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今更聞けないマーベル映画【ドクター・ストレンジ】ネタバレなし解説

努力と才能を備えた魔術師、その名はストレンジ
フェーズ3で新たに登場したヒーローの一人、ドクター・ストレンジ。
科学とファンタジーの入り混じったMCUの世界でまた異質な存在が誕生しました。魔法の力を操る天才神経外科医という盛り沢山な設定ですが、ストーリーは非常にわかりやすい王道。しかしそれにトリッキーで美しい映像演出が合わさって唯一無二の作品となっています。
そしてこの魔術師は後々の作品になくてはならない重要な存在となっていくのです。

騙し絵のようなビジュアルの意味は本編を見ればわかります。

作品情報

  • 公開:2016年

  • 順番:14作目

  • 時系列:17番目(ブラック・ウィドウの次)

  • フェーズ:3

  • 上映時間:115分

  • 登場ヒーロー:ドクター・ストレンジ

  • 監督:スコット・デリクソン

  • 見た方がいいレベル:★★★★★

  • 次回作:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

*順番は映画の公開順、時系列はMCU内の時間経過に沿った順番。いずれも長編映画を対象としておりドラマ作品はカウントしていません。
見た方がいいレベルは後作品への影響を元に主観で5点満点で付けてます。

あらすじ

天才神経外科医のスティーヴン・ストレンジは交通事故に遭う。一命は取り留めたが、両手に残った麻痺で医者としての生命は絶たれてしまった。
あらゆる手段を使って治療法を探すも徒労に終わる。気づくと資産は底をついて一文無しに。さらに元々の皮肉屋な性格も災いして頼れる人間もいなくなっていた。
ある日、手のリハビリを担当した看護師から絶望的な半身不随から全快した男がいることを知り、その男からネパールにあるカーマ・タージという地名を聞き出す。
最後の希望にかけてストレンジはネパールへ渡り、指導者エンシェント・ワンから現実は目に見えているものが全てではないこと、物質を超越した世界「アストラル界」や魔術といった摩訶不思議なものが実在することを知らされる。
初めは全く信じようとしなかったストレンジも強制的に魂をぶっこ抜かれたことで信じざるを得ず、同時に芽生えた「ここなら俺の手も直せるかも」という僅かな希望にかけてエンシェント・ワンのもとで修行を積むことに。
血の滲むような努力の末に魔術を習得。手の麻痺も回復したしたストレンジだが、禁書に手を出した極悪魔術師、カエシリウスが引き起こした魔術師同士の内輪揉めに巻き込まれ、なんやかんやの末にいつの間にか世界の存亡をめぐる戦いに身を投じる。

重要人物とキーワード

スティーヴン・ストレンジ【人物・主人公】
誰もが認める天才神経外科医。実力は確かだが皮肉屋で性格に少々難あり。
しかし自身の負傷と、修行による麻痺の克服と魔術の習得を経て他人の痛みがわかる大人に成長。
魔術習得後は腕から出すオレンジ色のエネルギーが主な武器となる。形を自在に変えることができて武器にも盾にもなる超便利能力。
師匠直伝の技で自他問わず一時的に魂を抜き取ることもできる。

クリスティーン・パーマー【人物・ヒロイン】
ストレンジの同僚の医師。友達の少ないストレンジを最後の最後まで気にかけていた数少ない理解者。ちなみにストレンジが愛用している腕時計は彼女からのプレゼント。

エンシェント・ワン【人物】
「至高の魔術師」と呼ばれる高位の魔術師でストレンジの師匠。スキンヘッドの白人女性。
優れた人格者だが魔術師を育成し続けるために闇の力を使って自身の寿命を伸ばしていた。

モルド【人物】
ストレンジの兄弟子で魔術師としての実力もあり面倒見が良い。いいヤツ。
真面目すぎる性格故、エンシェント・ワンの秘密を知ったことで不信感を抱く。

ウォン【人物】
カーマ・タージの図書館の司書であり自身も魔術の使い手。体格の良いアジア系。
今作以降はストレンジの相棒となって数々のMCU作品に登場するので覚えておきましょう。

カエシリウス【人物・敵】
元々はエンシェント・ワンの弟子であったが死亡した家族を蘇らせるために暗黒次元に手を出してしまう。しかし魔術をもっても死んだ人間を生き返らせることができないことを知り、師の元を去る。

ドルマムゥ【敵】
暗黒次元の支配者でカエシリウスの手によって現世に呼び出される。
その力は強大で倒すことはほぼ不可能。
ビジュアルは巨大な顔で、原形を留めてはいないが実はストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチが演じている。

