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AURALEE(オーラリー)ってどんなブランド?何で人気なの?

ごきげんよう。今回は、最近SNSで見かけない日はないほど注目を集めているファッションブランド、AURALEE(オーラリー)について基本的な情報を集めてみました。情報の種類によってサクッと知りたい人向け、しっかり知りたい人向けに内容を分けてみたのでお時間ある時に読んでみてください!


サクッと知りたい人向け: AURALEEの基本情報

1.AURALEE(オーラリー)とは?

  • 創業年:2015年春夏

  • デザイナー:岩井良太氏

  • コンセプト:上質な素材と洗練されたミニマルデザインを追求したブランド。

  • 価格帯:ボトムス4万円前後、アウター12万円前後が目安。

2.AURALEEの特徴


AURALEE公式HPより引用(https://auralee.jp/projects/11)
  • 独自で開発/調達した高品質素材を使用したシンプルで飽きが来ないデザイン。

  • 素材を活かしたナチュラルカラーや中間色が特徴。

  • 2019年以降パリコレに参加しており、世界的に評価されつつある。

2025年春夏のパリコレクション。今回はパリで最も高級な私邸とされるHôtel de Maisons(オテル・ドゥ・メゾン)が舞台となった。fashionsnap.comより引用(https://www.fashionsnap.com/collection/auralee/2025ss/)

3.どんな層に人気?

  • 20〜30代のミニマルファッションを好む層に刺さり、デリバリー日には行列ができるほど。

  • ファッション感度の高い著名人にも愛用者多数。

4. 代表的なアイテム


どのアイテムも素材はもちろん、縫製まで一級品。

画像左から

  • セルビッジデニム:上質なコットンを使用した最高の着心地と色味。

  • フィンクスコットンシャツ:シルクのようなぬめりのあるコットンシャツ。

  • ウールチェックシャツ:洗練されたパターンと肌触りが良い生地感。

  • キッドモヘアニット:化学繊維を使用せず極上の天然繊維のみで紡績。

ぱっと見ではユニクロと変わらない…?と思われるかもしれませんが、実際に目で見て、肌で感じてみると、素材の良さ、縫製の丁寧さ、色味の美しさに驚くこと間違いなし。

5. どこで買える?

以下3つの直営店、公式オンラインストア、そして各セレクトショップなどで購入できます。

直営店↓
AURALEE TOKYO(東京、青山)
・AURALEE ISETAN SHINJUKU MEN’S(東京、新宿)
・AURALEE ISETAN SHINJUKU WOMEN'S(東京、新宿)
・公式オンラインストア↓

セレクトショップ↓
・H beauty&youth(エイチ ビューティアンドユース) 
・Edifice(エディフィス)
・BIOTOP(ビオトープ)
・ONENESS(ワンネス)
・阪急メンズ館 
など
上記の他も幅広く取り扱いがあります。


しっかり知りたい人向け:ブランドヒストリー、人気の考察

6. デザイナーのヒストリー

デザイナーの岩井良太さんは地元神戸の大学を卒業後に上京しました。アジアを代表するファッションスクールである文化服装学院服装科(夜間部)に通い、女性向けファッション雑誌「装苑」の編集部でのアルバイトと並行して本格的な服作りを学びます。その後当時上質なカットソーとニットを展開していた日本ファッションブランドノリコイケ(NORIKOIKE)」デザイナーの小池氏のもとで服の製作に携わりました。

そんな中AURALEEは、ノリコイケの取引先だった生地問屋「クリップクロップ」の小林社長からの声掛けにより2015年に立ち上がりました。クリップクロップは生地作りやファッション業界内では非常に有名な企業で、AURALEEの他、「キャプテンサンシャイン(Kaptain Sunshine)」「ウェルダー(Wellder)」「ボウト(BOWTE)」といったブランドを輩出しています。かなり精力的ですね…!。

7. 素材への徹底的なこだわり

AURALEEはクリップクロップを背景に、上質な素材やパターンを独自開発することができることが最大の強みとなっています。*現在はAURALEEはクリップクロップの傘下から外れています。

驚くべきことに、岩井さんはコレクション発表までの半年間のうち、約半分(3ヶ月)を生地開発に充てているそうです。通常、ブランドは流行りの生地をクイックに仕入れるため、生地問屋にある現物の生地をコレクションに利用することが多いのですが、AURALEEでは岩井さんが持つ生地づくりの知識と、クリップクロップが持つノウハウやコネクションが掛け合わさることで、生地ができる前の原料である糸から、どのように撚り合わせ染色し編み上げていくかまでの諸々の工程を一貫して作り込むことができています。

カシミヤの原料を調達するため、モンゴルの首都から片道16時間かけて遊牧民たちが暮らすゴビ砂漠に出向く。遊牧民はヤギが健康に育つよう、豊かな緑と水がある場所を求めて夏だけでも10回ほど引越しをする。引用:https://auralee.jp/material-matters/11


