今日の引用 2021.6.6. 先進的な生活
"ロック・コンサート→オフ・ブロードウェー
ニューヨーク・タイムズ→ウォール・ストリート・ジャーナル
ダイエット→美食
ローレックス→スウォッチ(スイス製の安物時計)、……といったところである。中にはまあなるほどと思えるものもあるし、中には何のこっちゃというものもある。マリファナやコカインはパスしてアスピリンを飲み、クラシックなラブ・アフェアに浸り、ウォール・ストリート・ジャーナル(日経新聞に多少近い)を読み、オペラに通いつつニューヨーク・メッツを応援するというのが今のNYの先進的人士の姿であるらしい。"
村上朝日堂の逆襲|村上春樹/安西水丸 p16
この本は1985年の連載が元になっており、85年当時のアメリカ、インタビュー誌の「今、何がカッコいいのか?」というコラムから、当時の先進的にカッコいいとされていたものが引用されている。左が遅れているもので、矢印の右が進んでいるもの。スウォッチが流行った時代だったのかな。現代版があれば知りたいものです。
村上春樹は「こんなリストは空の雲のようなもの」と言いながら、自分なりの遅れている、進んでいるリストを作っている。キリンビール→サントリービール、読売ジャイアンツ→ヤクルトスワローズ、といった具合に。まあ要するに、マイブームですね。自分も作ろうと思えば作れるかもしれない。
電子書籍→紙の本
レンジファインダー→コンパクトデジタル
ミニマル→所有
サブスク→レコード
ウイスキー→レモン酎ハイ
自転車→徒歩
コーヒー豆→生豆
身の回りのことだとこんなもんか。これは何もどちらがいいという話ではなく、最近替えたもの。電子書籍で読む機会がすごく減って、紙の本ばかり読んでいる。カメラも去年からコンパクトデジタルばかり使用している。物を持たない生活をしていたが、増えるようになった。音楽はレコードを集めだした。ウイスキーは最近あまり飲んでいない。普通の酎ハイが増えた。自転車移動もするけれど、徒歩が圧倒的に増えた。コーヒーは煎る前の豆を買うようになった。
マイブームなのか?そういうわけでもない気がする。先進的かというと、ぜんぜん違う。むしろ後退しているところも多い。アナログ回帰みたいな思想は今に始まったことではないが、僕自身は全くそういうつもりもない。どれもたまたま。それにしても、もっとわかりやすい項目がなかったのか。
Netflixは最近あまり見ていないけれど、それに取って代わったものはない。Podcastは聞いているけれど、けっこう前からだし、何かの代替行為でもない。意外と思いつかない。村上春樹は「いくらでもつづけることができる」と書いているが。