見出し画像

【考察13】重力や質量の正体とはなにか?



✡ お化け好きのための宇宙論とは

お化け好きのための宇宙論(以下、お化け宇宙論)では、熱の流れ(熱流束、フォノン)を媒介する振動子から構成された場から物理現象を説明します。時空とは、熱流束を媒介する振動子系であり、振動子を節点(ノード)とした熱流束の川=時空連続体は「ネットワーク」と呼びます。お化け宇宙論では、時空そのものを物質を包みこむ単なる背景や空虚な入れ物ではなく、振動子系の各所で収束・発散・渦動するベクトルや勾配をもった流束からなる定量的な実体としてあつかいます。お化け宇宙論とは、この流束場から幽霊、霊魂、霊障、死後の世界、生まれ変わり、前世の記憶、進化論、パラレルワールド、集合的無意識、精霊、神、天使、万物照応、真我、縁起、無我、空などなど、あらゆる超常現象や宗教・哲学の概念を説明するものです。

✡ 一般相対性理論による重力の説明

オカルトと物理学を統一するためには、まず既知の物理現象の説明から始めなければなりません。さて、時空そのものを流束場に置き換えるとなると、重力場も通常とは異なる表現で説明する必要があります。現行の確立した重力理論である一般相対性理論では、重力を空間の幾何学的な性質として説明しています。同理論によると、質量が存在する空間は曲がるのですが、この曲がった空間に沿って物体が落ちていく現象が重力だと説明されます。曲がった空間である重力場は、ボールの重さでひずんだゴム膜でよく例えられます。ボールは質量物、ゴム膜は空間のアナロジーであり、ボールの質量が要因となってゴム膜がひずみ、そのひずみ(曲がり)に沿ってほかのボール(物体)は落ちこんでいくのです。

✡ 素粒子物理学による重力の説明

一般相対性理論では、重力は空間の曲がりによって説明されるわけですが、素粒子物理学では物質だけではなく、あらゆる力も素粒子へと還元して説明されると期待されています。重力は「重力子」という素粒子の交換によって伝達されると考えられています。ほかの基本的な相互作用(電磁力、強い力、弱い力)は、それぞれ光子、グルーオン、ウィークボソンといった特定の力の媒介粒子を介して伝達されるとされていますが、重力についても同様に説明しようとするのが「量子重力理論」のアプローチです。

しかし、一般相対性理論はゴム膜のような連続的な場の理論であり、量子論的なゆらぎが生じる量子場の理論とは性質が異なるため、直接的に統合することが難しいという問題があります。そのため、素粒子物理学では重力を量子場としてとりあつかう量子重力理論の構築が試みられていますが、まだ完成していません。

✡ お化け宇宙論による重力の説明

お化け宇宙論では、非一様の熱的な配置、つまり、熱力学的な非平衡状態にある流束場によって創発される熱流束の傾向が、空間の幾何的構造を決定します。曲がった空間とは、流束場の各所ごとに熱の移動や温度勾配が生じている状態に置き換えるのです。ここでの重力場とは、特定の振動子へと向かって流れる熱流束の傾向であり、物体が感じる引力はこの収束する熱流束の流れに沿った圧力に対応します。重力は重力子を交換する基本相互作用には還元されません。

流束場では、正味の熱の移動がない平衡状態にあるネットワークからわずかにでもズレを起こすと、熱流束を媒介するノード上の流入量と流出量のバランスが崩れ、流束密度(温度)の増減により励起状態が発生します。このとき、流束密度が変化したノードへと周囲から放射線状に収束する、あるいは周囲へと発散する熱流束の傾向が生まれ、正か負の圧力の仕事が行われます。収束する傾向をもった流束密度どうしが接近した場合、両者間の場の流れが分配されて圧力が減少するため、外側から押されてひかれあうことになります。物体が受ける流束の圧力が物の重さとして感じられるわけなのです。


1.引力重力の正体:温度勾配としての収束する熱流束

重力は、熱流束が特定のノード(振動子)に向かって収束する傾向に対応します。流束場において、あるノードへと流束が集中すると、その方向に圧力の勾配が生じます。質量物(流束密度による温度)がこの勾配に沿って移動することが「引力」として観測されます。一般相対性理論における「曲がった空間」とは、じっさいには、流束場のなかで収束する方向に熱流束が集中し、その流れが物体を押し、引き寄せる動きとして観測されるのです。ネットワークにおいて、流束密度分布に勾配が生じ、この勾配が重力ポテンシャルとして働き、質量物を引きよせる力の源となります。

