散文 うのはなとしんごう
時、トツトツと
キャップには誰かの使用言語が書かれている
車はコツコツ鳴る
和気あいあいと音楽が喋っているのを聞いているけど、君は他人でしかないね
笑う空をソリで駆け抜けたあの犬を田んぼに落とした
連続殺人鬼は霧立のぼる境内の中で眠っている
煌めいた人間の煩悩は野球のボールになった
バカバカしくて緑が泣いた
山の色がトンカラトンカラ変わっていく
傷が消えたあの川は赤くなった
黒いジャンパーの行く末は、コンクリートの中に
神達が駒をしたから地球は回っているのって言った少女は三叉路で倒れてた
ガソリンスタンドの痛みが肘に来て、青タンは黎明とは違ってた
グリグリと包まるきゅうりを押し出して、貝、無い、ねえ、春先。
キツツキの名前、ミミズの死体、涙
月を燃やした犯人はマスクの中で死んだって
いっぱいいっぱいのマンションの憂いはメガネの鼻パッドにしか共感できなかった
ぬるぬるとイキった猫の声
パラパラと零れる夕焼けはあの子の頭皮の色を変える
ジャスミンが体を駆け巡るとき、街の灯りは消えた
工場長は机に座り三年前の余韻に浸る
僕はもうここにはいれない
君ももう羽ばたくことをやめた
潜ることをやめた亀は進化と言われるのにね
ピザの触感に取り憑かれ、草を毟る
土の中の玄人に無視されて怪しい匂いを漂わす人モドキは純粋であった
パーキングに停めた夢の料金は580万円を超えている
電信柱のノイズを愛する人に会いたい
空はグレー
ぐらぐらと空はグレー
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