元大阪地検検事正北川健太郎被告(65)による同僚女性検事への性的暴行事件を報道で知ってから、そのパワハラ男の支配的な犯罪行為への怒りが頭から離れない。被害者はよく生き延び、起訴にこぎつけたと思う。彼女のプロ意識と冷静な判断力、勇気には敬意しかない。 先日のポリタスTVでも取り上げていたが、これは検察という絶対的な権力を持つ捜査機関の幹部による前代未聞の犯罪。メディアは検察の中で何があったのかをもっと深掘り取材してほしいものだ。 それにしても組織のトップが犯罪者、あるい
女性の少ない職場で30年以上働いてきた。セクハラ、パワハラを我慢するのが当たり前の職場だった。 女性が増えればこの男社会の文化は変わるのかな、女性が増えたら仲間が増えて働きやすくなるのかな、と期待しながら働いてきた。 そして今、新入社員の半数は女性になった。管理職になる女性も増えてきた。 でも、何だろうな、この分断された空気。相変わらずの男社会。パワハラもセクハラも減らない。 男社会に認められた女性だけが名誉男性になれる組織。名誉男性を目指す女性たちと、一方でケア労
先日も会議で年下の同僚に小馬鹿にされた。こんな定年間近のベテランを素人扱いする見下したものの言い方するんだよなー。マンスプレイニング。会話にならない。 小馬鹿にされるのは若い頃から慣れてはいる。ずっと組織内アウェイに置かれていたから。ただ年を重ねるごとに互いを格付けし合うのがあからさまで、ほんと態度が失礼だと感じることが増えた。 でもこの組織にいるのも春までだから、と考えると、退職できるのが心底うれしいし、不愉快なこともやり過ごすことができる。OKOK。 というより、
キャリアの下降と向き合った時、もう自分は必要とされていないのだと実感する時、心は沈む。今週末はまさにそんな感じで何をする気力も出なかった。天気も良くなかったし。 積ん読消化にあてた休日。これが思いの外良かった。 「人生後半の戦略書」。xで津田大介さんが薦めてた本だ。 人の知能には「流動性知能」と「結晶性知能」があるという。 「流動性知能」の発達は40代以降下降線をたどる。どう頑張っても若い世代の俊敏性、柔軟性をもつ知能に追いつけなくなっていく。50代にもなれば会社
職場がフリーアドレスのオフィスになった。大部屋にみっしり机と椅子が配置され、自席を持たない社員が空いてる席を確保してPCひとつで仕事をするというコンセプト。 ただ、部署ごとに大体のエリアを決めている。部署エリアでは全員分の席がないので、他部との共用スペースにある席が早いもの勝ちの取り合いになる。初日はその場所取りでオフィスにギスギスした空気が流れた。何しろ1人当たりのスペースが狭い。とはいえ場所が必要な仕事もあるから部署同士がせめぎ合う。 その初日のギスギス感に嫌気がさ
ちびちび読み進んでいた「DIE WITH ZERO」を読了。 筆者ビル・バーキンスがかなり金銭的に恵まれている人なので、自分に当てはまらない面も多いのだけれど、むやみに貯めこまないという思想は理解できる。人生という限られた時間の中で、いかに充実した思い出を作って死ねるかが、豊かな人生を生きるということだと著者は言っている。 充実した思い出を作りゼロで死ぬためには、60歳までには資産を取り崩した暮らしを始めるべきだ、という。高齢になるほどに思い出作りは難しくなる。楽しむ
メンタル不調の人や働き方に配慮を求める人が集まる職場というものがある。能力主義の組織ではエリートと非エリートに分けた上に、事情があってフルに働けない人を格下の部署に集めるのだった。 そういう職場ではケアが必要だ。できない人弱い人をなるべく傷つけずに、その人なりに働いてもらう。それが大事だと思ってきた。 けれど、成果を求められる職場でのケアというのは難しい。上からさまざまな圧がかかる中で、傷つけたくなくても傷つけてしまうことが多々あった。 メンタル不調の人に働いてもらう
最近またセクハラ案件があったらしいと聞こえてきた。同じようなことがずっと続いており、学習しない組織だなあと思う。 そんなホモソ社会に30年以上身を置いてきたわけだ。 自分も若い頃はセクハラ、パワハラに耐えしのぶ日々だった。転勤してやっとセクハラ男と離れられ、そんな経験を周囲の人に話したり、そいつと二度と同じ職場にしないでほしいと人事希望に書いたりしたけど、割を食うのは自分だった。セクハラ男の方が組織内発言力は大きいので、干されるのはマイノリティである自分の方なのだった。
