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今更聞けないマーベル映画【インクレディブル・ハルク】ネタバレなし解説

色んな意味で2作目。異例の早さのリメイク作品。
アイアンマンからわずか3ヶ月、MCUの2作目が公開されました。
当時何がびっくりしたって2003年に1度ハルクの実写版が公開されていたんです。しかし評判はあまり良くなかったようで、前作アイアンマンと同じ世界を舞台とした新作として新たに製作されました。
リメイクとしてはかなり短い間隔ですが、それくらいにMCUの今後にとってハルクというヒーローは必要不可欠なものだったのでしょう。
というわけで今回は「インクレディブル・ハルク」の紹介です。

バナー博士、雰囲気変わりました?

作品情報

  • 公開:2008年

  • 順番:2作品目

  • 時系列:5番目(アイアンマン2とほぼ同時進行〜少し後)

  • フェーズ:1

  • 上映時間:112分

  • 登場ヒーロー:ハルク

  • 監督:ルイ・レテリエ

  • 見た方がいいレベル:★★★★☆

  • 次回作:アイアンマン2

*順番は映画の公開順、時系列はMCU内の時間経過に沿った順番。いずれも長編映画を対象としておりドラマ作品はカウントしていません。
見た方がいいレベルは後作品への影響を元に主観で5点満点で付けてます。

あらすじ

軍からの依頼で第二次大戦中に開発が中止された「超人血清」の研究をしていた天才科学者ブルース・バナーは、自身を非検体にして行った人体実験で不完全な血清を使ってしまったばかりに失敗。緑色の大男ハルクに変貌してしまった。
その超人的な力は制御不能。実験場で大暴れした結果、彼女を怪我させるわ軍には追われるわでアメリカからブラジルに移動し潜伏。ジュース工場でアルバイトをしながらなんとか力をコントロール、また治癒する方法を模索していた。
ある日、工場で怪我をしたブルースの血液がジュースに混入。それを飲んだアメリカの老人が死亡する事件が起こった。ブルースの血液は実験で使われた高濃度のガンマ線(放射線)で汚染されていたのだ。
一連の事件からジュースの出荷元を割り出した軍はブラジルに上陸。
バイト先の工場で追い詰められたブルースは強制的にハルクに変身。乗り込んできた兵士のほぼ全員を殺害。後戻りできなくなる。
「これはもう体質ごと治すしかねぇ」となったブルースは以前からネット上で相談していた科学者を訪ねるためにアメリカへ帰国。
しかしすぐにS.H.I.E.L.D.によって相談先の住所は割り出され、なんかハルクっぽい別の怪獣も出てきてもう大変。

重要人物とキーワード

ブルース・バナー【人物・主人公】
博士号を7つ持つ天才科学者。心拍数が1分間に200回を超えるとハルクに強制的に変身してしまうため、常に腕には心拍計を身につけている。
格闘家から呼吸法やらなんやらで心拍数をコントロールする方法を学んだり、アメリカの研究者と連絡をとって体質を治す方法を探していた。

エリザベス・ベティ・ロス【人物・ヒロイン】
ブルースの彼女で科学者。
ハルク誕生の場に居合わせていて、暴走したハルクによって負傷。
ブルースとの再会後は新しくできた彼氏をほっぽり出して献身的にブルースがハルクを克服するための手伝いをする。
キレるとペッパーよりやばい。

サディアス・E・サンダーボルト・ロス【人物】
やけに強そうな名前の口ひげオヤジ。陸軍将軍でベティの父親。
自身が再始動したスーパーソルジャー計画の失敗を隠蔽するためにブルースを執拗に追い回す。
なんだかんだで隠蔽は成功したようで、後の「シビルウォー」ではちゃっかり国防長官になってるので探してみてね。

アボミネーション【敵】
ブルースを追う特殊部隊の軍人がハルクに対抗するために超人血清とブルースの血液サンプルを投与してハルクっぽい怪獣になった姿。
色々あって25作品目の「シャンチー」に再登場するので覚えておきましょう(僕は忘れてました。)

ガンマ線【技術】
放射線とも言われる。MCU独自の専門用語ではないが、未完成の血清にこれを照射したことがハルク誕生のきっかけになり、後の「アベンジャーズ」でも重要なキーワードの一つになってくるのでここでも触れておきます。

