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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月30日~ヨハン・シュトラウス1世 ラデツキー行進曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
3月30日のテーマは、【周辺】

とりあげる作品は、
ヨハン・シュトラウス1世 /
ラデツキー行進曲です。

ヨハン・シュトラウス1世
Johann Strauss I.
1804年3月14日 - 1849年9月25日
オーストリア帝国のウィーンを中心に活躍した作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト。

『ラデツキー行進曲』(Radetzky-Marsch)作品228は、紆余曲折の経緯があります。
1848年7月当時、ドイツ民族からの独立闘争の渦中にありました。
ヨーゼフ・ラデツキー将軍の率いるオーストリア陸軍が独立運動の鎮圧に成功したため、感謝祭を催すことに。
シュトラウスはこの祝典のために新曲を依頼され、作曲に取りかかりました。
その作曲時間は2時間と言われています。
短い曲に協力と流用があったとはいえ、2時間で書き上げたのは驚きです。

この曲が人気を博し、ヨハン・シュトラウス1世の代表曲になります。
以降も、帝政が廃止された現在のオーストリア共和国でも国家を象徴する曲であり、国家的な行事や式典でたびたび演奏されています。
なかでも、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートでは、1958年以降は2005年を除いて、毎年プログラムのアンコールの最後の曲として、必ず演奏される曲として知られています。

近年演奏されていたのは、レオポルト・ベーニンガーが編曲したもので原典はかなり違うようですが、ベーニンガーはナチス党に協力していた人物だったため、つい最近の2020年ニューイヤーコンサートで改帳されたみたいですね。
あまり違いがわからないというか、年ごとにぜんぶ違うように聴こえますが。
まぁ演奏者や楽友の人々からすれば、変わったことの感慨は言い表せないほど胸を打つものだったことでしょう。

そんなニューイヤーコンサートの映像をみると、とても祝祭感にあふれ、笑みを浮かべてしまいます。クラシックで聴衆が手拍子で参加するのを見たことがなかったので、えも言われぬ感動を覚えました。

この手拍子はニューイヤーコンサートでは習慣になっていて、第二次世界大戦後からという歴史深いものですが、この一体感のある祝祭こそ人間賛歌の最たるものです。
こういった催しが憚ることなく楽しめる時代が来ることを待ち望みながら、いまできることを粛々とやっていくようにしましょう。

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