3連休はそれなりに有意義に過ごし、リフレッシュしたはずなのに、なぜ明日会社行きたくないんでしょうねえ。あと半年なのだから淡々とこなせばいいでしょうに。 仕事そのものが嫌というわけでもないのに。このサザエさん症候群(休み明けを憂鬱に感じる)の気分はなぜなんだろう。 何が嫌って、見下される扱いをされることなんだろうなあ。社内カースト制でもあるかのように、こいつは軽んじていいという態度をあからさまにするボーイズクラブの人たちは年齢関係なくいるもので。それは女性も同じで、自分は
数年前、楽しく仕事したいんです、と話していた新人記者が退職していくのには1年もかからなかった。楽しくなかったのだろうな、と思う。 先日、やりたいことができなくて毎日が苦役なのです、と話す若手記者に会った。嫌なサツ回りをさせられて他社より半日早く情報を得るゲームに楽しみを見出せず虚しいという。 苦役。そうだろうな。30年以上も勤めてきて、仕事が楽しいと思ったことなどあっただろうかと振り返る。あったのかもしれないが、悩んでいる時間の方が多かったし、食べていくために上から命じ
https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/report/2024/pdf/insight-jp240829.pdf 「単身世帯化の日本経済への影響 FIRE願望と結びつくと人手不足は深刻化」というみずほリサーチ&テクノロジーのリポート。 まさに。単身者は継続雇用に進まなくはならないという切実さがない。社会との接続は大事だけれど、生活のためだけに居心地の悪い組織で我慢する必要はない。 短い人生。体力のあるうちに、今できることをしてお
退職したら、大学で心理学の勉強し直そうかなあ、とも考えて、卒業大学から成績証明書を取り寄せた。 あ、ダメだわ。 どうにもギリギリで卒業したっぽい単位数。可が2つ。優より良の方が多い。 そうだよ、私は勉強そんなに好きじゃなかったよ。だから専門に進まなかったんでしょ。と、ようやく思い出した。 公認心理師の資格を取るには最低でも4年。そこからどう人生に生かせるのかも全くプランが立てられない。暇つぶしのために大学で勉強するにはモチベが保てない気がするぞ。よほどの強い
先日、飲み会で退職後に新聞を購読するかが話題になった。 「幣紙はとる必要ないな」 「日経かなあ」 「1周回って読売かな」 こんな感じ。退職後は長年勤めてきた自分のところの新聞はとりたくないという声が強かった。 なぜか。 裏側をいろいろ知っているので、社内政治や新聞の欺瞞にうんざりしちゃっているせいかなと思う。 新聞離れは業界内にも広がり、若手中堅の離職、中高年のモチベ低下が進行していると実感する。残念ながら。
絵本作家ヨシタケシンスケさんは「微うつ」歴50年とか。自分の気分の上下を自覚しているので、うつ気分を飼い慣らして生きてきたという。けれど、今年春に初めて心療内科に駆け込んだそう。 その兆候は昨年からあったという。 「昨年、ひとりになった途端に、理由なく落ち込みのスイッチが入るようになりました。 例えば、息子を塾に迎えに行く車のなかで、急に涙がこぼれる。疲れているとか、イヤなことがあったとか、食べ過ぎて胃もたれしているとか。理由を探しても思い浮かぶことが見あたらないの
もう30年以上前に卒業した大学で心理学科専攻だった。 仕事は心理学とは関係のない道を歩いてきた。 まもなく退職という時期になって、 職場でやけにメンタルを病んでいる人や能力主義に傷ついたりしている人が多いことを実感して、再び心理学やカウンセリングを勉強したいモードになっている。 世はリスキリングやシニアの学び直しといったムーブメントもある。 せっかくなら心理の資格も取得したい、と考えて公認心理師や臨床心理士の情報を集めている。 出身大学に問い合わせたところ、昔
会社勤めが10数年を過ぎたころ、職場でとてもうんざりすることがあった。男社会に合わせることに疲れて、この先仕事を続けるモチベーションが保てないような気がしていた。 憂うつな気持ちを抱えて書店をさまよい、さまざまな本を読んだ。出会った本の一つが「日々是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ」(飛鳥新社)だ。茶道を25年続けているというフリーライター森下典子さんのエッセーだった。 森下さんの師匠「武田のおばさん」のたたずまいに心引かれた。昭和7年生まれで、若いころからお茶を