超人血清【技術】
第2時大戦時のアメリカ軍のプロジェクト「スーパーソルジャー計画(正式名称はウェポンプラス計画)」で使われるめちゃくちゃ強い人間を作り出すための青い液体で、ブルースにも投与されている。
しかしオリジナルの精製者以外は詳しい作り方を知らなかったため、現代で作ったものは記録を元に復元した不完全なものであった。
血清のラベルには大戦中にオリジナルを作ったアースキン博士の名前が入っていることから、完全に1から作りなおしたわけではない模様。
詳しいことは「キャプテン・アメリカ」で。

S.H.I.E.L.D【組織】
前作「アイアンマン」でペッパーから「長い」とダメ出しされた組織の新名称。具体的な活動内容は今作で初めて描かれており、世界中に張り巡らされた情報網と、行方をくらましたブルースをすぐに見つける組織力が描かれている。

覚えておくべき伏線

今作で重要な点は3つ。
・ハルクの誕生
・S.H.I.E.L.Dの活動目的、内容
・超人血清とスーパーソルジャー計画の存在
以上です。
ここでハルク誕生のエピソードを知っておかないと「アベンジャーズ」で急にブルースが登場した時に少し置いていかれるかもしれません。(まぁ俳優が変わっているのでどっちみちびっくりはするんですが
さらにS.H.I.E.L.Dに名前を変えた戦略国土調停補強配備局が本格的に始動しているという所も押さえておくべきでしょう。
そしてスーパーソルジャー計画は「キャプテン・アメリカ」で詳しく内容が掘り下げられるので、覚えておくことで過去と現在がスムーズにつながります。

ちなみに2003年の実写版ではガンマ線爆弾の実験中の事故でハルクに変身してしまいます。こちらの方が原作に忠実な設定。
おそらくこれはリメイクするにあたって他作品とのクロスオーバーを前提にした設定に変更されたようです。

個人的おすすめポイント

個人的に良かったのはエドワード・ノートンの演じる影のあるブルース・バナーです。
というのも、ブルース役は次にハルクが登場する「アベンジャーズ」ではマーク・ラファロに俳優が変わっています。
エドワード・ノートンはこの役を演じるにあたって「制御不能の超人」という業を背負った影のある人物像にこだわっていたようで、対するマークラファロは脚本のせいかもしれませんが、少し茶目っ気のあるゴツいおじさん。これはこれで憎めない良いキャラなんですけどね。
ハルク誕生の背景を考えると、線が細くて繊細そうなブルースからは作品を通して悲壮感や哀愁がビンビン伝わってとても感情移入できました。
特に心拍数が上がってしまう為、恋人と愛し合うことすらままならないシーンはなかなかに辛かったです。
しかし後の作品の雰囲気には確かにマークラファロが合っているような気もします。(特にエンドゲーム)
どちらのブルース博士が自分に刺さるか、是非見比べてみてください。

どこで配信されてる?

ディズニープラスでは未配信
アイアンマンに引き続き、インクレディブル・ハルクも残念ながらディズニープラスで見ることはできません…。
勘の良い方はわかるかもしれませんが、配給の権利をユニバーサルが所有しているためです。
ハルクをMCU作品に客演することはできても、単体の作品としての権利はユニバーサルが持っている、ということらしいです。権利って本当に難しい。

じゃあどこで見れるの?
2022年2月現在、インクレディブル・ハルクを配信しているサブスクはこの2つのみ!どちらも無料お試し期間があるので、過去に入会したことがない方にはどちらもおすすめ。
ちなみにhuluは海外ドラマ、U-NEXTはアニメが豊富です。

  • U-NEXT

  • hulu

まとめ

主演俳優の交代や、興行収入がアイアンマンほど振るわなかったりと不遇なイメージのインクレディブル・ハルク。
MCU作品でもこれは見ていないという人は結構いるのではないしょうか。
実際公開時点でMCUの構想が完全に固まりきっていないのもあって、伏線的な意味ではマストな作品ではありません。
映画以外で既にハルクの設定を知っている方は正直飛ばしてしまっても良いでしょう。
しかしハルクというヒーローをまだよく知らない人は、これから長く色んな映画に登場することになる彼の誕生にまつわるエピソードを知っておくことでより他の作品が楽しめるようになるのは間違いありません。
ディズニープラス未配信ということで視聴のために一手間かかってしまいますが、「アベンジャーズ」を楽しむための重要な1本です。
ちなみにエンドロール後のシーンで出てくるのはアイアンマン2の後のとある人物。
そういう意味では公開順とは前後してしまいますが、「アイアンマン2」と「キャプテン・アメリカ」の間に見るのが1番おすすめなタイミングだったりします。

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