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強みを活かすには「強みの中庸」を意識する

「何事もほどほどが良い」。

よく言われる「中庸」なる考えですが、これは「強みの活かし方」にも適用されるようです。今日はそんなお話をしてみたいと思います。


「良い性格」を表す言葉

さて「性格の強み」の代表的なテストである『VIA』は、人間の美徳としての24の性格をピックアップしています。ゆえに、基本的にはどれもポジティブなニュアンスの単語が並びます。

たとえば、「創造性、好奇心、向学心、リーダーシップ、勇敢さ、愛情、親切心、希望、ユーモア、謙虚さ」などなど、一般的な「良い性格」を表します。(『VIA』についてはこちらの記事に詳しく書いています↓↓)

しかし、「良い性格」の言葉ですら「強みを使いすぎると良くない意味になる」と、複数の文献や論文で述べられています。ここが興味深いところです。

何事も「ほどほど」がよい

腹八分目がいい。贅沢もしすぎないほうがいい。
意見もどちらかに偏らず、バランスがあるほうがいい。

「かたよらない」=「中庸」として、古くはアリストテレスがいっていたとかなんとか。そして「強みを活かす」もまさにこの「中庸が大事」であり、「強みの使わなさすぎ or 使いすぎに気をつけよ」と言われています。

株式会社カレッジ 研修資料より

強みの使いすぎに気をつけよ

さて、では具体的に「強みの使わなさすぎ」「強みの使いすぎ」とは一体何なのでしょうか?

VIAの24の「性格の強み」を例に、以下ご紹介したいと思います。

【「強みの使わなさすぎ」 -「強みの中庸」-  「強みの使いすぎ】
Conformity- Creativity- Eccentricity
追従 - 創造性 – 風変わり
Disinterest- Curiosity- Nosiness
無関心 - 好奇心 - おせっかい
Unreflective- Judgment- Narrow-minded
思慮が浅い - 知的柔軟性/判断力 - 心が狭い
Complacency-Love of Learning- Know it all
自己満足 – 向学心 – 知ったかぶり
Shallow- Perspective- Overbearing
浅い – 大局観 – 横柄
Cowardice- Bravery- Foolhardy
臆病 - 勇敢さ - 無鉄砲
Helpless- Perseverance- Obsessive
無力さ - 忍耐力 - 強迫観念
Phoniness- Honesty- Righteousness
偽善 – 誠実さ – 正義感
Sedentary-Zest-Hyperactive
動かない - 熱意 - 多動
Emotional Isolation- Love- Emotional Promisuity
感情的孤立- 愛情 -感情的に無節操
Indifferent- Kindness- Intrusive
冷淡 - 親切心- 押しつけがましい
Clueless/Obtuse-Social Intelligence-Over-analyzing
無知/鈍感 -社会的知性 - 分析しすぎ
Selfish- Teamwork- Dependent
利己主義- チームワーク- 依存
Detached-Fairness-Partisanship
偏見 - 公平さ- 党派心
Compliant-Leadership-Despotism
服従- リーダーシップ- 専制
Merciless-Forgiveness-Permissive
容赦がない- 寛容さ- 甘い
Arrogance-Humility-Self deprecation
傲慢- 謙虚さ- 自己卑下
Sensation-Seeking -Prudence-Stuffiness
感覚追求 - 慎重さ - 堅苦しい
Self-Indulgence- Self-Regulation- Inhibition
自己中 - 自己調整 - 抑制しすぎ
Oblivion- Appreciation of Beauty/Excellence- Snobbery/Perfectionism
忘却 – 審美眼 - 俗物根性や完璧主義
Entitlement- Gratitude- Ingratiation
権利意識 - 感謝 – ご機嫌取り
Negative- Hope- Pollyannaism
ネガティブ - 希望 - 楽観主義
Overly Serious- Humor- Giddiness
深刻過ぎ - ユーモア – 軽はずみ
Anomie- Spirituality- Fanaticism
アノミー(無規範) – スピリチュアリティ - 狂信的

Nimiec (2017), 『Character strengths Intervention』より

「感謝」もやりすぎると、「ご機嫌取り」になるし、
「希望」もやりすぎると、「楽観主義」になる。

「ユーモア」がなさすぎると、「深刻すぎ」になるし、
「チームワーク」がなさすぎると、「利己主義」になる。

こうして並べてみると、「中庸が大事」というのもうなづける気がしますね。

まとめ

強みを活かす上で、まず自分の強みを表す言葉を知ることが大事ですが、知った後は「自分の強みが中庸として使えているかを考えること」、すなわち「強みの使いすぎ・使わなさすぎになっていないかを考えること」が大切です。

王道の強みの使い方ですが、改めて大切なポイントをお伝えさせていただきました。最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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