「強みの認識」の高め方 ~書籍『Character Strengths Intercention』より #16 ~
こんにちは。紀藤です。性格の強みについて読み解いた書籍『Character Strengths Interventions』の第8章にて「強みの見つけ方や活かし方」がたくさん(70個!)紹介されています。
「強み」というのはそもそも掴みどころがないものですが、そんな強みに注目し、認識し、活用する上で、具体的にどのような方法があるのかを理解することは、仕事や日常での強みからの利益を得る上でも有効でしょう。ということで、「強みの介入の70選」を一つずつ読み解いていきたいと思います。
今日は、1~10番目の「強みの認識を高める介入」の内容のポイントを紹介いたします。それでは早速参りましょう!
「強み認識」を高める方法
まず最初に「強み認識(Character Strengths Awareness)」を高める10の方法が紹介されています。必ずしも順番に行っていくものではなく、モジュールのようなものだと理解されると良いかと思います。
それでは一つずつ概要をみてまいりましょう。
(ちなみに、個人的な経験として、重要である・効果がある・使いやすいと思ったワークを「★」1~3で示しています。ご参考くださいませ)
(1)はじめに:性格の強みの紹介と探求(★★★)
「そもそもなんで強みに注目するの?」について考え、強みを考えるための枠組みを紹介します。性格の強みとはなにか?などVIAの説明なども有効です。強みを活用すると、色々メリットありそうだ、と思ってもらうことも有効のようです。
(2)VIAテストを受ける(★★★)
強みを理解するためには「強みを理解するための共通の言語」を手に入れる必要があります。そのための一つの方法が、VIAテストを受けるというものです。このテストを受けることで24の強みの分類に基づき、自分の強みがどこにあるのかを認識することができます。(ストレングス・ファインダーなどでも良いと思います)
(3)強みを確認し、価値を認める(★★)
強みを認識しても、それが「自分の中の価値である」と大切に思えなければ、強みは自分と分離したままです。そのため、自分自身が価値を感じる強みを確認し、承認することが重要です。
(4)モチベーションを高める(★)
強みを活用するためのモチベーションを高めることです。具体的には、
・性格の強みを学ぶことが1~10でどれくらい重要か?(重要性)
・性格の強みを生活で活用する自信はどの程度あるか(自信)
・性格の強みの活用について、今どの程度準備ができているか?(前熟考、熟考、準備、行動、維持の5つの行動変化の段階のどこにいるかを考える(Prochaska & DiClemente, 1982)(準備)
など、現在の自分の心境をモニタリングすることを提案しています。
(5)特徴的な強みを取り除く(★)
自分が大事にしているものは、なくなったときにその価値がわかるものです。同様に、「もし自分の”この特徴的な強み”がなくなったら、自分はどう考えるだろうか?」と想像してみるのです。
(例えば私(紀藤)は「向学心」が自分の特徴的な強みですが、この学ぶことが取り上げられたら、全く自分らしくない(メルマガも、他者からの話からも学べない)、世の中が白黒に見えてしまう・・・という気持ちになります)
「日常が忙しくて、バラの匂いを嗅ぐ時間がない」のはもったいないのです。
(6)性格の強みの家系図(★★→玄人向け)
私達は、家族の影響を受けています。強みの家族関係の影響、家族力学への洞察を深めましょう、というワークです。具体的には、核家族を書き出し、家系図を作ります。そして、核個人の横に、その人が持っているであろう2~3の強みを書き出すのです(もしVIAを受けていたらその強みを書く)。そうすると、自分の家族から受けた影響への洞察を深めることができます。
(例:我が家(紀藤家)では、ストレングス・ファインダーでいえば、全員がトップ5に「最上志向(まだまだ・もっともっとという向上心)」が含まれていました)
(7)性格の強み 360°(★★★)
このワークは、組織の文脈で、特に使えるワークです。
360度フィードバックの形式は、企業内でも行われるものですが、自分で見た自分像を、他者から見た自分像をそれぞれ知ることができるため、より正確な強みの自己認識を得ることができます。
自分が気づいていない強みを認め、活用することに繋げることもできますし、あるいは強みの誤用に気づくこともできます。自分が「強み」と思っていても、他者は「強み」と思っていなければ、その認識の不一致により、すれ違いが起こる可能性があるので、それを修正することができるということです(例:私は「慎重で正確」なのが強みだと思っているが、周りは「慎重すぎて行動的でない」と思っている、など)。
(8)自分の強みをセルフモニタリングする(★★)
わたしたちの行動の多くは”無意識”で行われています。
私達の「強み」を使う行動もそうです。そのため、自分が活動している時に、どの強みを・どのように使っているのか・そしてその時に何を感じたのかをセルフモニタリングし評価する、というものです。シンプルですが、研究に基づいた、強みの自己認識を深める効果的なワークとされています。
(9)ストーリーと性格の強み (強み発見の開発)(★★★)
自分が最も良かった時、ポジティブな経験をしていたときのストーリーを共有し、その時にどのような強みが現れているかを考えるワークです。
ポジティブな経験の際には、自分の強みが立ち現れているものです。そのストーリーの中の強みに注目することで、自分の強みを理解し、活用できるようにします。
(10)メンター/ロールモデル(★)
自分の中のメンターやロールモデル(尊敬する人・師匠と感じる人)は自分にとって重要な人物であり、ポジティブな影響を与える存在です。
そんな尊敬するロールモデルからみて「自分の強みはどのように見えているのか?(なんという言葉で自分の伝えてくれたか)」を考えること、あるいは「そのロールモデル自身が持っていた強みを考えてみる」ことで、どんなが受けた影響を考えてみる、というワークです。
尊敬する人から評価された強みだとすると、確かに自分にも影響力が大きそうですね。
まとめと感想
今回の1~10は、どれも基本的なものではありますが、実際に私もワークショップなどで実施をするものも多くあります。
たとえば、CSI1_はじめに:性格の強みの紹介と探求→ CSI2:VIA(あるいはストレングス・ファインダー)を受ける→ CSI3:強みを確認し、価値を認める→ CSI9:ストーリーと性格の強み、などは基本的な流れに組み込んでいます。
その他にも、やっていなかった強み介入として、「性格の強み360°」などはぜひやりたいと思いましたし、多くの人がやりやすいようなフォーマットも作ってみたいな、と思った次第です。
次回は、11~20を見ていきます。お楽しみに!
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