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秋の訪れ

寒露|菊花開
令和6年10月17日

キンモクセイの香りが今年もやってきた。毎年、秋が来たなぁと思うのはマツタケでもひやおろしでもなく、このキンモクセイの甘い香りだ。夏はエネルギーの流れが激しく、交感神経が優位になっている。この過敏になった交感神経を鎮めて、自律神経に訴えかけてくるのがキンモクセイの香り。それは自分にとって、静かな秋の訪れと同義である。この甘い香りを嗅ぐと、さっきまで存在しなかった穏やかな秋風をはっきりと感じるようになる。

実りの秋である。先週末、コヨムのS.F一家に会いに山梨へ行ってきたが、いたるところで田んぼの真ん中に稲架掛けを見かけた。夕方には早くも薄暗くなり、少し肌寒くなってくる。夜には七輪で秋刀魚をご馳走になった。こうなるともう確実に秋である。そして、今年ももうすぐ終わりを迎えるということに対して、なんとなく寂しい気持ちになる。

そろそろ、一年を畳み始める頃だ。会社員に戻り、東京に戻り、久しぶりに全力疾走をした20代の終わり。振り返りの期間は長めにとってみよう。

-T.N.

菊花開

キクノハナヒラク
寒露・次候

金木犀の名の由来は、原種である銀木犀​​の花が白(銀)色に対して、キンモクセイの花は黄(金)色だから、ということらしい。じゃあなんでギンモクセイは銀木犀なのかというと、樹皮が動物の犀(サイ)の肌に似ているからという。この美しい香りの花に比して、だいぶ頼りない物語ではなかろうかと思うが、結果的に美しい名前に落ち着いてよかった。

参考文献

公益社団法人日本薬学会, 薬学コラム 生薬の花 キンモクセイ, 閲覧2024年10月17日


カバー写真:
2024年10月15日 山梨トリオ。マイハートが美味


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秋の訪れ
https://coyomu-style.studio.site/letter/kikunohana-hiraku-2024


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