【音楽×珈琲 鑑賞録】12月20日~ジョージ・ガーシュウィン 交響詩『パリのアメリカ人』
音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【12日】
12月20日のテーマは、【作曲・演奏】
とりあげる作品は、
ジョージ・ガーシュウィン /
交響詩『パリのアメリカ人』
です。
ジョージ・ガーシュウィン
George Gershwin
1898年9月26日 - 1937年7月11日
アメリカの作曲家
『パリのアメリカ人』(An American in Paris)は、1928年作曲の交響詩。
以前記事にした『ラプソディ・イン・ブルー』に次いで、ガーシュウィンの有名な「シンフォニックジャズ」作品です。
この作品の背景は、「1920年代に過ごしたパリの活気に触発された標題音楽」という解説がありますが、タイトルと音楽の雰囲気だけでも景色と世界観が想像できます。
特徴的なのは、自動車のクラクションの利用で、ガーシュインはニューヨーク初演の際に、パリのタクシー用のクラクションを持ち帰って使用したくらいのこだわりようです。
そうした飛び道具の使用も面白い作品ですが、この作品の出色は陽気でウィットに飛んだ音響がめくるめく展開をうみ、なにが飛び出すかわからないアトラクションを楽しむようなワクワクがあるところです。
ジャズの即興的演奏というより規定演技のなかで遊び心に富んでいる。
私のようなクラシックの素人でもさすがに分かるくらい、この作品を演奏する楽団の演奏力の高さに唸ってしまいました。
ガーシュインは12歳のときに兄が興味を示さなかったピアノを嗜んだのが音楽体験のスタートなので、年齢的にはわりと遅くに音楽を始めています。
それからソングライターとしてポピュラーソングを数多く手がけ、人気が出たというエピソードからも音楽の英才教育で上りつめたというより、市井でありそうなところから発展していった人なのではないでしょうか。
それからポピュラーソングに留まらず、独学でオーケストレーションを学び、管弦楽曲を多数手がけ、ジャンルを超越した作品を遺したのは畏れ入ってしまいます。
残念ながら、38歳という若さで亡くなってしまいましたが、音楽家の止まることのない発展を示したガーシュインの姿勢こそ偉大な功績です。
いくつになっても止まることなく、自らの音楽を発展させていきたいものですね。