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帰国して驚いた日本の些細なおもてなし精神6選
海外で買い物をしたことがある方は経験があるのではないでしょうか?店員さんの対応が雑であったこと。
私が住んでいたニュージーランドも例外ではありませんでした。これに対して苦言を呈する気はなくて、単に日本人的な「お客様は神様」という過剰な顧客ファーストの概念がない訳ですし、求められている仕事以上の事は、店側も顧客側も求めていないだけなので、初めこそ日本との対応の差に驚くものの、案外すぐに慣れるものです。そして自らが現地でアルバイトをするようになると、雑とはいかないまでも、かなりあっさりとした簡素な接客であったことは否めません。
そこでこの記事では、長年の海外生活を経て帰国した際に驚いた、世界に誇れる日本のお店での丁寧な対応を改めて振り返ってみます。
レジでお釣りを渡すときは両手
日本で暮らしていると、当たり前すぎて意識さえしません。お金は丁寧に扱い、お客様のお金であるお釣りは絶対に落とさないように丁寧にお渡しする。日本では接客の基本中の基本ですし、マナーとして刷り込まれています。些細なことですが、これは、世界に誇れる素晴らしい対応だと思うのです。
ニュージーランドにいた頃、お釣りを両手で渡されたこと、私はないです。イライラしている店員さんに当たると、ほぼ投げているかのような雑な渡され方をすることもありましたし、お札が皺くちゃだったり、渡す際に小銭を落とされたり、釣銭を間違えられることはしょっちゅう。現地で生活している頃はそれに慣れて、むむむ!となることも特にありませんでしたが、日本で買い物をすると改めて、全ての店員さんの質の高さを実感します。
お釣りをお札と小銭に分けて渡してくれる
これも、日本に住んでいると当たり前に感じますよね。お札入れと小銭入れが分かれているお財布構造がほとんどですので、そのお財布にお金を戻す手間に先回りして配慮する、素晴らしい気遣いの対応です。
ニュージーランドにいた頃は当たり前にすべてまとめて渡されていたので、お札スペースと小銭スペースを両方開けてお釣りを待つか、まとめて渡されたお釣りをこちらも片手で鷲掴みにして後程仕分け、という具合だったので、久しぶりの帰国でお釣を受け取る際、先にお札だけを渡され「あれ、、、(小銭は?)」と言ってしまいました。それと同時に、日本に帰ってきたのだなぁと嬉しい気持ちになったことを覚えています。
レジ袋の持ち手をねじる
コンビニ、スーパー、飲食店のテイクアウトなどでよくしていただきますが、ねじるまではしなくても、二本の持ち手を両手でまとめながら持ちやすいように差し出してくれる所がほとんどです。これも持つ側の人に配慮した、非常に細やかな思いやり溢れる日本らしい心遣いですよね。
そのまま渡されても特に不便はないけれど、少しでも相手が心地よい方法で接しようというおもてなし精神にいまだに感動してしまいます。
買った服は丁寧に畳んでくれる
高級店では違うのかもしれませんが、ニュージーランドでは服を買っても丁寧に畳んでくれることはありませんでした。適当に半分くらいに折るか、ほとんどの場合そのままぐちゃっと袋にin。これも日本人的感覚からすると初めはとても驚いたのですが、畳んでも袋に入れたらどうせぐちゃぐちゃになるもんね、とそのうち全く気にならなくなっていました。
ですので久しぶりの日本で服を買った時、お店に陳列するかのごとく綺麗に畳んで、時には透明な袋にまで入れてくれるサービスに恐縮してしまいました。ですがやはり気持ちの良いものですし、その服を大切にしたくなりますよね。これもより良い接客を目指す日本の素晴らしいサービス精神です。
レジの列が少しでも長くなると他のレジを開けてくれる
特にコンビニやスーパーで、少しでも列が長くなると、たとえ品出し中であっても他の従業員の方が来て他のレジを開けて対応してくれることがよくありますよね。館内放送でレジ要員の要請を呼びかけることも。お客様を待たせてはいけないという考えが根付いていて、少しでも快適に買い物をしてもらおうという共通の意識がある国は、世界的に見ても少数派なのではないでしょうか。
その丁寧な接客に慣れすぎていると、レジで長時間待つことについストレスを感じてしまうこともあるでしょう。日本人は忙しいですし、何事にも効率を求める真面目な民族ですから、いつの間にかお店側に求めるものも大きくなりがちですが、一度世界に目を向けると、日本のサービスがいかに上質であるかに気づかされます。
ちなみに、ニュージーランドではスーパーで長時間並んだ挙句、レジのスタッフの勤務時間が終了するという理由などで目の前で「Close」の札を置かれてレジを閉められたことが何度もあります。笑
「え?」とは思いますが、慣れれば、そんなこともあるよね、と思えるのでストレスは小さなものでしたし、働く側にとってもストレスがなくて、意外と悪くないのかもしれません。
飲食店でスタッフが大きな音を出してしまったら謝る
飲食店のスタッフさんが、作業中に何かを落としてしまったり、大きな音を出してしまった時、その本人だけではなく、他のスタッフさんまで「すみませんでした!」と大きな声で謝りますよね。こちらとしては、全く気にならない場合がほとんどなのですが、お店側からすると、食事中のお客様が不快に思う音を出してしまったということに対する謝罪な訳で、それも全ては「お客様に快適にサービス受けていただきたい」という日本のおもてなし精神なのでしょうね。
他にもまだまだありそうですが、今回は以上の6つを例にあげてみました。良くも悪くも細かいことは気にしない文化のニュージーランドでの生活に慣れてしまうと、日本の細やかな心遣いに逆に驚くことも多かったですが、帰国から10年経った今思うのは、やはり日本のサービスやおもてなし精神は世界に誇れるものであって、その証拠にたくさんの訪日外国人が日本のサービスに感動しているのです。
今となってはすっかり日本での生活に染まりきっている私ですが、日本でのサービス業を経験した上で、やはり丁寧な接客をされて嫌な気持ちになる人はいないですし、ならばより丁寧な方を選んで実行しようという日本の考え方は大好きです。
将来娘たちがどこの国へ行くことになろうと、その前に少なくとも日本のおもてなし精神は身に着けてから羽ばたいてほしいものです。