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デナリ国立公園の奥地で叫ぶ!アラスカ日記 〜第4話〜

自由な翼を手に入れた僕です。
なんか雄大な自然に囲まれてたらどうでも良くなった。どうにでもできるって感じです。とにかく動こう!能動的に止まろう!
心を入れ替えて楽しむことを最重要にしていくことにしました。

モリノキャンプ場

エントランスエリアにあるキャンプ場の名前がモリノキャンプ場。なんか日本語みたいで親近感があって楽しい時間を過ごした。

ドライブインまで歩いて食材や酒を買いに行ったり、途中でバカでかいムース(大角ヘラジカ)に出会ったり、日本人に出会ってアラスカの先輩のお話を聞いたりした。学生で来てたのは僕だけで、社会人になる心得やら就職したら休みが取れない。だから辞めてここまで来たんだとか、ワーホリがいいぞ!とか、みんなそれぞれの理由があって、アラスカが好きだって憧れてやってきた人ばかりでめっちゃ楽しかった。

今でも付き合いのある明大さんは野田知佑のユーコン漂流を読んでユーコンを一か月間、カヤックで下った猛者だった。すげー!ってなって色々聞くと「行けよ!大丈夫だって!」と無責任なことを言ってくれた。
ユーコンかぁー、星野道夫も漕いでたなー。いいなーと思ってこの時点では頭の隅っこに置くぐらいでしかいなかった。

ちなみに、アキさんの20年ぶりのアラスカ回想のインスタを見て、僕もnoteに書き出している
ぜひスミダ商店のインスタを見てほしい。超大作です。岡山の真庭でがんばってます。

彼の日記には僕のことは「ケンゾー」という名前で出てきていた。
誰やんねん!って笑ってたけど、ごめん!
僕の日記では
明大→岡ケン(岡山県のひとだったから)

すまん!ケンゾーの方が親切だったわ笑


おかけん


2021年に19年ぶりに再会!
岡山の真庭で八百屋してます。
スミダ商店


抽選会!


モリノキャンプ場でダラダラ過ごしながら毎朝きちんと起きるのだ。
毎朝あるデナリ国立公園の最奥部ワンダーレイクキャンプ場に向かうバスとキャンプ場の宿泊権を勝ち取るための抽選会が行われる。
そこで抽選もれすると明日まで待たなきゃならん状態が続くのだが、これがなんやかんやで当たる僕。

またデナリの麓のワンダーレイクキャンプ場まで行くことができた。
ボンネットバス、未舗装道路、5時間、ツンドラとタイガを全力で楽しめる。

公園へは、公園道路 (Parks Highway) からカンティシュナ (Kantishna) の鉱山キャンプへ続く148 km(92マイル)の道で行くことができる。永久凍土と周期的な凍結融解により道路を維持するのに巨額の費用を要するため、道路のごく一部(23.8 km)しか舗装されていない。個人の乗用車は、早春と晩秋しか通行が認められない。夏期は、観光客は営業許可を有するバスで公園内部に行かねばならない。

公園の全工程ナレーションつきのツアーがいくつかあり、最も人気があるのはツンドラ・ウィルダネス・ツアー (Tundra Wilderness Tour)である。ツアーは最初のタイガからツンドラを抜けて、トクラット川 (Toklat River) またはカンティシュナまでの行程である。冬はもっとよく見えるのだが、夏は約20%の確率でしか、デナリをきれいに見ることができない。道路は数箇所で数百フィートの落差がある切り立った崖のそばを走っているが、極限状態のためガードレールの設置が困難である。危険であり、ほとんどの砂利道は1車線しかないため、運転手は、急な山道のカーブを走行し、優先権のある対向するバスや公園の車に道を譲る手続きについて幅広く訓練を受けている。デナリ自体は、自動車で行くことはできない。道路は公園の東59 km(37 マイル)のところで終わっている。
Wikipedia

