【物語】ラプンツェル ”No.16” Rapunzel
私の好きなインナーチャイルドカードは【おとぎ話のタロット】とも言われている、物語をベースにしたカードです。
昔読んだことのある懐かしい童話や、意外と知らなかった物語もあったりして、カードへの理解も深まるかと、それにまつわる物語を読んで感想を記録しています(^^)/
今日のカード
大アルカナ16番、タロットカードでは塔のカード。
インナーチャイルドカードでは、ラプンツェルの物語と紐づいています。
読んだ物語は?
『ラプンツェル』
原作:グリム
文・絵:いもとようこ
発行所:金の星社(2017年)
『グリム<初版>を読む』
著者/吉原高志・吉原素子
発行所:白水社(1993年)
『目で見るグリム童話』
著書/野村 泫
発行所/筑摩書房 ちくまライブラリー97(1994年)
読んで感じたこと
この物語は特に、一般的に知られている絵本やDisneyのストーリーとグリム初版にかなりのギャップがありました。
ラプンツェルというのは野菜の名前です。
いもとようこさんの絵本には解説されていましたが、サラダなど生で食べられるレタスのようなもの(日本で初めて完訳された時の名称は野ぢしゃ)です。インナーチャイルドカード解説書にはハーブと記載されています。
ラプンツェルの名づけの由来は、母親のどうしても食べたかったこの野菜。
身ごもった母親の願いを叶えるため、父親がお隣の魔女(初版では妖精)の畑に植えられていた野菜を盗み食べさせます。それを知り怒った魔女が代わりに生まれてくる子供をもらう約束をさせ、その魔女が名づけ親のゴテルおばさんでラプンツェルを育てます。
そんな背景があって、12才から塔に閉じ込められ暮らす長い金髪の美しいラプンツェルは、王子を塔に引き入れたことで魔女を裏切った形になり(本当は妊娠が発覚し)、美しい長い髪を切られ荒れ野へ放り出されます。王子が盲目になった経緯(初版では妖精に目をつぶされる)にも違いがありましたが、最後はどのストーリーもハッピーエンド。
『目で見るグリム童話』では、ラプンツェルの物語が美しい絵画のように描かれた一枚絵という、ヨーロッパで広まった江戸時代の瓦版のようなものを目にすることが出来ました。本書では、グリム第7版をもとに訳された物語を読むことができました。
どのグリム童話もそうですが、ラプンツェルは特に子どもへの配慮で版を重ねるごとにかなりの修正がされているように感じました。
物語とカードの関係(私の考察含む)
カードの絵柄には、名称同じくラプンツェルが住む塔が描かれて、この童話との紐づけは言わずもがな。
王子も描かれていますが、この合言葉を叫んだ魔女が降ろされた髪を使ってまさに塔に上るところです。
カード内には畑のラプンツェルも植わっておりますね。
インナーチャイルドカードの解説書には、髪はエゴの現れ、物語は自己本位の課題に焦点をあてていると書かれていました。
ラプンツェルがもつ美しい金髪の長い髪。ラプンツェルを育てた魔女は、外部にさらさないよう彼女を塔に閉じ込め大切に育てたつもりでしたが、それはラプンツェルの存在と自由を奪い、自分のエゴだけで生きていたといえると思います。
裏切られたと腹が立って長い髪を切り荒野に彼女を放り出すことは、エゴを断ち切り自己本位だったラプンツェルへの想いや言動に終止符が打たれることになった、そんな魔女視点からのカードなのかなと思いました。
このカードは、魔女が体感したようなエゴを断ち切るステージに今いること、またはこれからそんな段階に自分が向かおうとしていることを伝えているのだと思います。