見出し画像

新しい習慣

最近のお楽しみは、休日最後の時間をカフェで過ごすこと。

子供がいる家庭のお母さんが、連休最終日の夜に一人で出かけることはほとんどないと思う。私もなかった。
あわただしく家族の食事の支度をし、入浴を促し、後片付けをして、そんな中で「明日○○がいるんだった。」とか子どもが言おうものならブチ切れながらもどうにかして、そして倒れるように眠った。

一人暮らしになった今、休日最後の夜はとても静かだ。
油断すると寂しさが押し寄せてくる。だから出かけることにした。

わが町は車がないと生活できない田舎だけれど、だからこそ広大な駐車場を備えたショッピングモールがある。平日は閑散としているのに、休日ともなると家族づれやカップルでごった返している。
買い物なら空いている平日がいいと思っていたので、できるだけ休日は近づかないことにしていたが、夕方になれば嘘のように客がいなくなっていることに最近気が付いた。
田舎の夜は早い。みんな自宅で家族と夕食をとっているのだろう。

そんな時間に一人カフェの片隅に陣取って本を読む。まだ休日のにぎやかな空気が漂っているからさびしくない。
この日、手に取ったのは文庫本は「おひとりさま日和」。
おひとり様がテーマのいろいろな作家の短編集は、今の私にピッタリである。

カフェラテを飲みながら、一話だけ読んだ。
おひとりさまがテーマなら30~50代くらいの話だろうと思ったら、いきなり80代のおばあさまのお話だった。つい職業的な見方をしてしまう。

友人の家での不審者騒動。
→(被害妄想かな?不安症?幻聴?薬の影響も考えられる?)
習い事の先生から聞いた、なんだか良さそうなサービスの話。
→(新手の詐欺でしょう。)
毎日出入りする業者。
→(顔なじみになったら、家族より信用してしまう。相手が悪人だったら危ないなあ。)
主人公、突然の出来事にびっくりする。
→(転倒したら骨折して入院。認知症、嚥下障害、誤嚥性肺炎、寝たきりのコースだわ。)
いつかは施設に入るつもりだけど、まだこの家にいたい。と言う主人公。
→(みんなそう言うけど、いざとなると絶対入所はいやだって言うんだよね・・・。)

職業的な見方をしなければ、とてもほっこりする素敵なお話だった。
黒犬、大好き。


いいなと思ったら応援しよう!