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若い力を借りる。社会実装教育プログラム │牛乳石鹸×東京高専 汚泥アップサイクルプロジェクト

産学連携のウェブサイトに応募してみたら、東京工業高等専門学校さんから連絡がありました。

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牛乳石鹸×東京高専の取り組みがはじまる

東京工業高等専門学校、略して東京高専さんは東京の八王子にある学校です。学科は5つあり、今回は物質工学科の先生が連絡をくれました。東京高専さんの特徴的な教育プログラムが社会実装教育です。

「社会実装教育」とは、イノベーションを実現する技術者の育成を目標として、東京高専を中心に実践している教育プログラムで、学生たちは社会の様々な課題に対するプロトタイプを試作し、それを実際のユーザーに使用して評価していただき、その結果を改良に反映させるという一連の過程を実践します。

東京工業高等専門学校のホームページより

学生がチームを組み、社会に役立つものを考え、社会に実装しようという素晴らしい取り組みです。その社会実装教育の題材として汚泥を使用したいという連絡をいただきました。SDGsの観点から、本来捨てられるものをより良いものに生まれ変わらせることを考える事は題材としてピッタリとのことです。

私たちとしても、若い人たちの力を借りて汚泥が生まれ変わる可能性を探索してくれるなんて、こんなにありがたい話はありません。ぜひお願いします!と快諾しました。

汚泥を題材とした社会実装教育は2022年10月から始まり、2023年8月までの予定です。この投稿をしている時点では、スタートしてから約3ヵ月ほどたっています。取り組みの流れとしては、東京高専の先生と学生さんと定期的に打ち合わせをして、研究の進捗を聞いてアドバイスをします。それを受けて学生さんたちがブラッシュアップして、さらに研究を進めます。途中で中間発表の場があったり、最終は成果発表会もあります。

この汚泥をテーマに4人の学生さんが集まってくれました。そして私たちも新規事業室のメンバーだけでは、知識が足りないので研究所のメンバーにも協力してもらい、牛乳石鹸×東京高専の汚泥のアップサイクルプロジェクトが開始されました!

それではキックオフ!

早速、八王子のキャンパスに訪問しました。出迎えてくれたのは、2人の先生と、4人の学生さんです。牛乳石鹸からは新規事業室の2人と研究所の2人。計10名でキックオフのミーティングを行いました。

東京高専の先生と学生たち

はじめに簡単な自己紹介をして、それから東京高専さんの方から今回の社会実装教育プログラムという取り組みについて改めて説明がありました。そして私たちからは汚泥の説明をしました。

熱心に話を聞いてくれている東京高専のメンバー

最後には学生さんからのさまざまな質問がありました。汚泥を燃やしたらどうなるのか?そもそも汚泥の元となる甘水を出さない方法はないのか?などなど、私たちでは思つかなかった発想もあり、これからどうなるのかとてもワクワクしました。

先生方はとても親しみやすく打ち合わせは和やかに進みました。学生さんたちも熱心に私たちの説明を聞いてくれて、とても意欲的な姿勢でした。今回の打ち合わせを受けて、どのような方向性で研究を進めていくか学生さんたちが考えて、また報告をしてくれるそうです。

そして後日の打ち合わせで

それから約1か月後、東京高専さんから連絡がありオンラインでの打ち合わせをすることに。学生さんたちからプロジェクトの方向性が決まったようです!

オンラインでの打ち合わせの様子

学生さんたちが発表してくれた方向性、それは・・・

・粘土材料への再利用ができないか?
・燃料への再利用ができないか?

汚泥を粘土と燃料へと生まれ変わらせることができないかと、研究を進めてくれることになりました!

粘土材料への再利用について

汚泥が持つ粘土のような質感に目をつけ、粘土材料として活用できないか検討してくれるみたいです。汚泥は弱アルカリ性なので長時間触るとヌルつきます。このままでは粘土としては使えないので、より中性に近づけられないかという実験を行っていくそうです。

燃料へ再利用について

汚泥の組成は主に有機物です。実際に燃やしてみたそうなのですが、激しく燃えて6分ほどで灰になったようです。これをより安定した固形燃料へと再利用できないか研究を続けてくれるそうです。

燃える汚泥

方向性を確認して、打ち合わせは終了しました。今後も継続的に学生さんたちが研究を続けてくれます。このプロジェクトは現在進行中です。約1年という期間の中で、最終的に汚泥がどうなるか!?とてもワクワクしています。また東京高専さんとの取り組みを投稿するので、その日を楽しみに待っていてくださいね。