カシミヤ原毛の整理工場。原毛はヤギの皮膚から分泌された油分や不純物が混じっているため、職人が時間をかけて洗浄と乾燥を繰り返し、フワフワのカシミヤが出来上がる。AURALEEが定番で使用するベビーカシミヤは生後1年未満のカシミヤヤギから、初めて刈り取られる産毛が使用される。引用:https://auralee.jp/material-matters/11

8. AURALEEの語源は?

ブランド名はすぐ決まらなかったのですが、自分の名前だけは違和感があってつけたくなかった。タグに全部自分の名前が付いているのも辛いし、意味深な言葉も恥ずかしいと思っていて。ちょうどいい名前を調べていた時期に、たまたま流れている曲のタイトルが『AURALEE』で、この曲ってなんだっけと思って調べたんです。そしたら、日の当たる光る土地という意味もあって、語呂が良くて自然と馴染むと思い、採用。初めは『AURALEE』という名前も気恥ずかしかったんですが (笑)。ブランドをスタートした当初は、こだわった素材を使ってシンプルな洋服をつくるということは決まっていのですが、どんなことを表現したいか、自分自身でも曖昧にしか把握できていない部分があったと思います。

引用:https://fashionpost.jp/portraits/197743

日の当たる光る土地、まさにAURALEEのこれまでのコレクションを一言で表現する美しい言葉。オーラリーという曲は小学校のリコーダーで必ずと言っていいほど習わされますよね(受動態)。ソドシドレラレードシラシドーソーのやつです。

余談ですが、『Aura Lee(オーラ・リー)』はアメリカの南北戦争が始まる1861年に、当時爆流行りしていた「ミンストレル・ショー」の為に作曲されたそうです(このショーは顔を黒く塗った白人によって演じられた大衆演芸で、めちゃくちゃ人種差別的なショーです)。

岩井さんがブランド名を思いつくきっかけとなった曲はElvis Presleyがオリジナルの歌詞に差し替えてアレンジしたバージョンの方で、著作権の問題から、曲名を『Love Me Tender(やさしく愛して)』に変えてリリースしています。ストレートな愛を歌う曲ですが、当時全米チャートで5週間連続No.1を獲得しており想像を絶する人気だったようです…すごい。

LOVE ME TENDERのCDジャケット。かっこいいですな

9. ファッション業界からの評価

2019-20秋冬にパリコレクションデビュー。
そして以降、2024年春夏まではプレゼンテーション枠でランウェイ形式の発表をしてきましたが、ついに2024年秋冬では初のランウェイショー枠で発表されました。

AURALEE 24AW。パリの「パレ・ド・トーキョー」という現代美術館でショーが行われた。ルック1(左)のレザーブルゾンに目を奪われた人は多かっただろう…。

海外の記者がAURALEEの服の質感や色味、全体のコーディネートをリアルで目の当た理にした影響もあってか、以降、AURALEEを取り上げる記事が顕著に増えているように感じます

先日開催されたパリコレではAURALEEの25-26秋冬コレクションが発表されましたが、23AWや24AWと比べても、SNS上での反応がさらに熱を帯びており、日本だけでなく海外ユーザーによる投稿を目にする機会も一段と増えました。

▫️海外の記事をいくつか抜粋してみる


ショーとは関係ないけど2023年はAURALEEでコーディネートを固めるファレルも見れた。かっこよすぎ
引用:https://www.gqjapan.jp/article/20230815-louis-vuitton-pharrell-williams-era


10. AURALEEが最近人気が加熱している理由考察

チェックシャツ即完、セルビッジデニム、コート即完。。。。最近、SNSで見かけない日はないほど急激に注目を集めているAURALEEですが、なぜここまで人気が加速しているのでしょうか?考えられる要因をいくつか挙げてみましたが、他にも理由はあるはず。ぜひ、皆様の意見をコメントで聞かせてください!

①:海外販路の拡大に伴う需要増

2024-25秋冬パリコレのランウェイショー枠での発表を皮切りに、海外の認知度が拡大していることと合わせて、24AWのデリバリーからは公式オンラインショップの海外配送が解禁されました。パリコレ発表、海外の販路拡大…AURALEEがどんどん階段を駆け上がっていく姿はファンとして非常に喜ばしいことではありますが、実は複雑でもある…。

売り切れのスピード、メッチャ早くなりました……..。

解禁されてしまった、というべきか。地方に住まれている方は海外ファンと熾烈な争いを繰り広げなければならなくなった…あゝ…

24AWでは22万円のレザーブルゾンが全サイズ2分で完売したんですよ…生産数が少ないとはいえ、この値段のアイテムが即完というのは恐らく海外からの注文増加も影響していると考えています。(余談ですが青山本店に行くと、韓国の方が買いに来ているのをよく見かけます※転売ヤーではなさそう。恐らく海外からの注文に締める国別割合でも、韓国がしめる比率は高いのではないでしょうか。)

