デモッソの年ッソ

 またしても内輪ネタの解説である。

 「~っそ」、あるいは「~ッソ」を語尾に付けることが、ごくごく一部の友人間で流行っている。というか1年半以上の間に渡って流行り続けている。これを付ける言葉は動詞でも名詞でも形容詞でも何でもよく、例えば「夏は暑い」であれば「夏っそは暑っそ」となる。

 この一体何が面白いのか分からない語尾がなぜ流行りだしたのかというと、発端は一昨年のクリスマスに「デモッソの年」でやたら盛り上がったことである。
 そもそも「デモッソの年」とは何か。これは「赤鼻のトナカイ」の「♪でもその年のクリスマスの日~」という歌詞を「♪デモッソの年のクリスマスの日~」だと思っていた、というネット上でたまに見かけるネタである。一昨年、このネタが妙なツボに嵌ってしまい、友人同士でやたらデモッソデモッソ言いまくっていたところ、徐々に「~ッソ」だけが語尾として独立していったという訳である。

 このデモッソ派の友人同士で会うと、会話が大抵無茶苦茶なことになる。「おはよう」は「おはっそ」、「ありがとう」は「ありがっそ」、「すごい」は「すごっそ」となる。友人のうち1人が、トイレに行きたくなる度に毎回「おしっそ」と報告してから行く、などという事象も発生していた。何なのか。
 会話内に頻出する言葉としては、「つらっそ」「ひどっそ」などがある。常につらいとかひどいとかネガティブなことばかり言い合う間柄なのだということが分かる。

 「~ッソ」や「~っそ」を付ける言葉は何でもいいと書いたが、どうしても合わないものもある。例えば最後が「ん」で終わる語は、発音しづらいためあまり使われない(例:パンッソ)。
 一時「~ッソ」「~っそ」が合う言葉探しで盛り上がっていたことがあり(今でも地味に盛り上がっているが)、「どじょっそふなっそ」「たべっそどうぶつ」「ハーゲンダッソ」などの佳作が生まれた。「たべっそどうぶつ」に至っては、もはや「~っそ」の付く場所が語尾ではなくなっているが、そもそも「~っそ」自体が架空の語であり、語尾に付けるというルールも架空のルールなのでどうでもいいのだ。我々は虚無をネタにして虚無を作っては喜んでいる。

 こんな極度に無意味なネタで1年半も盛り上がり続けているのは狂っているとしか言いようがないが、最近徐々に「~っそ」使用者が増えていっているようである。といっても3人だったのが5人に増えた、程度の拡がりだが。この文章を最後まで読んでくれた人も良かったら使ってっそ。

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