【音楽×珈琲 鑑賞録】3月3日~フランツ・リスト 交響詩『前奏曲』 × 亀山珈琲焙煎所 メキシコ エル・トリウンフォ カフェインレス
音楽観を鍛える鑑賞録。
それにあう珈琲をそえて。
3月3日のテーマは【謎】
とりあげる作品は、
フランツ・リスト /
交響詩『前奏曲』
×
亀山珈琲焙煎所 /
メキシコ エル・トリウンフォ カフェインレス
です。
フランツ・リストの名言
"In life one must decide whether to conjugate the verb to have or the verb to be."
「人生において、動詞を活用するか、動詞に在るかを決めなければなりません。」
フランツ・リスト
ドイツ語: Franz Liszt
ハンガリー語: Liszt Ferenc
1811年10月22日 - 1886年7月31日
王政ハンガリー出身。現在のドイツやオーストリアなどヨーロッパ各地で活動したピアニスト、作曲家。
課題図書"366日の西洋音楽"の解説によると、
この曲は、長らくラマルティーヌの『瞑想詩集』からインスパイアを受けての「前奏曲」だと思われていましたが、実は男性合唱曲「四大元素」の前奏曲でとして完成された曲であったらしい。
というのも、リストはこの曲の標題に、
「私たちの人生は、死という厳粛な第一音ではじめられる知られざる歌への、まさに一連の前奏曲(複数形)そのものではないだろうか?ーラマルティーヌの『瞑想詩集』による交響詩<レ・プレリュード>」
と記載されていたために誤解が生じたという。
この原文が気になり、例によって英語版のWikipediaで見てみたものの、
詩的な世界観炸裂していて、分かるような分からんような陳情がありました。
せっかくなので、1856年のスコアに記載されていたという詩を引用してみます。
What else is our life but a series of preludes to that unknown Hymn, the first and solemn note of which is intoned by Death?—Love is the glowing dawn of all existence; but what is the fate where the first delights of happiness are not interrupted by some storm, the mortal blast of which dissipates its fine illusions, the fatal lightning of which consumes its altar; and where is the cruelly wounded soul which, on issuing from one of these tempests, does not endeavour to rest his recollection in the calm serenity of life in the fields? Nevertheless man hardly gives himself up for long to the enjoyment of the beneficent stillness which at first he has shared in Nature's bosom, and when "the trumpet sounds the alarm", he hastens, to the dangerous post, whatever the war may be, which calls him to its ranks, in order at last to recover in the combat full consciousness of himself and entire possession of his energy.
「私たちの人生は、未知の賛美歌への一連の前奏曲であり、その最初の厳粛な音は死によって強調されていますか?—愛はすべての存在の輝かしい夜明けです。
しかし、幸福が嵐によって中断されない運命なんてありますか?
凄まじい爆発が幻想をかき消し、天災が功徳を使い果たします。 そして、ひとつの嵐から抜け出たとしても、穏やかな草原のなかで記憶を休ませてはくれません。そんな残酷に傷ついた魂はどこにいくのですか?
それにもかかわらず、人は生まれてすぐに感じたような慈悲深い静けさを楽しもうとして、延々とあきらめることがありません。
そして、「トランペットが警報を鳴らす」とき、危険な未来へ向かってしまいます。どんな戦争であれ、 戦功と勲章が意識とエネルギーの回復になってしまいます。」
This English version is taken from vol. I, 2 of the complete edition of Liszt's musical works of the "Franz Liszt Stiftung".
・・・なぜ訳してしまったんだ。
というくらい時間をかけて自分なりの意訳で解釈してしまいました。
たぶん、誤訳が多いかと思いますが、それでも筋の通った訳ではあるかと思います。
英語版で引用してしまったので、本国のオーストリアやドイツであればまた言葉が違うことでしょう。
つまりなにを述べたいのかというと、
「誤訳でもいい。傷ついた魂を彷徨わせながら、快く生きれる解を目指そう」
ということです。
みな都合のいいように解釈します。
我思う故に我ありです。
かたや、不都合な真実に対しても折り合いをつけていて、
なんとか世界は均衡を保っています。
ただ、そんな主観的人類世界の「前奏曲」は佳境を迎えようとしている気がします。
リストの「前奏曲」でいえば、わたしたちはどの位置にいるのか。
そして「四大元素」に移行するとしたら、どんな転換をするのか。
そんなことを思い浮かべてしまう時間でした。
リストの交響詩世界を窺いながら、讃美歌のような前奏曲にある今。
厳粛な音とも形容するべき「時間」を大切に奏でていきたいものです。
音楽にあう珈琲を考えてみる
このリストの音楽を受けて、淹れる珈琲も思考してみましょう。
音楽というより遺した言葉にフォーカスしがちな自分で、今回もやってしまいました。おかげで2時間も書き綴ってしまっています。
そんなふうに遅い時間まで考えあぐねてしまうときもあります。
そういったときのために、カフェイン抜きのコーヒーというのも選択に入れておきましょう。
亀山珈琲焙煎所
メキシコ エル・トリウンフォ カフェインレス 深煎り
今日はこのコーヒーを飲みきったら、さっさと寝ます。
カフェインレス、デカフェについてのお話はまた明日に引き継ぎます。