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今更聞けないマーベル映画【アイアンマン2】ネタバレなし解説

ヒーローの非情な宿命。スタークの覚醒の第二作。
前作のヒットを受けて制作されたアイアンマン三部作の二作目。ニック・フューリーやナターシャ・ロマノフをはじめとする橋渡し的な存在の本編出演によって、ここから他作品とのクロスオーバーが本格化していきます。
本編はというと、アイアンマンの意外な弱点とトニー・スタークの苦悩が痛々しく描かれています。
その描写は非常に人間臭く、彼が完璧人間でないことを再確認できると同時に、単独で前線に立つスーパーヒーローを支える存在にも注目です。

恒例のブラックバージョン…?

作品情報

  • 公開:2010年

  • 順番:3作品目

  • 時系列:4番目(アイアンマンの次)

  • フェーズ:1

  • 上映時間:124分

  • 登場ヒーロー:アイアンマン/ウォーマシン/ブラック・ウィドウ

  • 監督:ジョン・ファヴロー

  • 見た方がいいレベル:★★★★★

  • 次回作:マイティ・ソー

あらすじ

アイアンマンの初陣から半年後、アメリカ軍はスタークを呼び出し、個人が所有するには行きすぎた兵器であるアイアンマンスーツを軍に引き渡すよう要請するもスタークはこれを一蹴。ローディの板挟み生活が始まる。
スーツを提出しなかったのには理由があった。アークリアクターの動力源は人体に有毒なパラジウムという物質。これがスタークの寿命をぐんぐん縮めていた。
スタークは社長の任を秘書のペッパーに託し、新しい秘書を雇って新たなスーツ作りとパラジウムの解毒方法の模索に没頭する。
しかしどんな技術を用いても侵食を止められないことがわかったスタークは自暴自棄に。勝手に出張先の自動車レースに出場したり、アイアンマンの姿でパーティー開いちゃったり、ドーナツの上でドーナツ食べちゃったりやりたい放題。流石の親友ローディもブチ切れ案件で大ゲンカ。
数少ない友達や恋人に愛想を尽かされてボーッとしていたスタークの前にS.H.I.E.L.D長官、ニック・フューリーが現れ、症状を一時的に緩和する薬を投与する。
「まだお前には試していないことがある。」
そう言い残すとニックはトニーの父親、ハワード・スタークが科学者になるであろう息子に残したというトランクを置いて立ち去る。
父親は自分に興味が無いと思っていたトニーは面食らいながらも、父の残した痕跡を辿って状況を打破する方法を探し始める。

重要人物とキーアイテム

ハワード・スターク【人物】
トニー・スタークの父親。
スタークインダストリー創設者にしてS.H.I.E.L.D.の創設メンバー。
今作でメンタルがズタズタになったトニーに大きな影響を与える他、「キャプテン・アメリカ」にて超重要人物となるため覚えておきましょう。

ニック・フューリー【人物】
眼帯と黒のロングコートがトレードマークの黒人男性でS.H.I.E.L.D.の長官。
老化を遅らせる薬を打っており、かなり前から活動していた模様。
今後とにかく色んな作品の色んな場面に出てきます。

ナターシャ・ロマノフ【人物】
偽名を使ってスタークインダストリーに潜入したS.H.I.E.L.D.のエージェント。ニック・フューリーの部下でトニー・スタークの観察・監視を命じられている。
コードネームはブラック・ウィドウ。

スターン上院議員【人物】
トニー・スタークを軍事委員会に呼び出してアイアンマンスーツを軍に渡すように言ってきた政治家。
喋り方から何から全体的にねちっこい。
作中の扱いはまさに噛ませ犬でしたが、とりあえず存在だけは「ウィンター・ソルジャー」まで覚えておきましょう。

ウィップラッシュ【敵】
本名はイワン・アントノヴィッチ・ヴァンコ。
アイアンマンと同じアークリアクターと似た装置を胸につけており、電気を帯びたムチを振り回す。
その正体はソ連に強制送還されたパワードスタークの共同研究者の息子。
父の無念を晴らすためにテン・リングスの協力を得て渡米。

ウォーマシン【技術】
前作で作られた銀色のアイアンマン(マーク2)を元に軍によって改良が加えられたローディ専用のパワードスーツ。
アークリアクターがなくても動くように改造されていてスターク以外も装着が可能。

覚えておくべき伏線

まずなんと言ってもニックとナターシャの本編への登場でしょう。
ニックは前作のエンドロール後に姿を現してましたが、今作でやっと人物像が明らかになり、これによって物語はアベンジャーズへと向かい始めます。
次にトニーの父親、ハワード・スタークは「キャプテン・アメリカ」で非常に重要な役として登場します。晩年の彼の姿を覚えておくと、後々グッとくるシーンが増えるかもしれません。
そしてエンドロール後に映る地面に突き刺さった巨大なハンマー。これは次回作が「マイティ・ソー」だということを示唆しています。

個人的おすすめポイント

今回の注目ポイントはズバリ「アイアンマンスーツの進化」です。
前作でプロトタイプから飛躍的に進化してカッコ良くなったスーツですが、トニー・スタークはそこで満足するような男ではありません。
更に改良に改良を重ねてスーツケース型の携帯用スーツ(マーク5)や、巨大なスーツ装着装置など、斬新で魅力的なガジェットが目白押しです。

また、個人的なMCU作品の魅力の一つに「大ピンチなのになぜか笑えるシーン」というものがあります。
今回はモナコでの戦闘時にスタークにペッパーとハッピーが携帯用アイアンマンスーツを届けるんですが、暴れる敵に邪魔されてことごとくスタークがスーツを受け取ることができない。一見するとグッダグダの場面がやけに笑えてしまって何度も見返してしまいました(笑)
ドタバタコメディシーンなのに本人たちはいたって真面目でとにかく必死なのが逆に面白い、今作おすすめのシーンです。

どこで配信されてる?

ディズニープラスで独占配信中
このアイアンマン2からようやくディズニープラスの見放題で全編見ることができるようになっています。
逆に他のサブスクでは無料で見ることはできず、課金してレンタルすることしかできません。

まとめ

王道のヒーローらしく無いヒーロー像が魅力のトニースタークですが、今回はそんなアイアンマン3部作の中でもかなり正統派なヒーロームービーに仕上がっています。
同時にアベンジャーズへの入口とも言える作品なので前作同様、後の作品を楽しむためにはかなり優先度は高いかと思います。

大きな伏線の数は少ないですが、細かい部分に目をやると1回見ただけではわからないような小さな伏線がいくつも張り巡らされているのがこの映画の特徴。
ハワード・スタークが残したトランクの中にはキャプテン・アメリカのコミック本が入っています。
終盤のシーンでスタークとニックが話している部屋のホログラム映像に表示された世界地図には「ブラックパンサー」の舞台となるワカンダ共和国の場所にマークが付いています。
更に同シーンで流れているニュース画面では暴れているハルクが写っており、「インクレディブル・ハルク」の物語がほぼ同時進行で進んでいることがわかります。
さらにさらに、今回のヴィランにパスポートを渡した人物は前作にも出てきたテロ組織「テン・リングス」の工作員。この組織は次の「アイアンマン3」にも出てきます。
事細かに覚えておく必要はありませんが、この時点で相当設定が練られているのはさすがですね。

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