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私が理系を選ばなかった理由
私は数学が嫌い。
理科も嫌い。
小学生の時からずっとそう。
数字を見ただけで頭がクラクラしてきそうだ。数式を並べて計算していくのも、私にとっては苦手な作業であった。
だから私は高校も大学も理系を選ばず、文系の学科に入って学ぶことを決めたのだ。
数学や理科が将来の役に立つのだろうか。
当時の私はこう思っていた。
物理や化学、情報系の科目も全然できなかった私は、理系とは全く縁のない学生生活を送り、大学を卒業した後、母校に就職した。
その時に、自分が現在教授の助手として所属している学部が、バリバリ理系の分類になるということに気付いた。
デザインを作成してそれを基に造形していったり、建築材料の耐久性の実験をしたりするなど、自分が今まで学んでこなかった分野の授業を担当することになり、とても新鮮だと感じた。
一生懸命に目の前の課題に取り組む学生たちを見て、自分も数年前までこんな感じで苦戦しながら課題をこなしていたなぁと懐かしい気持ちになったし、「頑張れ!」と思わず応援したくなった。正直、今自分が勤務している学部での講義の内容は、文系の私からしたら意味が分からないのだが、新しいことを学ぶ楽しさはすごく実感できて、毎日面白い。
大学では、もちろん癖の強い教授もかなり多く、扱いが難しくて苦戦することもあるが、優しくて素敵な同期たちに恵まれ、暖かい環境でのびのびと仕事ができている。
それはとても幸せなことだ。
理科とか数学とかあんまりよく分からないけれど、苦手だと決めつけずに、少しずつ学んでいけたらと思う。
図書館司書を目指している私にとって、キャリアアップするためには情報系に強くなることは必要不可欠である。
情報系の資格を取得して、次のステップへ進みたいと思っている。
自分が今担当している授業を受講している学生は大学3年生だから、就職も見据えて、だいぶしっかりしていて頼もしいと感じた。
そんな学生たちが懐いてくれるようになったこともすごく嬉しい。
必要として、頼ってくれているのを実感できる。自己肯定感がちょっぴり上がる瞬間である。
建築や設計、実験の課題に取り組む学生たちとの会話は、とても面白く、刺激をもらえて新鮮だ。学生とは年齢がそんなに変わらないし、自分も数年前まで学生として大学生活を謳歌していたのに、社会人となった今では、学生を見ると、何だか幼くて可愛いと思ってしまうようになった。
面倒を見たり、世話をしたりするのが好きだし、苦ではないから、この仕事は案外自分に合っているのかもしれない。
1年生は真面目で大人しくてしっかり者の子もいれば、ちょっと手がかかる厄介な子もいるけれど、低学年ならではの可愛さが見られて、何だか微笑ましくもある。
私はここまで理系の科目が苦手で避けて通ってきてしまったが、社会人の最初の就職先で、まさか理系の学部を選ぶとは、高校時代の自分からしたら、想像もできなかったであろう。
でも、そこで思わぬ素敵な出会いもあり、今こうして毎日楽しく仕事することができている。これほど幸せなことはないと思う。
辛くて大変な時に励ましたり慰めたりしてくれた、優しくて素敵な同期たちには本当に感謝しかない。
家族や友人など周りの人たちへの感謝の気持ちを忘れず、これからも精進していきたいと考えている。