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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月18日~クラウディオ・モンテヴェルディ 聖母マリアの夕べの祈り

音楽観を鍛える鑑賞録。
今日は珈琲録はお休みです。
3月18日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
クラウディオ・モンテヴェルディ /
聖母マリアの夕べの祈り

です。

クラウディオ・モンテヴェルディの名言
"The end of all good music is to affect the soul."
「すべてのよい音楽の最終形は、魂の共鳴です。」

クラウディオ・ジョヴァンニ・アントニオ・モンテヴェルディ
(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi)
1567年5月15日洗礼 - 1643年11月29日
スペイン帝国、クレモナ生まれ。ヴェネツィアで死没。
ルネサンス音楽からバロック音楽期に活躍。
最初期のオペラ作品を手がける。

モンテヴェルディは、2月16日の『オルフェオ』以来の記事。
これ以降はモンテヴェルディの作品は掲載されていないようなので、ここでバロック音楽を切り拓いた立役者をしっかり学びおいてみたいと思います。

聖母マリアの夕べの祈り (Vespro della Beata Vergine)は、第一作法と第二作法を同化させながら作曲されている1610年の教会音楽作品。
第一作法は、複数の声部で複雑性を持たせる伝統的なもの。
第二作法は、少数の声部で自由に不協和音を使用したもの。

90分の演奏時間を要する大規模作品。
長尺で人員を要する楽曲は、バッハ以前の作曲家のなかではこの楽曲が最初になるそうです。
17世紀の歴史的な音楽家ですし、
カトリック宗教音楽の歴史を通じて、もっとも重要な作品というのも頷けます。

歴史も古いだけに、確かなこととは言えませんが、
この作品のエピソードに「なぜこれほどの大作をつくったのか」という議論があり、一説には「サン・マルコ寺院の楽長に就任するための課題だったのではないか」というものがあります。

"高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな"
という気概があったのかもしれません。
壁は自分の前だけに立ちはだかるものです。
それに対して真摯に手を動かし続けた結果、できあがったら大作だったということ。
自らの魂の落としどころをおためごかしなくやりぬくことが大切ではないか、と。
アートワークは、誰かに促されて行うものではなく、
自分自身がやるかやらないかの話でしかありません。
そこにわたしはシンパシーを感じ、
叱咤されるような感覚で奮い立とうとしているわけです。

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