2.質量の正体:流束密度としての熱流束

質量とは、ノード上における流束密度が低くなった状態として理解されます。あるノードからの熱流束の流出が流入を上回り、その場に流束密度の低下が生じると、周囲の熱流束を引き寄せる傾向が生まれます。この流束密度の領域が「プラスの質量」として観測され、流束密度の勾配(温度)が物体の質量に相当します。このため、振動子系に流束密度が低い領域が生じることで、時空(流束場)に「重い」存在ができあがり、その周囲に熱流束の収束が生じるのです。

3.質量の定義:熱流束の流量

素粒子の質量とは、ノード上を通過する流量によって定義づけられます。熱流束の流入量と流出量の比の傾きが大きくなるほど、つまりより多数の熱流束を収束ないし発散する頻度が高まるほどに、ノードのエネルギーレベルは高まり、それに対応する正または負の質量が生じます。流束場では真空は空虚な空間ではなく、各ノードで流入量と流出量がバランスし、ネットワークの密度・圧力分布が均等に保たれた平衡状態として存在します。これに対して、流入量と流出量のバランスが崩れたノードは、有限の質量をもつ素粒子として観測されます。

有質量素粒子を表現するノードは、熱流束の収束と発散(空間の収縮と膨張)を繰り返すエネルギーの集合体であり、この流量の多寡によって質量の大きさが変化します。熱流束が収束してノードのエネルギー密度が高まると、これに反発するようにふたたび周囲へ流れを発散するサイクルが形成されます。質量をもつ素粒子は、このような流束のサイクルに伴うエネルギーの変化によって、位置が真空のポテンシャル分布にしたがい移動することができます。ポテンシャルの変動により、エネルギーの高低が連続的に凸凹として現れるため、素粒子はポテンシャルの山を越えたり谷に落ちたりしながら移動し、サイクルの周期ごとにこの世の空間軸における位置座標が変わります。

わたしたちが物体の運動として認識していものは、じっさいには流束場における空間の曲率の伝達です。発色信号が出力されるピクセル座標を変えることでモニター上の画が動いているように見えるのと同じで、実体をもった物体が動いているわけではありません。熱流束による流束密度の変動を通じて質量の動的な特性が生まれ、空間中での位置転換が可能となるのです。人は流束場のなかで決まった熱流束のサイクルが安定している場を「物質」と呼び、熱流束サイクルのパターンが不安定にゆらいでる場を「なにもない」といっているのです。真空にしても完全な無はありえないのです。なにもないように見える真空も、不安定なエネルギーレベルのゆらぎによって、沸騰する泡のように素粒子の生滅がくり返される騒がしい場となっています。

3.暗黒物質の正体:マイナスの質量をもった素粒子

計算上、銀河の外側の星は、中心から受ける重力だけでは考えられない速さで回転しており、その遠心力によって銀河はばらばらになってしまうとされます。このため、銀河の質量不足分を説明するために仮定された未知の物質が暗黒物質です。その正体は推論の域を出ず、物理学上の未解決問題のひとつとなっています。

そこで、お化け宇宙論では、マイナスの質量物の存在が予測されます。ここでの「マイナスの質量」とは、流束場において流束密度が逆向きの勾配を生む性質をもつ物質を意味します。マイナスの質量をもった物質は、流束密度が周囲より高くなる領域を形成し、周囲の流束場に対して正の圧力をもち、斥力を生じさせます。それにより、マイナスの質量をもつ物質は、通常の質量物とは異なり、周囲の物質を引き寄せるのではなく、むしろ遠ざける傾向を示します。

その性質として、正物質にとって負物質は圧力が高いため遠ざかろうとし、負物質にとって正物質は圧力が低いため近づこうとし、両物質が質量値が同じだった場合は追いかけっこ状態になります。両者の関係は力学的に不安定ですが、これはどちらか一方がもう一方を包囲するか、包囲されるかたちで安定することができます。

そして、散逸構造をもつネットワークは自己組織化にもなうエントロピー消費によって、エネルギーの散逸(熱流束の発散)を媒介するノードである負質量素粒子は時間の経過とともにその数を増大することができます。このことから負質量素粒子の雲と反重力的圧力は広く均質に分布しており、周りから圧力を加えて銀河や銀河の網の目構造を形成したり、また、密度を希薄化せずに銀河間の空間を押し広げる役割を担っていると考えられます。 

4.時間の正体:流束場の自己組織化にともなう量子もつれの生成の過程

執筆中。