【音楽×珈琲 鑑賞録】7月16日~レオ・ドリーブ オペラ『ラクメ』
音楽観を鍛える鑑賞録。
7月16日のテーマは、【主題】
とりあげる作品は、
レオ・ドリーブ /
オペラ『ラクメ』
です。
クレマン・フィリベール・レオ・ドリーブ
Clément Philibert Léo Delibes
1836年2月21日 - 1891年1月16日
フランス・ロマン派の作曲家、「フランス・バレエ音楽の父」
今回とりあげられている作品は、オペラ『ラクメ』(Lakmé)
ドリーブはバレエの『コッペリア』(Coppélia)と『シルヴィア』(Sylvia)でよく知られた作曲家で、「フランス・バレエ音楽の父」と呼ばれているそうです。
今回はバレエ音楽ではなく、1883年4月14日にパリのオペラ・コミック劇場で初演されたオペラです。「ラクメ」とはどういった作品だったのでしょうか。
物語は19世紀後半のイギリス統治下のインドが舞台で、多くのヒンドゥー教徒たちがイギリス人によって自分たちの信仰を秘密裏に行うことを余儀なくされていました。
バラモン教寺院の聖域にイギリス軍人のジェラルドが侵入してしまい、それを逃がす主人公ラクメ。お互い惹かれ合うなかでラクメの父の逆鱗に触れ、すったもんだ。
ジェラルドは軍人であることの使命を思い出し、それを悟ったラクメは死を覚悟します。ラクメの父が再びジェラルドを仕留めようとしますが、それを諫め、自身の愛を証明するようにラクメは自身の死をもって思い止ませるという内容。
評判では、「音楽はGOOD!でも台本はBAD」らしい。
音楽が良ければ、特にアリアなどハイライトとなる部分が優れていればその歌声聴きたさに人気も出るというもの。
パリのオペラ・コミック座では通算1500回の上演は超えていて、パリっ子に愛されている作品になっています。
大規模な音楽というより室内楽の繊細で優雅さを惹き立たせるような旋律がラクメのアリアでは聴きどころな気がします。
悲劇の物語のなかで美しく歌い上げるヒロインの存在が胸を打つ。
古今東西、共通の感動ポイントがあるわけで、そこをきちんと理解しない限り、上滑りに白けてしまうかもしれません。
古典的なところから人間の根源にある感情というものをしっかり捉えたいと想った作品でした。