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【音楽×珈琲 鑑賞録】10月27日~エドワード・エルガー エニグマ変奏曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【66日】
10月27日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
エドワード・エルガー /
エニグマ変奏曲

です。

初代準男爵サー・エドワード・ウィリアム・エルガー
Sir Edward William Elgar, 1st Baronet, OM, GCVO
1857年6月2日 - 1934年2月23日
イングランドの作曲家、指揮者

通称『エニグマ変奏曲』、正式名は『独創主題による変奏曲』(Variations on an Original Theme for orchestra)、1898年から1899年にかけて作曲され、1899年にロンドンでハンス・リヒター指揮により初演された作品です。

この『エニグマ変奏曲』の作曲のきっかけは、1898年10月21日、夕食後にピアノで何気なく思いついた旋律を弾いていたとき、妻を喜ばせるために、その主題に基づいて友人たちを思い浮かべながらそのイメージに沿うようにと即興的に変奏を弾いたのがとっかかりになっているそうです。

そこからエルガーと妻を含めた友人14名、それぞれをイメージしたタイトルを配して、2部形式による主題を変奏曲が続きます。
"C.A.E"や"H.D.S-P"などは友人の頭文字を表し、"Ysobel"や"Nimrod"などは愛称などタイトルが人名を表す仕立てになっていて、これが「エニグマ」(謎)と言われる由縁です。
なかでも第13変奏曲のみ「ロマンツァ」(Romanza)"***"というタイトルで、この部分がエニグマ変奏曲における最大の謎になっていますが、まぁこれは想像する楽しみというものでしょう。

のちにエルガー自身による解説で、「もう1つのより大きな主題が貫いているのだが、それは演奏されない」という「陰の声」(dark saying)があると謎を深めています。
その声が聴き及ぶほど真摯に音楽にも人生にも向き合っているとはいえないだけに、この意味はまだ理解できていません。
ただ、陰の声が聴こえてくる気がするくらいまで、少しずつでも価値を知っていくこと。そんな背中を押してくれるような意図が込められているのだと信じたいものです。

謎を解いたら世界が変わるわけではなくて、謎を解こうという姿勢にこそ世界が変わる力が生まれる。
エニグマ変奏曲からインスパイアされ、各々の謎を解いていく過程を楽しんでいきましょう。

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