追記:1/29(水)は25SSのレザージャケット(LAMB LEATHER FLIGHT BLOUSON)のデリバリーでしたが、オンライン販売開始の12:00には全サイズが売り切れていました。12:00”ジャスト”に更新したのに、既にSOLD OUTです。これはもう明らかに転売ヤーのbotの仕業でしょう。その後メルカリで同アイテムが5、6着売られていたというポストを見ましたが、おそらくbotで購入した分を販売したものと思います。

うーん…何か画期的な仕組みを考え出して、そもそも転売ができないシステムを構築したい….......…力が…...…欲しい…..…

②:インポートの価格上昇に伴う、ドメブラブーム。その中でも”質”に重点を置いたAURALEEが相対的にリーズナブル化

近年、円安の影響やブランド側の値上げにより、インポートブランドの価格が急騰しています。かつて20万円台で買えたブランドのアイテムが今や30万、40万円超えは当たり前になり、日本国内の消費者にとって購入のハードルが非常に高くなっています…。

その一方で、日本国内から見れば為替の影響を(大きくは)受けておらずインポートと比べてリーズナブルなドメスティックブランド(国内ブランド)に注目が集まっています。特に、最近は為替やブランディングを理由に異常に価格を値上げするブランドが多くなっており、"価格に対する服の価値"に懐疑的になる消費者も増えています。

そういった中、ドメブラかつ「質の良さ」に定評のあるブランドに注目が集まる流れが加速しています。AURALEEはまさに質に重きを置いたブランドの代表格といってもよく、突き詰められた生地選びやシルエット、縫製の丁寧さが評価され、相対的に「コスパが良い」と感じる層が増えています(コスパという言葉はあまり好きではないですが…)。特に「ノームコア」や「クワイエットラグジュアリー」のブームと相まって、シンプルながら上質な服が求められる中でAURALEEの評価が一層高まっていると言えます。

クワイエットラグジュアリーがなぜ流行っているのか?については、記事1つ書けるぐらいの話がありますので、また別の機会に議論できればと思います。

③:トレンドの取り入れ方が上手い

AURALEEは、シンプルながらトレンド感のあるスタイルを取り入れるのが非常に上手く、つまりマーケティングに長けているブランドといえます。例えば、近年のPRADAやMiu Miuの流れに沿うような、程よいオーバーシルエットや落ち着いた色使いをカジュアル&フォーマルに取り入れることで、トレンドに敏感な層にも刺さるデザインを展開しています。シンプルさとトレンド感の塩梅が非常に絶妙です。

ファッションアイテムの類似性。今回AURALEE25AWコレクションの感想として、miumiuやpradaのアイテムに似ているという声が散見されましたが、実は結構前からその流れはありました。リスペクトと取るか、マーケティングと取るか、単なる流行の反映と取るか、はたまた…

また、AURALEEはクリーンさに加えて、特に2024AW以降からは「グランパコア(Grandpa Core)※」の”渋さ”も巧みに取り入れていることが分かります。落ち着いたトーンのカバーオールや色褪せたような色のジャケット、ヴィンテージ加工が施されたレザージャケットなど、クラシックとモダン絶妙に融合させたアイテムが豊富です。この絶妙なバランスが、流行を意識しつつも流されすぎないAURALEEらしさをもたらしていると思います。

※グランパコア(Grandpa Core)とは、「おじいちゃん」が着ていたような服装がコーディネートの中核(コア)になっているクラシックスタイルのことで、ノームコアやミニマルファッションの流れを汲みつつ、AURALEEだけでなくENGINEERED GARMENTSやJUNYA WATANABE MANなどの影響もあって近年注目度が高まってきています。色褪せた色やブラウン系統のツイードジャケットやカーディガン、チェック柄のシャツなどのヴィンテージ感のあるアイテムが特徴です。くすんだアースカラーを基調に、ローファーやハンチング帽などの小物を合わせるなど、アメカジやブリティッシュな雰囲気もあります。

グランパコアのイメージ。
(左)Willy Chavarria 25SS(右)ストリートスナップ。

2枚目は以下記事から拝借しました。こういう記事大好き💕↓


最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。オーラリーは生地問屋からスピンオフしたという背景があり、独自で開発した素材、生地を用いてシンプルでかつトレンド感のあるアイテムを作り続けているブランドです。また、価格にもかなり納得感があり、人気が加熱しているのも頷けます。

一見画像で見るとユニクロと見分けがつかないようなシンプルなアイテムも多いのですが、実際に目で見て、肌で感じてみると、その上質な素材や縫製に驚くこと間違いなしです。購入を検討されている方はぜひ1着、思い切って購入していただき、感動を味わって欲しいです。

本記事でAURALEEの全てを網羅しているわけではもちろんないですが、オーラリーをまだ買ったことがない人だけでなく、既にファンの人にも面白い情報が提供できていれば幸いです。

今後は過去購入品の掘り下げ、直近のAURALEE 25AWレビューなどなども(気が向いたら)書いていこうと思っております!

一旦はこれにて。


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