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【物語】はだかの王さま ”No.4”The Emperor's New Clothes

私の好きなインナーチャイルドカードは【おとぎ話のタロット】とも言われている、物語をベースにしたカードです。
昔読んだことのある懐かしい童話や、意外と知らなかった物語もあったりして、
カードへの理解も深まるかと、それにまつわる物語を読んで感想を記録しています(^^)/



今日のカード

子ども「だけど、何にも着てやしないよ!」


大アルカナ4番、タロットカードでは皇帝のカード。
インナーチャイルドカードでは、アンデルセン童話はだかの王さまと紐づいています。

タロットカードの皇帝の解釈とはいささか異なるように思うので、単に皇帝=王様としての紐づけなのでしょうか。



読んだ物語は?

①『はだかの王さま』

アンデルセン:作
バージニア・リー・バートン:絵
乾侑美子:訳
発行所:岩波書店(2004年)


②『はだかの王さま』
世界のメルヘン絵本・29

アンデルセン:作
佐野洋子:絵
山室静:訳
発行所:小学館(1980年)


③『子どもに語るアンデルセンのお話』
皇帝の新しい着物(はだかの王さま)

アンデルセン:著
松岡享子:編
発行所:こぐま社(2005年)




読んで感じたこと

3冊、読んでみて良かった^^

1つ目のバージニア・リー・バートンさんが描かれた絵本は、以前読んだ『ちいさいおうち』や『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』の彼女の世界観そのままに素敵な絵本となっていました。
はだかの王さまは、お父様がよく聞かせてくれた思い出のお話だそうです。

2つ目は、『ムーミン谷の仲間たち』でも訳された山室静さん、絵は『100万回生きたねこ』の佐野洋子さんが担当。
かなり前に出版された本ですが、佐野さんの描く世界観が色濃く出ている絵でベージュ色の紙にクレパス?で描かれていて、雰囲気のあるステキさ。(王さまのおしりが可愛い^^)

山室静さんがあとがきでこのようなことを書かれていました。

「はだかの王さま」には種本があって、その作に作者はちょっと手を加えただけなのです。(中略)種本になったのは、十四世紀のスペインの作家ドン・ファン・マヌエルという人の書いた「ルカノール伯爵」という説話集で、ギリシャやローマやアラビアの色々なめずらしい話を集めているのです。

『はだかの王さま』についてより抜粋

おもしろい発見でした!
種本からの改訂箇所は2つ。当時のスペインの風儀を表わしていた”不義の子”には織物が見えないという部分を、普遍性をもたせるよう”自分の地位にふさわしくないものや愚か者”には見えないという子ども達が分かりやすい設定に。
もう1つは、裸である事実を誰が明かすのか。失うものが何もない”身分の低い貧しいもの”から、無邪気な”こども”に変えただけであとはほぼ同じだそうで(笑)
でもアンデルセンの知恵とユーモアが、世界的に自身を童話作家に、そして童話を世間的に改めさせたきっかけになったということですから、凄いですね。

そして3つ目の松岡享子さんが編集されたものは、アンデルセンのお話会が本となったもので、書中のタイトルはアンデルセン原題のままに「皇帝の新しい着物」となっていました。
この本では数名の方が読み聞かせされたあとの茶話会の様子も載っていて、アンデルセンついて語られていていたのも興味深かったです。




物語とカードの関係(私の考察含む)

人の心理を利用し金儲けをする悪商人の狡さと、王様はもちろん家来たち国中の大人たちの虚栄心をおもしろくもハッキリと見せつける物語。

反対に純粋で何の忖度もない子どもは、堂々と国民の前を裸でパレードする王様に対して、いま目で見た真実をそのままに口にします。
このカードで慌てて家来たちが王様の体を隠している様子ですね(//∇//)

自分は騙されていた事、裸で歩いている事を知りながらもパレードを続行する王様を、物語の最後までユーモアを加えて描いていました。

分かりやすい形で並べると…

騙す人・騙される人
ズルをする人・真面目な人
見栄を張る人・正直な人

今の私たちもこのようにタイプ分け出来るかと思います。時と場合により逆のタイプになったり、その中間に身を置く人も。
どれだけの人がはだかの王さまの家来たちや国民と同じように、周りからどのように思われるか扱われるかを懸念して行動しているか、アンデルセンのお話にハッとさせられます。


ガイドブックの解釈も・・・

盲目、愚かなる振舞、自己破壊的傾向、
もしくは統合、優雅さ、物質界に埋もれた霊的な宝といったものに対する突然の目覚めのシンボルにもなりえます。

『インナーチャイルドカード日本語版ガイドブック』より抜粋


以前タロットの仲間うちでインナーチャイルドカードの練習に付き合って下さった方がいました。一枚引いて出たのはこのカード。まずは絵柄から何か感じることはないですかと聞くと、「感じない。何も浮かんでこない」と仰って。ガイドブックの解説を棒読み(笑)しても尚のこと「特に何も感じない」との返答でした。
若輩者の私に自分の思いを口にしたくなかったのかもしれませんし、私にもそれを引き出すスキルや度量がなかったのは言うまでもありません(^^;)その時はそれで終わりました。


この物語を読んだ今振り返ると、はだかの王さまがプライドや見栄によってパレードを続行したように、その方も何か気づいている分かってはいるけれど最後まで感じた事を出せなかったのかもしれないなと感じます。

もし今このカードを引いて口をつぐむ人が目の前にいたら、私はその方に今少し「はだかの王さま状態」になっているだけだと伝えられます。

おべんちゃらを言ったり、自分を良く見せたり、本当のことが言えなかったり、カッコつけたり(笑)・・・誰しもそんな状態になる時もあり、全くそうならないでいられることなんてないはずです。だから今自分を振り返るために、またはこれから先そうならないために、このカードが出てきてメッセージを伝えてくれていると解釈することができます。魂の旅(人生)をより歩きやすくなるようにって、カードからのメッセージ^^


この物語を読んで、かつての経験を思い出せたこと。
付き合って下さった方のおかげでより深く感じられたことに感謝☆彡










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