またずっと窓の外を見て楽しんだ。遠くに山並み、近くにツンドラ、低く垂れ込める雲、雨で湿った大地、ガタゴト揺れる車内、ドライバーのガイドトーク、1分1秒が貴重で、このためにここに来たのだと強く思った。
見かけは、おちゃらけてハイテンションな僕ですが、内心はずっと深呼吸をして生涯忘れまい、旅に慣れないようにと全力で此処を記憶に残るようにと風景や空気すべてを取り込もうと必死でした。

岡山県と兵庫県とデナリ

またワンダーレイクキャンプ場への宿泊権GETしました!!
テントを1張り分のチケット!
ま、ええやん!1人で行くより何人かで行こう!とモリノキャンプ場で仲良くなった岡山県を誘ってワンダーレイクキャンプ場へ!

なんで彼を誘ったのかはわからんけど、5歳年上のアキさんは落ち着いていた。
社会にやられたのか?ユーコンの旅が長すぎたのか?
翌年から始まる社会人生活に向けて、大人の話を聞いてみたいというのもあったんだと思う。
アラスカを旅していた僕はどこに行っても最年少だった。社会人になってから仕事を辞めた人たちがアラスカを旅していた笑
学生の僕をみんなが励ましてくれた笑
今になっておもう。学生時代って素晴らしい!でも社会人になるってのはもっと素晴らしい!!

ワンダーレイクキャンプ場 2nd

2回目となると落ち着いたもんで色々と落ち着いてみることができた。天気もGOOD!とはいえ曇り。

途中、通り過ぎたキャンプ場はオオカミがうろついてるということで閉鎖してました。

オオカミ!?!?

日本にはいないやつ。
アラスカに出発する前に六甲山でキャンプトレーニング(この六甲キャンプも面白かったんで、後述してます。)をした。イノシシの気配にビビってたけど、オオカミは集団で襲ってきやる。
勝てない。
とはいえ、大事な生態系の頂点。オオカミが日本からいなくなったのはバランス崩壊の王手だったと思う。

空を見上げれば、なんかデカい猛禽類が飛んでるし、マーモット(地リス)がたくさんいてるし、湖とか池にはビーバーが悠々と泳いでるし、本当に豊かな自然が残ってるんだと感じました。
地衣類や低木が大地を覆い、水たまりからたくさんの蚊やハエ、昆虫が発生し短い夏を必死に生きていました。
京都の美山、芦生の森に関わるようになって昆虫たちが自然界での役割を強く感じて頼もしく思うようになった。
植物、昆虫、鳥類、小動物、中型、大型、生産者、捕食者、分解者と複雑な関係性があっての目の前の景色にずっとうっとりしっぱなしでした。
害なすものってなんなんだろう?
人間が一番、役割から一脱してるんかもしれんなー。

マウントデナリ/マッキンリー山

兵庫県民としてはマッキンリーと聞くと植村直己さんを思い出す。
兵庫県といっても私は北摂出身。但馬の植村直己は程遠い存在ですが、やっぱり気になる山です。

山頂を拝めた!!奇跡!!

8月は雨が多く、山頂の遭遇は昨年で2回!!

ま、無理だろうなーと思いつつもコーヒーを飲みながら待つ。。。。。出ない。

デナリ山、標高は6,190mと独立峰としては世界一で北米大陸の最高峰。日本の富士山は3,776m。当然、デナリの方がデカい。

ワンダーレイクキャンプ場の炊事場横のテーブルで、見えそうで見えない山頂に向かって手を合わせ、出て、出て!拝む、拝み倒す、拝み散らかす。

今日のワンダーレイク発の帰りのバスは夕方にしてあるのでのんびりできる。

コーヒーが旨い。

「あぁー、見えないなー」と背伸びをして天を仰いだその時!!!

有り得ない高さに山頂が!!!!

うぉおおぉふほぉーーーー!!!!!!!!

富士山の2,500m上を想定していませんでした。

想像の上をいくとはまさにこのこと。
そこは、空でした。空に山頂がありました。

なんでかんでしょう???
思わず叫ぶ。

「万歳!!!」

昔、富士山山頂でご来光に出会ったときにオッサンが同じように叫んでたのを思い出しました。

とりあえずテンションはブチ上がりの錯乱状態。

周りにいた外国人もドン引きwww

Oh, we can see the peak of the mountain that’s amazying yeah dude!!!!!!