アガモットの目【技術】
今作の最重要アイテム。
初代の至高の魔術師が残したとされる魔法具だが、その中身は時間を自在に操ることができる「タイムストーン」で宇宙の始まりと共に生まれた6つのインフィニティ・ストーンの1つ。

ミスティック・アーツ【技術】
この世界での魔術の呼び名であり、同時にこの世界以外に存在するマルチバース(並行世界)にアクセスするための技術。
マルチバースという言葉はスパイダーマン:ノーウェイ・ホームから本格的に重要なキーワードとなっていきます。

スリング・リング【技術】
魔術師が手につけている大きめのメリケンサックのような形の指輪。
これをつけて空中に円を描くことることで別の空間に移動できるどこでもドア的なものを作ることができる。

カリオストロの書【技術】
カーマ・タージの図書館に所蔵されている魔術書で暗黒次元へのアクセス方法が書かれている。肝心なページはカエシリウスによって破かれていたが、タイムストーンを使ったストレンジによって解読され、企みがバレる。

サンクタム【施設】
ニューヨーク、ロンドン、台湾の3カ所に置かれている聖域でここから出しているバリアで世界を外界の脅威から守っている魔術師の本拠地みたいな場所。各施設に守護者が必ずついている。

マルチバース【世界】
我々の住んでいる現実以外にも存在する無数の世界。ドルマムゥのいる暗黒次元や不安定な現実世界のようなミラー次元、肉体を離れた魂が行き交うアストラル次元など数限りなくあり、その中には現実世界によく似たものも存在する。

覚えておくべき伏線

今作は1本で完結する作品としても十分楽しむことができます。
しかし1つだけ覚えておいてほしいのが、アガモットの目ことタイムストーンの存在です。
時間を自在に操るという明らかにチートな性能ももちろんですが、MCUの大きな区切りとなる「アベンジャーズ・エンドゲーム」ではこれらのインフィニティ・ストーンが大変重要なアイテムとして登場します。
これまでもロキの使ったマインドストーン、ガーディアンズに登場したパワーストーン、シリーズ序盤で四次元キューブと呼ばれたスペースストーンの3つが登場しています。
作品ごとに散りばめられていてなかなかにややこしい存在ではありますが、「ものすごい力を持った石が宇宙に6つあって、そのうちの一つがこの作品に出てくる」程度に気に留めておいてください。

個人的おすすめポイント

個人的に好きだったポイントは作品全体の映像演出とストレンジの修行シーンですね。
まず映像美!この作品全体を通しての大きな魅力と言ってもいいでしょう。
まるで万華鏡のように不規則に動きまくる異次元空間でのバトルシーンは「一体監督の頭の中はどうなっているんだ?!」と思わされます。
魔術を多用したトリッキーな戦闘スタイルも必見ですが、グニャグニャと変化し続ける空間がそのバトルをさらに予測不能なものにしていて初めての映像体験でした。一度見たら忘れられないと思います。
もう一つはストレンジが魔術師になるまでの過程ですね。皮肉屋で現実主義のストレンジが周りの多少強引な助けを借りながら少しずつ一人前の魔術師に成長していく様はアイアンマンでトニー・スタークが試行錯誤を繰り返しながらスーツを開発する過程に重なるものがあり、主人公のストレンジがただの「天才」ではない、努力の人であることの証明でもあります。

どこで配信されてる?

ディズニープラスで配信中
次回作の「マルチバース・オブ・マッドネス」を見る予定の方はドラマシリーズの「ワンダ・ヴィジョン」も併せてご覧になることを強くお勧めします。

まとめ

ということで14作目、ドクター・ストレンジの解説でした。
個人的にこの作品、めちゃくちゃ好きです!
何度見ても飽きない異次元の描写や、魔法を使っているのにどこか拳法っぽい動きのアクションなど、他作品にない魅力で溢れています。
そして何と言ってもストレンジのキャラクターが秀逸で、後に相棒となるウォンとの掛け合いも小気味良くて見ていて楽しい。
1本の映画として完成している一方で時間の操作や並行世界など、今後のマーベルの世界観を大きく広げる役割も担っているのもすごい。
エンドゲーム以降のフェーズ4にも大きく関わってくるキャラクターなので、初お披露目のこの作品は必見と言えるでしょう。

関連作品

続編
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

ストレンジ出演作品
アベンジャーズ/インフィニティウォー
アベンジャーズ/エンドゲーム
マイティ・ソー バトルロイヤル
スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム

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