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春について

悪口ばかり言う人たちが集う職場に勤めていたころ、通勤がすごく嫌だった。


そこにいない人がいれば、その人の悪口大会になり、大声で怒鳴られたり、地味な嫌がらせをされることもあったが、それが当たり前なんだと思うようになっていた。


冬が嫌いだ。
寒いからだ。

そんなある日、暖かい日があった。
そうか、春になったのか。
冬はいつか終わる。


春の訪れは驚くべきことだった。
比喩でもなんでもなく季節が変わった。
ひとつでもつらいことから解放されたことは大きな救いだった。

つらいことが当たり前すぎて麻痺していた。

春の訪れを泣くほど喜ぶ日が来るとは思ってもいなかった。
自分にも暖かい季節が訪れることはあるのかと本気で泣いた。

今は毎日がつらくて疲弊すると言うことはない。
胃腸炎になる回数も減った。



ありがたいことである。


早く春が来て欲しいと思って、ふと思い出したので日記に残そうと思った。


自分よ、きみはよくがんばっていたよ。
まだ、真っ直ぐ生きていたころの自分、本当に申し訳ない。
そして迷惑をかけてきた優しい人たち、本当にありがとうございました。
その代償なのか今は見事に何もなくなってしまった。


笑うしかない。


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