【中小企業の採用マニュアル】③採用目標を設定しよう!
「採用って、どこから手をつければいいか分からない…」に応える「中小企業の採用マニュアルnote」へようこそ!
第3回では採用目標の設定方法について説明します。
採用活動だけでなく、人生全般においても目標を設定することは、成果を上げるために非常に重要です。特に具体的な目標は、明確な方向性を示し成果を生み出すための指針となります。
採用活動においても、目的が定まりチームが整ったら、次に目標設定に取り組むことで効果的な採用活動が進めやすくなります。いくつかのポイントに分けて考えてみましょう。
1.採用人数
いつまでに何名を採用するかという具体的な目標を設定することです。例えば、「来年の3月31日までに5名採用する」といった数値目標を掲げる企業もあります。中には、3名から5名の幅を持たせて採用する企業もあれば、下限を3名と定めて「3名は必ず確保する」とする企業もあります。皆さんの会社に適した表現方法で、採用人数の目標を設定してみてください。
2.人材の種類
具体的にどの層の人材を求めるのかを明確にすることが重要です。新卒か中途か、理系か文系か、あるいは高校卒業生、短大・専門学校卒、4年制大学卒、または高専卒かといったさまざまなカテゴリーがあります。どの層の人材をターゲットにするかをはっきりさせないと採用メッセージが曖昧になり、効果的なアプローチが難しくなります。採用人数だけでなく、どのタイプの人材を採用するのかも明確に決めることが大切です。
3.求めるレベル
福岡の大学を基準にすると、国公立の九州大学や福岡教育大学、私立の西南学院大学や福岡大学など、幅広い選択肢があります。また、専門学校も含めて、どの学校やキャリアの人材をターゲットにするかを明確にしなければなりません。「誰でもいい」というメッセージでは採用がうまくいかないケースが多いため、どの層の人材を求めているのかを社内でしっかり共有し、その層に響くメッセージを伝えることが成功の鍵となります。
4.仕事の種類
採用した人にどのような仕事を任せたいのか。営業職、製造職、総務や経理、営業事務など、職種を明確にする必要があります。また、その人が本社で働くのか、工場や店舗で働くのかといった勤務場所も考慮すべきポイントです。これらの要素は、採用要項に明記されるため、目標設定の段階で明確にしておくことが、後々の採用活動に役立ちます。
5.採用目標とはビジョン
目標はビジョンとも言い換えられ、いつまでに何を達成するのか、1年後や3年後にどのような状況を目指すのかを描くことが重要です。ビジョンを持つことで、採用担当者は進捗状況を把握しやすくなり、目標に対して自分たちがどの程度うまくいっているかを測る指標としても役立ちます。目標設定は、採用担当者にとって働く上で大切な指標となるため、ぜひ行ってほしいと思います。
経営計画書や経営指針書には会社の歴史や今後のビジョンが記載されていることが多く、これらの情報を活用することで採用に役立つヒントを得ることができます。こうした情報をもとに上司や社長に意見を示すことで、より深く会社全体を理解していると評価されるでしょう。
6.事前対応か事後対応か
現在の社会では人材の流動性が非常に高く、ほとんどの企業が離職者を抱えています。採用活動には、離職に伴う人員の補充が重要な視点として含まれます。離職後に補充を行うか、事前にバッファを見込んで採用するかの二つのアプローチがあります。事後対応の企業は、急遽募集するため高コストな採用が常態化しがちです。たとえば、求人媒体に多額の費用をかけたり、人材紹介会社に高額な紹介料を支払ったりするケースが見受けられます。
一方、事前対応の企業は、採用や育成にお金と時間を投資し、中長期的な視点での採用が可能です。どちらの方法が正解かは一概に言えませんが、補充や余裕を残す考え方については、経営者の視点から検討する必要があります。採用担当者は、こうした観点で経営者とコミュニケーションを図ることが重要です。
What's next?
次回は、採用の際に重要な④求める人物像について、特に大手企業と中小企業での考え方の違いに焦点を当ててお伝えします。どうぞお楽しみに!
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