とか叫びまくってた。

あんなにデカいものを見たのは人生で初めてだったと思う。そして植村直己さんに想いを馳せて手を合わせる。たぶん日本人の全員が行ってる行為だと思う。

最高!

マッキンリートレイル

ひとしきり叫んで正気を取り戻した我々。
とりあえずどっかに行こう!と近くのトレイルを散策。
そこにあったのはマッキンリートレイル!
なんていい名前なんだ!

低木の茂み、ツンドラが溶けてぬかるんだ道、湿気を含んだ風、全てが最高でした。

小さな林を抜けると、そこにはマッキンリーリバーが等々と流れていました。
川の水に手をつけ、顔を洗い、何万年前の氷河から流れ出たであろう川の水に感動しました。
本当に冷たかった。
そして一気に寒さを感じて、生理現象に直結していきました。
トイレ大。
川にしてしまいました。

でもなんか、川の一部になった気分。
僕の分身は養分となりアラスカの大地に吸収されたのでしょう。

ブルーベリー摘み

ワンダーレイクキャンプ場の周辺は野生のブルーベリーがたんまりありました。
コレをひたすら積む。
口に入れながら、袋にパンパンになるまで摘みました。
コレを煮詰めて、砂糖とレモン汁を入れるとジャムになる。何瓶か作って持ち歩き、パンに塗って食べて旅の途中でずっと楽しみました。
旅の終盤には一か八かで日本に送って、帰国後も食べてました。
美味かった。
なんでしょねー、コレ以来、ブルーベリージャムが食べられなくなったんです。美味しすぎたのだと思う。
甘すぎず、スッキリした味わいで印象に残る味です。
味覚で思い出すアラスカの味ですね。

もう一度行ったらどうなるんでしょうか?

アラスカにいる頃、とても開放的で広い大地の中で自由だ!って思った。
今はどこか遠くに行かなければ自由を感じられないということはないと考えている。

しっかり生きることが自由なんだと思うようになった。

ワンダーレイクキャンプ場、今の自分がもう一回行ったらどんな気持ちになるんだろう。

おそらく変わらぬ風景の中、年を重ねた僕はこの頃のように純粋に感動して、かっこつけて笑えるのだろうか。
たぶんできると思う。

胸張って「いい人生です!」って言えるのはまだまだ先だろうし、言えないかもしれない。
でも、再びアラスカの地に足を下ろすことができたなら行きたいとこもやりたいこともできることももっとたくさんあると思う。
色々と経験は積んだ。スキルも上がった。
だからこの頃よりも効率良く器用に旅をすることができると思う。

でも荒削りな旅をしようとして、やっとできるんだろうな。

今の自分が21歳の自分に声かけるとしたら「よーいったな笑、ムチャクチャの準備不足やん!」って言うだろう。準備不足だから今できない楽しみ方を全力でしたんだろう。すごいよ、僕!

今は今で新しい受け止め方ができる気がする。

また行きたい場所です。

余談 Into the wild 
オススメ映画

原作はジャーナリスト、作家、登山家であるジョン・クラカワーによる、1992年に青年が放浪の末にアラスカで死体で発見された事件を描いた1996年のノンフィクション作品『荒野へ』。

監督は俳優のショーン・ペン。第80回アカデミー賞では助演男優賞と編集賞にノミネートされた。
Wikipedia

帰国後に何度見たか。
知らなかった物語。
何度見ても感じ方が変わる映画です。
複雑な心境に立たされる名作だと思います。

マジックバス142

デナリ国立公園の中にこのバスがあり、Googleマップでも確認できてました。
2020年、デナリ国立公園から米軍のヘリコプターによって撤去されフェアバンクスのアラスカ大学北方博物館に移設された。

第5話は、次の目的地を見つける内容です。
いざオーロラを見に行こうと!

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