【音楽×珈琲 鑑賞録】11月29日~カール・ニールセン 『交響曲』第4番「不滅」
音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【33日】
11月29日のテーマは、【作曲・演奏】
とりあげる作品は、
カール・ニールセン /
『交響曲』第4番「不滅」
です。
カール・ニールセン
Carl August Nielsen
1865年6月9日 - 1931年10月3日
デンマークの作曲家、ヴァイオリニスト
交響曲第4番 作品29, FS 76 は、1914年から1916年にかけ作曲した交響曲。
作曲者自身によって『不滅』(または「滅ぼし得ざるもの」、デンマーク語: Det Uudslukkelige、英語:The Inextinguishable)という副題がついています。
紙幣にも肖像が載ったデンマークの代表的作曲家で、現在も頻繁にオーケストラでのレパートリーに採用され有名録音も多い作品ですが、生前のニールセンは彫刻家のアネ・マリーイとの結婚生活に支障があったり経済的余力にも乏しく、困窮に抗うようなスタイルで音楽性を開花しています。
この交響曲第4番は第一次世界大戦中に作曲された作品で、社会情勢を鑑みた音響に通じているようにも聴こえます。
4楽章のようでありながら単一楽章で、調性も「発展的調性」(Progressive tonality)という多調性。2人のティンパニが競い合うように叩き合うのも特徴的で、かなり実験的な作品の様相です。
ニールセン自身この交響曲について、
「生命力、消すことのできない生きる意志」
"the life force, the unquenchable will to live"
と表現しています。
自分自身の境遇と不条理な社会との間にもまれながら、それでも音楽を創り続ける意志を貫徹したニールセンの生き様に、音楽性だけでない示唆の深い学びがあることが窺い知れます。
いつの時代も完全無欠にハッピーな時代はありません。
そのなかで在りたい自分を目指し、消えることのないものを創ることを諦めず日々の創作に努めていきましょう。