Prologue- プロローグ-
初めまして。元おちこぼれ留学生の木川つきです。
現在2児の母をしながら、元おちこぼれなりにも留学経験と英語を活かしてフリーランスフォトグラファーとして働いているのですが、実は最近まで、自分でも解明できない謎のモヤモヤに苛まれておりました。
家族に恵まれ、仕事でも委託者に恵まれ、好きなことを無理なくさせてもらっている幸せな環境の中にいるのに、胸の奥に常にしぶとく何かが引っかかっていて、何年も何年も答えが出ないまま、闇雲に自分や家族、仕事について模索しては、思考が何周もして結局空しくなってしまうのです。
そんな中つい最近、本当にふと、いつもは見えないところに置いたまま全く使っていないハードディスクの存在を思い出したのです。どんなデータが入っているか、全く見当もつきませんでした。
ちょうど仕事も落ち着いていて時間があったので、眠っているデータの整理でもしようと思い立ち、何年かぶりにそのハードディスクを開いてみると、そこには年ごとにまとめられてさえいるものの、整理されずに散らかったままのニュージーランド時代の写真が入っていました。綺麗に撮られているニュージーランドの風景写真はきちんと整理していたのですが、そのハードディスクには、それ以外のほぼすべての写真もそっと残されていたのです。
語学学校時代や現地の美術学校時代のまだ田舎臭くて見るもの恥ずかしい写真。使用カメラも、コンパクトデジカメで撮った写真、初めて親に買ってもらった初心者用一眼レフで撮った写真、中古で買った古いフルサイズ機で撮った写真、とにかく全てです。
タイムカプセルを開けたような、恥ずかしくて見たくないけど、やっぱりちょっと思い出したい、そんな少し胸がキュッとなる複雑な懐かしさで溢れていたのでした。
そんな思い出の欠片を一枚一枚仕訳けたり、綺麗に編集し直したりする作業を何日かゆるりと続けながら、ふと、こんな美しい景色や貴重な経験を形に残してどこかの誰かの為になればなーと思うと同時に、霧が晴れていくように気持ちが解放されていくのを感じたのです。
なるほど、なんとなくわかったぞ。
思い出は何かしらの目に見える形で残したい病の私は、ニュージーランドで過ごした約8年間の貴重な経験の数々が、どこにもきちんと記録されずに、「そんなこともあったなー」という程度の薄い思い出として私の脳内にだけ存在していることに対して、「もったいない」という感情で作り出されたモヤモヤを抱えていたようなのです。
特に、落ちこぼれだった美術学校時代の3年間の思い出は、私の中ではちょっとした暗黒期のようになってしまっていて、普通に考えたら人とは違うただただ貴重な経験だったにも関わらず、記録に残すどころか、これまで思い出しそうになっては恥ずかしくて記憶にフタをするという、なんとももったいない事を自らしていまして。
大変だったり悔しかった経験、大した作品も残せなかった後悔や努力しきれなかった後悔、苦労したのに自分の中に何も残らなかった恥ずかしさ。9割ローカルの学校に、たった1人の日本人として飛び込んだのに、それを武器にもできず、さらには英語だってネイティブレベルにまでは成長しなかった。
でも、落ちこぼれだったこの時期の経験こそ、受け入れて誇る価値があるんじゃないか。今の私を作る重要な柱の1つなのに、その存在を無視していたから、気持ちがなんとなくグラグラしていたのではないかと、腑に落ちたのです。
付随する思い出は今もなお人生を彩ってくれている訳ですから、この暗黒期に素直に価値を持たせさえすれば、私の過去のニュージーランド生活は全て曇りなき美しい経験談として発信できて、尚且つ好きな書くという作業でストレス発散、私が見てきた美しい景色をたくさんの人と共有できる喜び、記憶が整理されてすっきり、長年のモヤモヤの成仏。良いことばかりではありませんか。
と、こんな経緯で始めるnote。
留学や海外経験のカテゴリーと言えば、キラキラしたエピソードで固められがちなSNSですが、このアカウントでは暗黒期の苦い思い出も後悔も苦労話も恥ずかしい話も記事にして、誰かにとっての「しくじり先生」になっても面白いかなと思っています。
そしてそれと並行して、ニュージーランドのただのほほんとした雑記やエピソードや、本業の写真のこと、たまーに育児や自分の雑念も気まぐれでアップしてみようかと思います。
主に書いていこうと思っている内容をまとめてみました。
これが今の自分を構成しているピースの全てかもしれません。
ここに様々なエピソード、知識、経験、雑念を楽しくまとめていきながら、人生の価値をアップデートしていこうと思います。そして、新たに芽生えた目標である「プロのフォトグラファーとして再びNZの地を踏む」を必ず叶えて、落ちこぼれだったけどちゃんと専攻を本業にしたぞー!と、元落ちこぼれのレッテルを自ら剥がして美しい湖にでも投げ捨てたいと思います。
実はサブコンセプトもあります。良かったら見てみてください。