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ゼロで死ねるか

 ちびちび読み進んでいた「DIE  WITH ZERO」を読了。
 筆者ビル・バーキンスがかなり金銭的に恵まれている人なので、自分に当てはまらない面も多いのだけれど、むやみに貯めこまないという思想は理解できる。人生という限られた時間の中で、いかに充実した思い出を作って死ねるかが、豊かな人生を生きるということだと著者は言っている。
 充実した思い出を作りゼロで死ぬためには、60歳までには資産を取り崩した暮らしを始めるべきだ、という。高齢になるほどに思い出作りは難しくなる。楽しむなら早いうちだということ。
 そんなの、老後資金の不安から継続雇用を選ぶ人の多い日本人にはなかなか取り入れられない考え方だ。特に非正規雇用で生きてきた人は死ぬまで働かなければならないと考えざるを得ない。
 それでも、できるなら会社人生だけで終わりたくないと、この頃痛切に思うようになった。日々、自分はもうこの職場で必要のない人間なのだろうなあと感じているせいもある。セカンドキャリアを考えようと改めて思わせてくれる本ではあった。

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