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好きなキーボードの画像を保存して眺めていたら中の人からそのキーボードをいただいた話

 コンピュータの周辺機器で1番好きなのはキーボードだ。Appleの出した古いキーボードなどは中学〜大学時代にかけてかなり収集した。古いAppleキーボードには性能の良いアルプス電子のキースイッチが採用されており、今でも時たま使う。友達のミュージシャンに「楽曲の冒頭でキーボードの音が欲しい」と言われてレコーディングにApple Extended Keyboardを持参したこともある。おれのキータイプから始まるアルバムはこちらです。

 高校生の頃憧れたプロダクトといえば『Happy Hacking Keyboard』、通称HHKBだ。プログラマー・ひいてはハッカーのためのキーボードとして生まれたHHKBは「標準構成がUS配列」「カーソルキー無し」「Fnキーとのキーバインドで各種ショートカットを入力」など、さまざまに独特な機構を持ち、発売から現在に至るまで様々なラインアップが出つつも、発売当時のキー配列を現在も守っている。たとえば10年ぶりにキーボードを買い替えるとして、当時と同じ配列のキーボード見つけるのってすごい難しいと思うんだけれど、HHKBを使っているとそれができる。Bluetoothモデルはバッテリを搭載せず電池式で、その理由が「バッテリが劣化した時の交換のしやすさ、入手性の高さを考慮しているから」なのもすごい。最新モデルでも乾電池で動く。

https://www.pfu.ricoh.com/direct/hhkb/detail_pd-kb800ws.html

 これはHHKB"白"モデル。このキーの少なさ、フットプリントの少なさ、無骨だからこそ出る優雅さ……。US配列・カーソルキー無しだからこそ生まれるデザインの余裕というか、余白というか……。初代Macintosh〜Macintosh Plusあたりのキーボードデザインも思い出すんですよね。

 僕が高校生の頃というのはちょうどHHKB Professional 2の"墨"というモデルが人気で、これが黒いキーに黒い印字という、まあクールな見た目をしており、心を掴まれたものです。

https://www.pfu.ricoh.com/direct/hhkb/detail_hhkb-pro2-b-kr01.html

 あとはHHKBといえば無刻印も有名です。見た方が早いんですが、こういうやつです。

https://www.pfu.ricoh.com/direct/hhkb/detail_pd-kb800yns.html

 これは純白の"雪"モデルの無刻印。開発者が、「子供がピアノの鍵盤に"ド・レ・ミ・ファ"と書いて練習しているのを見て閃いた」そうで、この「文字がない!」というキョーレツさが一部で熱い支持を集める、非常に有名なモデルです。

 そんな憧れのHHKBですが、テクノロジー系のメディアで仕事をするようになってからは折に触れて記事を書くようになりました。PFU社に取材に伺ったこともある。

 ところで最近はHHKBにさまざまなカスタムを施すことができ、かっこいい色のキーキャップとかが公式から発売されている。公式WEBサイトにある「カスタムキーの一例」みたいな画像が良くて、僕が好きなのはこれ。

 めっちゃ良くないですか? 2つ上に貼ったUS配列の画像と見比べるとわかりやすいんですが、これはキーが中央印字になっていて、中央印字のグレーのキーと青いesc・Control キーのトーンが格好良い。雪モデルではなく、無骨なコンソールっぽい印象の白モデルでこれをやるところが良い。あと前述の通り「HHKBといえばUS配列」なんだけれど、日本語配列特有のキーの多さもこうやってみるとかわいいな、と。一目で気に入ってしまったカスタムで、この画像をデスクトップに置いてたびたび見ていたんですね。

 で、そんな話をSNSに書いたらPFUの某氏(HHKBエヴァンジェリストの方)からメッセージが届きまして、「白石さん、これ差し上げます」と。「マジですか⁉︎」と驚愕していたらマジで送ってくださいました。本当にありがとうございます。

 最高!!!!!!!WEBサイトの画像で見たままの最高のルックス。中央印字キーは修飾キーが小文字なのも可愛くて、そして青緑のオリジナルキャップも実物で見ると絶妙な色で超良い。

 ちなみに赤のキーもあって、こっちはエヴァっぽいな〜と思っていたらなんとこのキーでカスタムしたHHKBが『シン・ウルトラマン』の劇中に出てくるとのこと。

 たびたび言いますが、HHKBのオリジンといえば「US配列・カーソルキー無し」で、これがプロダクトとして完成されていることはとてもよくわかる。ただこれはやはり英字タイピストの最適解で、日本語メディアのライター・エディターとしてHHKBを使って思ったのは「カーソルキーはさすがに欲しい」ということ。日本語って変換にカーソルキーが必須なので、Fnキーとの押下を続けるのがどうにも大変で、一度日本語配列のHHKBをちゃんと使ってみたいと思っていたんです。

 すでにこのキーボードで仕事をしていますが、使い心地がめちゃくちゃ良い。特に伝えたいのは、「日本語配列はステップスカルプチャの恩恵を受けまくっている」ということ。これはHHKB Studioの日本語配列を使った時にも感じたのだけれど、日本語配列ってカーソルキーや修飾キーなど、最下段に配置されているキーがUS配列よりもずっと多いんですよね。でもこのキーたちの場所がステップスカルプチャのおかげで目で見なくとも触るだけで分かる。

 「ステップスカルプチャ」についてはこちらを参考にしてください。

 この親指を乗せている列、この列が目で見なくてもすぐわかるのでとても便利。カーソルキーとFnキーの間のわずかな溝もめちゃ仕事している。あと日本語配列はFnキーを親指で押下するスタイルなのも好みです。力が入りやすいし、Fn + Deleteで「カーソルの右側の文字を消す」を入力するのも簡単(Windows的に書くとFn + bsでdeleteを入力する、ということです)。

 HHKBが用意しているMac用日本語配列はネイティブのMacユーザとしてはちょっと使いづらい(CommandとOptionの配置が逆で、Macユーザ的にはあり得ない配置になっている)ので、キーマップ変更ツールで書き換えて使っています。そして僕はWindowsを使う時はUS配列で使うのが1番楽なので、今まで使っていたUS配列版はWindows起動時に重宝しております。

US配列にもカラーキートップをつけてみました。

 PFUさんありがとう……HHKBは壊れないことでも有名なので、比喩ではなく一生使うよ……!

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