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【食×本 読書録】"少食を愉しむ シンプルにやせる、太らない習慣"

「助言」より「事実」をみよう。
太らないためには、食べ物を過度に摂取しないこと。以上。

やせている人は偶然やせているのではない。
食べる量を少なくするための秘訣。
身軽に生きるために知っておきたい、実践したい意識と心でやせる方法。

-BOOK データベースより一部抜粋

今回は、
ドミニック・ローホー 著 原秋子 訳 /
少食を愉しむ シンプルにやせる、太らない習慣
です。

この本では、「少食」で在ることを、いかに折り合いをつけていくかに言葉をあてています。
折り合いを「愉しむ」という言葉に転化し、「ダイエット」という苦い粒を、やわらかい文章、いわんや甘いチョコでコーティングしてくれている。
この本を経てもなお、過体重に悩まされ続けるようなら、それはたぶん甘いチョコの部分しか舐めていない。読書ではなく、文章を目で追っただけです。
ハックの奥にある、大事な苦い粒を噛みしめましょう。
読書は、実践からはじまります。

やせている人はやせることに人一倍関心がある

ただ、この本は、すでにやせている人向けな気がします。
「今まで減量してきた長い道のりを誇りに思う」
そんなダイエットという終わらぬ戦いの過程、ろうたけた人が放つ、戒めの言葉をききたいというような感じ。

なので、これを読んで、
「よし16時間、断続的断食するぞ!」
「13口に分けて、30回噛むぞ!」

とはならないでしょう。
これを読む人はすでにやっているでしょうから。

とはいえ、わたしのいまの心境としては、
「読むなら、しっかり咀嚼して栄養にするぞ!」という気概があるので、幾ばくか考えさせられる点がありました。

それは、「友人とのダイエット談義は避ける」という指摘、
「助言」は、害を与えるかもしれないことです。

自分たちの習慣を変える気のない人たちと、生きる

「周囲が自分のしているダイエットに反対な場合」、
「あなたにたくさん食べさせようとする人たちとの関わり方」、
「大食いの夫や「パスタを作って」とせがむ子供たちへの対処法」、
などの事例を読みながら、他者との生き方を考えてしまう。
いかに「自分の定めたルールを守っている時の方が幸せを感じ、実践している」かが大切で、難しいかを考えました。

大抵他者は、何の気なしか、良かれと思って言葉を投げかけます。
わざわざ「傷つけてやろう」とはそうあるものではない。
それだけに、いかに高尚でも低俗でも、違いを感じてしまうと寂しくなります。
そうしたベクトルがぶつかるような向き合い方ではなくて、併走しよう、と。
自分と他者、たくさんのイガイガしたベクトルたちの、共通の方向を向いたものを認め合おう。
ダイエット論に関しては意見が食い違っても、認め合えるものでコミュニケーションをとるようにしよう。
そう思いました。

素晴らしい習慣!それを実践しないやつらはクソだ!
と断じてしまってはいかんです。

読書は実践からはじまる!
と大上段で申し上げてしまいましたが、
ダイエットも人それぞれの方法論があります。
もちろん、生き方も人それぞれです。
併走できる部分を、愛でていきたい。
最終的には、そう思えた本でした。

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