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小惑星ベンヌに生命体の材料がたくさんあった!

すごいニュースがありました。
小惑星ベンヌにタンパク質の材料となるアミノ酸や、タンパク質の設計図となる遺伝子を構成するDNAやRNAの核酸分子の塩基(グアニン、アデニン、シトシン、チミン、ウラシル)が発見されました。

NASAの探査ミッション(OSIRIS-REx)が明らかにしたベンヌの特徴は、以下の点から初期太陽系の情報を保存している可能性が高いとされています。

炭素質(C型小惑星) → 生命の起源となる有機物を豊富に含む
水を含む鉱物 → かつて水と相互作用した証拠
プリン塩基・ピリミジン塩基 → DNA/RNAの材料

これらの発見から、ベンヌの親天体には生命の材料となる有機物や水がすでに存在していた可能性が高く、それが地球に供給されたかもしれない、という仮説が強まっています。

宇宙生物学への影響:

この発見は、生命の起源に関する以下の可能性を示唆しています。

  1. 地球外からの有機物供給: 小惑星や彗星が、生命の基本構成要素を地球にもたらした可能性が高まりました。これにより、生命の起源が地球外に由来するという仮説が強化されます。

  2. 生命の普遍性: 太陽系の他の天体、例えばエンケラドゥスやエウロパ、ケレスなどでも、同様の有機物が存在する可能性が示唆され、これらの天体での生命の存在の可能性が高まります。

プリン塩基とピリミジン塩基の地球外での発見状況:

これまで、隕石や宇宙塵から一部のプリン塩基やピリミジン塩基が検出されていました。しかし、今回のベンヌからのサンプルでは、DNAやRNAを構成する5つの塩基すべてが確認されており、これは初めてのことです。  

この発見は、生命の基本構成要素が宇宙全体に広く存在し、地球上の生命の起源や他の天体での生命の可能性に関する研究に新たな視点を提供します。

ベンヌの位置と起源

ベンヌ(Bennu)は、地球近傍小惑星(NEO: Near-Earth Object)の一つで、アポロ群に属する小惑星です。
• 現在の位置: 主に太陽と地球の間(地球軌道付近)を周回している。
• 公転周期: 約 1.2年(地球の公転周期よりやや長い)
• 直径: 約 500メートル

地球軌道と交差する軌道を持ち、22世紀末頃に地球に衝突する可能性がわずかにあるため、NASAは詳しく調査しています。

ベンヌの起源 – どこから来たのか?

ベンヌは単独で形成されたわけではなく、より大きな天体(親天体)が破壊されて生じた破片が集まって形成されたと考えられています。
• 約 10億年前に、直径100km以上の炭素質小惑星が衝突や分裂によって破壊された。
• その破片の一部が、現在のベンヌを構成する物質になった。
• その後、太陽系内の小惑星帯(火星と木星の間)を長期間漂い、重力の影響で地球付近に移動してきた。

したがって、ベンヌはかつて存在した大きな小惑星の一部であり、その親天体の起源は火星と木星の間にある小惑星帯にあると推測されています。

地球外の生命体の存在を可能性を高める発見が着実に増えています。
過去の教科書にはない、生命の歴史が明らかになるかもしれない、そんな時代に生きているんだなぁ。

材料が太陽系外から来て地球で生命が誕生したのか?
生命は宇宙に普遍的で地球に到達したのか?
生命は同時多発的に生まれるものなのか?

今後の報告、発見が楽しみです。

https://nypost.com/2025/01/29/science/the-ingredients-to-life-on-earth-were-discovered-on-a-distant-asteroid-for-the-first-time-nasa/?utm_source=chatgpt.com


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