【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月11日~アルマ・マーラー『五つの歌曲』
音楽観を鍛える鑑賞録。
1月11日 本日のテーマは、
【逸話】本人や家族の珍エピソードから恋愛や病気による苦悩まで作曲家の波瀾万丈な人生を紹介。
とりあげる作品は、
アルマ・マーラー /
『五つの歌曲』
です。
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マーラーの奥さんも音楽家だったとは知りませんでした。
"ミューズにしてファム・ファタル"という評について講じてしまうと、「おまいう」感がハンパなくなってしまうので、控えます。
今回傾聴した「五つの歌曲」。
ありがたいことに日本のHiroandAkikoさんが動画を残してくれていたので、じっくり聴きながら、詩などを含めて考えたことを記します。
5つの歌曲全般的に、"秘めごと"を想起しちゃうのは、かの私生活からのバイアスがかかっているためだろうか?
誤解かもしれませんが、この思考を推し進めていくと、恋多きことに葛藤をもっていたんじゃないかな、と思う。
No.5であるハイネ (Heinrich Heine)の詩は端的で、
O halt mich fest,Geliebte!
Vor Liebestrunkenheit
Fall' ich dir sonst zu Füßen
Und der Garten ist voller Leut!
おお、私をしっかりと抱きしめて、愛する人よ!
酔いを愛して
そうでなければ私はあなたの足元に落ちるでしょう
そして庭は人でいっぱいです!
(Google翻訳 直訳ママ)
「酔いを愛して」という訳がいまひとつピンとこなかったので、
"Liebestrunkenheit"を単体で訳したら「中毒が大好き」になった。まじかよ。
"Vor"は「前に」という意味なので、「酔い痴れる前に」という意味になりましょうか。
ともかく、この詩を引用する心理は揺れ動く乙女心を想起させてしまうものの、音楽自体は、なんというか分かりやすい気がしました。
「詩先」というべきか、言葉がありきで音を当てはめているようなイメージ。
なので、えっ?みたいなコード感があっても合っていないようには聴こえない。
小曲が5つ約15分の独唱とピアノだけの展開なので起伏があっても、聴きごこちはやわらかく、こころ穏やかに拝聴できました。
なんとなくですが、旦那の音楽と性格をさんざ目の当たりにして、もっとラクな気持ちで音楽をつくったらどう?というような感慨を覚えたのではないでしょうか。
アルマ・マーラーの音楽性をWikipediaでは、「調性音楽から離れることができなかった」と記していて、アルマもアーティストとして一方ならぬ存在になりたかったのかなぁと思いながらも、小曲でも少数でも作品をつくり、自分らしさを表現したということにおいては、充分優れた音楽家ですと賞賛したい。
全然本筋とは関係ないのですが、アルマの誕生日が1879年8月31日で、自分のちょうど100年前にお生まれに!?という気づき。わたしは9月1日生まれなのでニアミスかー・・・
などとどうでもよい親近感を記したところで、また明日もご覧いただければ幸いです。
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