気がつけば、彼はアジア大会を無事に終えていました。
アジア大会の結果はまだ発表されていないそうです笑
10月の全日本の予選会はしっかり通過し、12月の本番に向けて新たな試みを始めました。
競技縄跳びは、フリースタイル以外に30秒スピード、3分スピードがあり、スピード競技は、時間内に何回右足が縄を越えたかを競う競技です。
彼は3種目とも出場でフリースタイルと30秒は得意としていて、3分を苦手としていました。
彼とお母さんからは、得意種目ではなく、総合で勝ちに行きたいと話をされたので苦手とする3分の強化を実施!
3分間なるべく楽に足を引き上げ続けるための骨盤操作や速く長い時間動き続ける身体を作るためのサーキット、田畑式トレーニングを実施。
時には最近ジャンプのキレがないから動きを見て欲しいと言われて、動作確認を行ったりやれることをやっていきました。
全日本大会の当日はクリスマスでした、彼から連絡が来ました。
総合優勝しました。
最高のクリスマスでした。
この1年、思い出すと感無量です。
僕は、陸上競技の短距離を専門に選手をやっていましたが、自分が行っていたトレーニングが他競技にもしっかりと生かすことが出来るんだと、陸上競技の可能性を感じる1年でした。